美しすぎる学校の先生が不登校になってしまったので家にお見舞いに行った結果・・・

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19: 名も無き被検体774号+ 2014/03/12(水) 07:23:23.93 ID:zSMs1Lti0

 一週に一、二度ほどの頻度で先生の家を訪ねる日々が続いた。

『どうやらこいつはもう「学校に~、学校へ~」などと押しつけがましいことを言う気はないみたいだぞ』という風に判断したのだろうか、先生の態度はかなりくだけたものになってきていた。
いや、どちらかというと『本来の先生』に回帰しつつあるというのが正しいかもしれない。
親しみやすく、慕われやすい。真面目な顔で不真面目なことを言ったりする。そういう先生の“らしさ”とでもいうべきものが、戻ってきているように感じた。

相変わらず奥の部屋には入れてもらえなかったけど、そもそも客人を応接するのに寝室を使う人間はいない。
ベッドや本棚などが見当たらないことから察するに、もう一つの部屋をメインの居室として使っているのだろう。
他人を易々とあげるような役回りの部屋ではないということは、想像に難くなかった。

時刻は18時過ぎ。この日は、先生の家で夕食をごちそうになるという約束だった。
図書運搬のお使いをこなした、せめてものお礼ということだった。
一生徒が、教師の自宅で晩餐を共にする。非日常の幸福に胸が躍る思いだった。
大げさに言えば、禁忌を犯しているその感覚。当の先生は、どういう認識でいるのだろうかというのが少し気になった。そのことを口に出そうとは思わなかったが。

「…………それ面白い?」

20型のテレビを流し見ている僕に、暗澹たる声音でもって先生は聞いた。
季節外れの心霊特集が短調のピアノ楽曲をBGMとして、一枚の心霊写真を映し出す。黒い目線で顔を隠された女性の下半身がすっかり消失している。あるべき下半身の代わりに見えるのは背景の廃病院だけだ。

「結構好きです」

「そう。わたし、別の番組がいいな」

意地悪な気持ちが湧いた。

「もしかして、怖いんですか」

どおりで、頑なにこっちを向かないわけだ。
ふたのしまった圧力鍋を監視するようにねめつけても、何も面白くはないだろうとは思っていたが。

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