1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 10:58:05.561ID:Odf1ZQp/0.net
一昨日スレ立てした者です。
書き溜めたので語っていきます。
平日のこの時間に立ておいてあれですが、一応サラリーマンです!!
3:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 10:58:53.922ID:Odf1ZQp/0.net
俺
年齢:当時はたち
顔:キモオタ(ピザではない)
職業:大学生
趣味:アニメ、パチスロ
アスカ(仮名)
年齢:当時22歳
顔:芸能人詳しくないので漫画で例えると、五等分の花嫁の一花
職業:フリーター
名前の理由:初見で何故かアスカと思ってしまったから(別にアンタばかぁ?とか言われてない)
その他登場したら簡単に書きます
5:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 11:00:14.971ID:Odf1ZQp/0.net
その日は期待の新台、
そして歴史に名を残すことになる名機【SLOT魔法少女まどかマギカ】の導入日3日目だった。
その頃パチスロ歴半年ほどの俺は、
ホールまでの道のりで過去最高の高揚感を感じていた。
もともとアニオタではあったが、
パチやスロットをしていなかった俺がパチカス(スロカス)になったのは、
バイトの夜勤明け、先輩に無理やり連れていかれたことが原因だった。
以来ちょくちょくホールに足を運ぶようになった俺は、
半年ほどのスロライフをアニメタイアップに捧げていた(主に化物語とかエウレカセブン)
そんな俺にとって、2011年の覇権アニメがついにホールにやってくるとうことは、
某大統領が緊急来日するくらいの衝撃だった。
昼過ぎにホールに到着。
ネットの評判や版権を考えるとなかなか空きがないかと思って過疎店を選んだのが功を奏し、
見事、6台中1台の空き台をGET!!!!!
スロットやらない人には台の感想とかどうでもいいと思うのでそのあたりは割愛します。
7:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 11:01:47.410ID:Odf1ZQp/0.net
で、打ち始めてから3時間くらい。
俺はあろうことか騒音と紫煙に塗れるパチンコ屋の中で滂沱の涙を流していた(ガチです)
昔ニュースでCR冬ソナがリリースされたとき、
おばちゃんが行列作ってたり、台の前で手を合わせて泣いてたりする姿を見たけどあんな感じ。
なにがそうさせたかって?
別にぼろ負けして生活費をなくしたとかそんな落ちはない。
これはスロカスにしかわからないと思うけど、
まどマギてスロットとしてはもちろん、版権の活かし方の完成度が異常だった。
約束する・・・!
必ず貴女を救ってみせる・・・!
なんど繰り返すことになっても・・・ッ!
これをホールで聞いた途端俺は堪え切れず嗚咽し咽び泣いた。
信者ですまん。
その時である。
「あ……キモ……っ」
頭の上から確かに聞こえた。
やかましいホールの中で確かに聞こえた。
蔑むというかドン引きした女の涼やかな声。
アスカとの出会いだった。
10:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 11:03:18.483ID:Odf1ZQp/0.net
我に返った俺は急激に夢から醒めていった。
同時にさー、と血の気が引いていくような、立ち眩みするような寒気に襲われ、
矛盾するように顔中が熱を帯びていくのを感じた。
声がしてコンマ数秒で振り返る。
視界はぼやけている。そりゃあさっきまで「ほむほむぅ・・・ほむほむぅ・・・」などと男泣きしていたのだから当然だ。
で。
そこにいたのがえらい美人。
に見えた。
さすがに鮮明に覚えているわけじゃないけどこれだけははっきり覚えてる。
振り返って初めに俺の目に飛び込んできたのは、
すらっと長く、細いくせにやけに肉付きのいい黒タイツに包まれた脚だった。
そりゃあ座ってるから当然だよね。
すっごいむらむらしたんで印象的に覚えてる。
振り返るまでは反射だけど、そこから先はなんていうか自然な流れで、
ふとももに釘付けになりそうな視線を上昇させた。
黒タイツのおみ足が生えているのはデニムのショートパンツ。
上半身は黒色のパーカーで前のジッパーは閉まっていたけどフードはかぶってなかった。
顔は普通にかわいい。
ショートカットでちょっときつそうな眼をしていた。
11:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 11:03:45.378ID:Odf1ZQp/0.net
ドラマとかだったら、
「何見てんの?」
「いや、なにそれ俺に言ってんの?」
「そうだけど何?」
壁ドーン!
「……ほら、もっかい言ってみろよ?」
「……しゅき」
とかなるのかもしれんけど、俺はキモオタだ。
冷ややかな視線と罵倒に下半身は立っても足腰は立たない。
壁ドンとかイケメン行為は到底不可能である。
なんで何か言うでもなく、もちろん行動を起こすでもなくただ目を泳がせることコンマ数秒。
アスカは素っ気なく去って行ってしまった。
やけに長々書いてるけどここまで数秒くらいの出来事。
実際、当時その瞬間は一瞬で過ぎ去ったと思う。
その日、アスカに罵倒され、涙もまだ乾いていない瞳でまどマギをぶん回し、
昭和初期のサラリーマンのボーナスくらいの勝ち額を手にして帰った。
現在の貨幣価値にしておよそ7万円である。・・・すまん、ゆとりなんで合ってるかしらん。
アスカとのエピソードはもう少し先の話。
その日以来俺はほぼ毎日のようにまどマギを打っていた。
バイトは基本的に夕方から0時までだったし、
大学は、適当にさぼったり空き時間に真ん前にあるパチ屋に行ったりしてた。
そうこうしながら1週間ほどが過ぎる。
俺は相変わらずまどマギにどっぷりはまっていたけど、
さすがにあの日以降泣いたりはしなかった。いや、えらい負けて半べそになることはあったけど。
で、とある週末のこと。
俺がもともとまどマギの初打ちをしようとシフトを休みにしていた休日のことだ。
その日、アスカ襲来その2が起きた。
13:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 11:04:13.341ID:Odf1ZQp/0.net
折角丸一日をフリーにしたというのに、俺はその日見事に寝坊した。
俺はリア充なので当然休日ともなればツレとのサーフィンや行きつけの美容室から逆指名が入ったり片手では足りないくらいの数の美女からデートのお誘いがあるのだが当然すべて断って無理やりに空けたスケジュールだったので無念ほんとに無念今でも後悔している。
寝坊の理由は確か前日の夜になんかのアニメを一気見してたんだと思う。シュタゲだったかな・・・?
そんなこんなでホールにやってきたのはお昼を回った頃である。
そして俺の目には残酷な光景が飛び込んできた。
まどマギが、空いてない。
人生二度目のホールでの涙を禁じ得ない瞬間だった。いやマジで。
仕方ないので俺はまどマギが空くまでホールを彷徨うことにした。
化物語の前を通り過ぎ、撫子の「中だよぉ」というナビに興奮しつつ、
意味もなく北斗の島でJOJO立ちしたりした。
週末だけあって過疎店でもそれなりの賑わいを見せていたが、
その中でも一際目を引くコーナーがあった。
パチンコ屋行かない人は想像できないかもしれないけど、
出玉がなんかナイル川みたいになっているのだ。
ようはコインが入った箱が、台座に乗せられて行列を作ってるのね。
その時は行列ていうか池?なんていうか通路に所せましと溢れ返ってた。
うわ、すっげ、と思い、そんな出てるんなら自分も打とうかな、てことでそのコーナーに俺侵入。
そしたらやおら、
「うわぁあ――……ッ!!」
と、悲鳴みたいな嬌声?みたいな短い叫びが聞こえた。
誰あろう。
アスカだった。
14:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 11:04:42.648ID:Odf1ZQp/0.net
前回遭遇した時は俺が座ってたから気づかなかったけど、
アスカ意外とちっさい、そして細身。
そんな矮躯を弾ませるみたいに背もたれに背中をぶつけてた。
はじめ俺は、アスカの悲鳴は俺が背後に立ったことが原因かと思った。
何せ出合い頭の罵倒だ。そして汚物を見るようなあの冷徹な蔑みの視線(脳内補完)
初対面でそんな態度をとった男がいきなり後ろに現れたら、うら若き乙女が悲鳴を上げるのも納得できる。
結論から言って思い過ごしだった。
アスカは短い悲鳴の後嬉々として台に向かい合い、
子供が初めてもらった玩具で遊ぶみたいにはしゃぎながらレバーを叩いていた。
後に知ることになったが、その時アスカは超番長ボーナス(一番いいボーナス)を引いていた。
で、まあ、それってなかなか出ないもので、
物珍しさでギャラリーが数人集まったりした。
いち早く現場にいた俺は台の真後ろからそれを眺めていたが、
番長のことなど何も知らんのでなにが起きてるのかわからない。
( ゚Д゚) ← たぶんこんな顔してた。
ギャラリーが好奇の視線を向ける中、アスカはきゃっきゃいいながらレバーを叩く。
派手に画面が光ってアクションが起きようものなら、
「よっし」と小さく気合を入れたり、
「っいくぞー!」と溜を作ったり、
「やたっ!」とかガッツポーズして、
それはそれはオーバーリアクションしていた。
すっげーかわいい。
などと俺は思わない。
このころの俺はまだ中途半端な自尊心を内に秘めた自称イケてる大学生。
初対面で悪態をついてきた女の奇行を冷ややかに見下していた。
いちいちリアクションがうぜえ。てか女がパチ屋にくんな。BBAになってから出直せ。
後に稀代のマゾヒストとして覚醒する俺の、口に出さない罵声は続いた。
17:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 11:07:18.772ID:Odf1ZQp/0.net
結局その日はまどマギを打てずに帰宅した。
別の台でいくらか勝ったのでツレに奢ったけど何を打ってどんな展開だったかまでは覚えてない。
とりあえず番長コーナー(アスカのいたコーナー)は終日盛況で、その日の当たりコーナーだった。
それからもしばらく俺のまどマギ熱は続き、
比較的台の確保しやすいそのホールに通う日々が続いた。
そんなある日だ。
給料日を前に、種銭が尽きた。
なんだあの魔法少女。可愛い見た目でえげつないくらい俺からしぼりとってくぞ?いやマジでマミる。
正確には一文無しなったわけではない。
光熱費や食費、いくらかの現金は所持している。
しかし、俺はそこまでディープなパチンカスではなかったはずだ。
きっちり適度に楽しむ遊びとして趣味の範囲にとどめていたはずなのだ。
しかしながらSLOT魔法少女まどかマギカに対する俺の思いはエントロピーを凌駕した。
なによりネットに上がっているドヤ画像、動画のように、俺もアルティメットバトルがしたい!!
アニメ最終回をホールで流して咽び泣きたい・・・!!!!
Qべえ「その願いは、諭吉を賭けるのに相応しいものかい?」
俺「生活費でも、なんでもいい……さあ、叶えてよインキュベータ……ッ!!!!」
数時間後
俺「あたしってホントバカ……」
人生で初めて借金を考えた。適当なことを言って親に泣きつくか?
現在の戦力は諭吉未満樋口以上。ここで引けば、案外給料日まで生き延びられるかもしれない。
しかし俺は魔法養分ギャンブラー。迷ったら特攻である。
しかしまどマギはこれ以上危険だ。
なら何を打つ?
僅かな思考の末、俺の脳裏にはいつかの光景がフラッシュバックした。
そう、例の番長大爆発である。
当時まだそこそこの主力としてホールで稼働していた番長は、
その店でも一島分の台数を抱えていた。出る可能性は十分ある・・・!
で、番長コーナーに俺降臨。
確か平日だったと思う。空き台は十分あった。
その中から全く台に対する知識の無い中一台を選び着席。
いざ。
参る。
数分後。
樋口一等兵、野口二等兵数名、討ち死に!!!!
俺はラインの中から何も聞かずに金を貸してくれる友人を探した。
18:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 11:07:34.272ID:Odf1ZQp/0.net
あえて触れていなかったが、その時番長コーナーにいたのは俺を含む数人。3,4人だったと思う。
その中の一人にアスカがいた。
いや、気づいてたよ。
というか俺もこのホールの常連だから、
こいつがホールに入り浸ってる依存症だって知ってたよ?
でさ、前述したとおり、アスカていちいちオーバーリアクションなのさ。
空席を挟んで一つ隣がアスカだったんだが、
負けてることも相まってアスカの一挙手一投足がいちいち癪に障る。
俺はラストホープ野口をサンドへ挿入し、死んだ魚の目で台と向き合う。
その時だ。
「もーふーりーむーかずーあるいていけーるさっ、いつかーまーたあうそのーひーまでー♪」
アスカの歌声が聞こえた。
あ?なにこいつ、パチ屋をカラオケか何かと勘違いしてんの?
いや、店内の有線うるさいし、騒音やばいからはっきり聞き取れないけどさ。
上半身を小刻みに揺らしながら笑顔で口を動かすアスカ。
多分アスカの声を聴きとれたのは俺がその姿を凝視していたからだろう。
俺は負債のこともあり、憤怒を抑えきれなくなりそうだった。
こいつ、パチンコ屋なんかにいるんだから18は越えてるんだよな?
なんですか、わたし天然なんですー☆みたいなアピールですか?
こんなとこでぶってんじゃねーよ!!!!わかったら今すぐにその歌声を止めろ!!!!
いつかの自分へ特大ブーメランを投げつつ。
俺は自分の台の演出と向き合っていた。
で、確か卓球だったと思う。(すまん番長とか全然打ってないんで覚えてない)
スタープラチナを従えてそうなごっつい主人公がなんか卓球やってんの。
俺は数人の同士を討ち死にさせる間にこの手の演出が外れるのを何度も見てきた。
財布の中も空になりすさむ心で、
はいはいワロスワロス、と演出を進める。
確かベランダでもやしを栽培しているツレがいたはずだ。分けてもらえば当面のsy
「イタダキラアアアアアアアシュッ!!!!!!!!」
ファッ!?
19:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 11:08:01.705ID:Odf1ZQp/0.net
あ、当たった・・・。
しかもラッシュということは、一発逆転の可能性がある!!!
これを伸ばせば・・・いける!!!
ふははは、すまんな愚民共!
俺はベランダでもやしを栽培している貧乏学生とは違うんだよ!!!
台「すまんかった」
俺の一発逆転への願いは数分で終わった。
確かちょっと伸びて、150枚くらい?出たと思う。
すぐ交換すれば数日分の食費になる。これでレトルトのご飯を買い、もやしを貰おう。
そう思い、時間も時間なので箱にメダルを移し、腰を上げる。
「えっ!? それやめるの??」
アスカだった。
驚いた。
いや、アスカも驚いてたし俺も驚いた。
真ん丸な目を見開いて、さりげなく俺の二の腕をつかんでいる。
勢いと微弱な拘束のせいで俺は中腰になった。
「……いや、まあ、ないかなって?」
これはパチンカスが逃げるときに使う常套句。
悪いのは俺ではない。そもそも勝てるフィールドに立てていない。
それが分かっただけでも収穫だ。ここはスマートに戦略的撤退を・・・
「や、今の通常ラッシュでしょ? それにまだ引き戻しの前兆もあるし、
そもそもちょうどソーン手前でうんたらかんたらふじこふじこ!!!!」
この娘は何を言ってるんだ。
同類である俺にすらそれは別次元の言語に感じた。
要約すると、
「へいへい兄ちゃん。あんたもう泣き寝入り決めて逃げ帰るのかい?
いけないねえ、そんなんじゃ。あんたは勝負に対する熱がなっちゃいない。
いいかい? そいつはまだ刃を隠してる。
聞こえないかい?
鞘に収められた白刃が今か今かと抜き放たれるのを待ってる声が・・・!」
いや、俺逃げなきゃ死ぬじゃん。
とりあえずここで辞めてはいけないらしかった。
正直早く帰ってさやかさんの同人誌ですっきりしたかったが、
アスカの勢いに負けて俺は持ちメダルを飲ませる作業を始めた。
20:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2019/05/13(月) 11:08:19.677ID:Odf1ZQp/0.net
で、その後の俺、無事死亡。
3000円相当あったメダル、消滅。
わかってたけどさ。酷くない?
あの女は店長からの刺客だったんだ・・・!と横目に睨む。
奴はきっちり何箱かの持ちメダルを保有していた。サクラやろ、あいつ?
今度こそ一文無しになった俺は離席を決意。
主人公がライバルとくだらない対決を始める準備をしていたが、お構いなし。
なんか上半身裸で腕立て伏せしてるところね。俺はノンケなんでパス。
どうせハイワロ対決に行って片言の黒人にぶっとばされるんだろ?
この時時刻は確か20時半ごろだったと思う。
帰宅を決め込んだ俺は未練がましく一台だけあったまどマギの空き台をポチポチしてた。
なんだこりゃ。めっちゃへこんどる。うたんでよかったわ。まあ、どうせまけたんですけどね。
卑屈になりながら出入り口へ。
そして。
アスカ襲来その3
「ねえ!!!」
「?」
んだ、こいつ。
なけなしの残金をかっぱいどいて、その上さらに俺に追い打ちかけよってか?
「さっきの台当たったよ? お金おろしに行くの? だったら抑えとかないとダメじゃん!」
要約すると俺の打っていた台は、どうやら俺が辞めた後に大当たりに当選したらしい。
あのガチムチ野郎、俺がいなくなるやライバルをぶっ倒しやがったのか。
てかそんなこといちいち報告しにきやがったのかこいつは?
などと考えていると、アスカはぐいぐい俺の腕を引っ張ってくる。
「ちょ、なに」
「早く戻って!」
戻ってどうする。
現在進行形で大当たり中の台を指さして、
「いやー、そいつ俺がさっきまで打ってたんすよ。当たると思ってたんだよねー?
悪いけど返してくれない?」とでも言えってか?
「ちょ、ちょっと、あの」
「早くしないとわたしが掛け持ちで怒られるから!!!!」
心底焦ったみたいにアスカは言った。