「オラに出来るのは、ここまでだ。風間くん、キミさえ良ければ、もう一度伝えてほしい」
「……」
風間くんは何も言わない。だけど、その表情は、確かに何かを伝えていた。
そして彼の目は、不思議とオラを安心させた。
「……ひまわり。本当にオラのことを考えてくれるなら、お前が思うようにしろ。お前の願いを、口にするんだ」
「……お兄ちゃん……」
ひまわりは、潤んだ瞳でオラを見る。もしかしたら、まだ悩んでいるのかもしれない。
……だから、もう少し背中を押すことにした。
「……大丈夫。ひまわりがどういう返事をしても、お兄ちゃんはもう怒らないよ。
お兄ちゃんは、ずっとひまわりの味方だ」
「……うん……」
そしてオラは、その場を立ち去る。
オラが歩き出すと、二人はまたお互いを見つめ合っていた。
それからどういう話になったのか分からない。二人が、どういう言葉を送ったのか分からない。
……だけど、それはオラが干渉するべきではないことだろう。それに、きっと二人なら、オラなんか必要じゃない。必要ないんだ。
少し寂しくはあるけど、それでも暖かい。
どこかすっきりした気持ちを胸に、オラは家に帰った。
……それから1週間後、風間くんはオラの家に来た。
そして、彼はひまわりと一緒に、オラに結婚することを告げた。
「……そうですか……風間くんとひまわりちゃんが……」
会社の椅子にもたれかかっていたあいちゃんが呟く。
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