退院後、事情を聞いた社長は「元気になるまでいつまでも待っている。いつでも戻ってこい」と言ってくれた
しかし、結局私は仕事場に復帰することは出来なかった
妻との出会いは花見大会だったとはいえ仕事場周辺だったし、アパートも生活圏もその周辺だった
仕事をして家に帰るというサイクルの中で妻のことを思い出し、とてもじゃないが仕事にならなかった
浮気されたことを免罪符に仕事場の仲間に迷惑を掛けたくなかったし
私がフラッシュバックで吐いているのを見て歯を食いしばっている副社長の義父をこれ以上苦しめたくなかった
社長のツテで新しい仕事を紹介してもらい、私は別の地域で働くことになった
新しい仕事とは言え、内容は似た感じだったのですぐに馴染むことが出来た
その仕事場の近くに新たにアパートを借り、一人暮らしで新生活を始めた
自殺を心配した私の親が車を売り払い、刃物や長いひもを持つことや、電車にのることを禁止された
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