あいちゃんに、事情を説明ししばらく休みを取ることを告げた。
快く了承してくれたことに、本当に感謝してる。
おそらく、これから車椅子が主体となる。
ほんの少しの段差が、彼女にとって大きな障害だろう。
段差という段差に、片っ端からスロープをつける。
問題は、台所と洗面所、浴室だろう。
こればかりは、改築しないと無理だろう。
困り果てていた、その時――
「――ごめんください」
突然、誰かが訪ねてきた。
「はーい……って、あいちゃん?」
「ごきげんよう、しんのすけさん」
そこには、あいちゃんがいた。
「どうしたの、こんなところに……」
するとあいちゃんは、ニコリと笑みを浮かべた。
「我が酢乙女グループでは、介護用品にも力を入れています。その新商品が出来たので、テスト運用をしてもらいたいのです」
「テスト運用?」
「はい。――黒磯」パチン
あいちゃんが指を鳴らすと、家の中に、一台の車椅子が運び込まれた。
「これは……車椅子?」
「はい。ですが、ただの車椅子ではありません。
……百聞は一見にしかず。――黒磯」
「はい……」
彼女の号令に、黒磯さんが車椅子に座る。
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