「……どうした?」
「……ごめんね、お兄ちゃん。私のせいで、お兄ちゃんに迷惑をかけて……」
「……」
ひまわりは、完全に俯いてしまった。
それは、彼女の心からの言葉なのだろう。
――だからこそ、オラは彼女にデコピンをする。
「ていっ」
「あいたっ!」
ひまわりは、おでこを押さえたまま、目を丸くしてオラを見ていた。
「なに妙な遠慮してんだよ。オラとお前は他人か?」
「……」
「違うだろ。家族だろ。お前の、しょうもない遠慮なんて、オラには通じないからな。
お前が歩けないなら、オラが後ろを押してやる。オラは、お兄ちゃんだからな。
――だからお前も、妙な気を使うなよ」
「……うん……うん……!」
ひまわりは、涙を堪えながらずっと頷いていた。
……そうだ。オラは、ひまわりのお兄ちゃんなんだ。
オラが、ひまわりを支えるんだ。
改めて、そう決意した。
それからの生活は、色々大変だった。
まず、着替えることから大変だったようだ。
そしてトイレも、風呂も、今まで簡単にしていたことさえ、大きな労力を使うものになった。
足が使えないのは、これほどまでに自由が効かなくなるものかと驚く毎日だった。
かといって手伝おうとすれば、エッチだのスケベだの言われて追い返されることもしばしば。
しかしまあ、ひまわりは持ち前のガッツを武器に、少しずつその生活に慣れていった。
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