高1の時に一目惚れした女子がクズみたいな男に捨てられ、男性不信に陥った結果・・・

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17:名も無き被検体774号+:2014/02/12(水) 20:45:10.38 ID:aVjIbmRb0
彼女は、学校でもメールでも、なんだかやたら謝る人だった。なにかあればすぐ「ごめんね。」っていうよう

な人だったんだ
でも、それと同じくらい「ありがとう」もたくさん言っていた。

俺は彼女のメールや会話が大好きだった。本当にいっぱいの優しい気持ちが言葉の一つ一つに含まれているみたいでこっちもとても優しい気持ちになった
天使みたいな子だなって、思った。

彼女とメールするのは、一晩で100件を超すことなんかザラにあったし、
彼女のメールは一回が最低でも5行以上と、長文だった。
俺は学校でも彼女とよく話せるようになっていたし、俺は彼女の事が好きになり始めた。

18:名も無き被検体774号+:2014/02/12(水) 20:47:31.75 ID:aVjIbmRb0
しばらくして、文化祭の時期がやってきた。
文化祭の出し物の役割を決める話し合いがあって、
俺は犯人探しみたいな出し物の係挙手をした。他の人も何人か手を挙げた。
吉木さんもそれに手を挙げていた。
しかし定員が一人だけオーバーしていて、じゃんけんで負けた一人が抜けるってなった。
まあ当たり前だよな。
そこでも俺の悪運だか幸運だかはしらない補正がかかって、じゃんけんで、俺と吉木さんは二人とも負け、
どちらかが抜けなくてはならない状況になってしまった。
正直吉木さんと同じ出し物に出れるかも知れないってウキウキしてた半面、どちらかが抜けなくてはいけなく

なるこの状況に落胆した。
まあでも俺はそこまでその出し物に出たかったわけではなかったので、吉木さんにゆずることにした。

19:名も無き被検体774号+:2014/02/12(水) 20:50:14.56 ID:aVjIbmRb0
俺「あ、じゃあおれいいよ。吉木さん、でなよ」
吉木「え?そんなのだめです、私友達に合わせてこれ選んだだけなので、俺くんが出てください!!」
俺「いやwwホントに俺は大丈夫だから。それに他にもやりたいなって思ってたやつあったし」
吉木「そんなこと言わないでください!その他の出し物も出れなかったらどうするんですか!?」
俺「あ~、そんときは文化祭無職かな?ww」
吉木「そんなの本当にダメですよ!私が辞めればいい話しですから!」
お互いの譲り合いになかなか終止符が打たれず、でもここまで女子に言われて俺も引き下がることはできず、
結果的に俺が抜けることになった。
譲り合いにフィーバーしすぎて、吉木さんは「私のせいで・・・」と半分涙目になったり
して、クラスの連中から変な目で見られてしまった。

20:名も無き被検体774号+:2014/02/12(水) 20:52:28.67 ID:aVjIbmRb0
でもそのあとメールでものすごくお礼を言われた。
なんでも、その出し物に出る女の子グループからあぶれちゃうと、他にはまだなかいい女子がいなかったらし

い。
彼女と同じ出し物の準備ができないのは残念だったけど、
彼女が望んだ出し物に出れて本当によかったと思う。

21:名も無き被検体774号+:2014/02/12(水) 20:54:57.42 ID:aVjIbmRb0
文化祭が本格的に近付いてきた。
文化祭前の学校の雰囲気っていいよな。
暗くなるまでどの教室にも明かりがついて、生徒たちみんながひたむきに創作活動に取り組んでて。
俺はクラスの装飾係になったので、割と早く仕事も片付き、家に帰ろうと準備していた。

でもその時教室を見ると一人で黙々と出し物の看板を作ってる吉木さんの姿があった。
お世辞にも一人で終わりそうというレベルの進度には見えなかったし、それでもがんばる彼女の姿が
すごくけなげで印象的だったんだ。

22:名も無き被検体774号+:2014/02/12(水) 20:58:46.52 ID:aVjIbmRb0
俺「吉木さん、手伝おうか?」
吉木「え・・・?あ、大丈夫ですよ?迷惑かけちゃいますし・・・」
俺「いやそれあきらかに一人じゃ大変そうだし、手伝うよ。」
半ば強引だったが、俺は彼女の向かい側に座って、看板製作を手伝った。
俺「ピンクはここでいいんだよね?」
吉木「はい、そうです。赤、使いますか?」
俺「お、ありがと」
吉木「あの・・・」
俺「ん?」
ま「俺くん、手伝ってくれて本当にありがとうです。あの時も出し物譲ってもらっちゃったりして・・・
俺くんにはいつも迷惑かけてばかりです。本当、ごめんね?」
俺「いいっていいって。俺も暇だしさww」
ありがとうですって言いまわしがなんだか面白くて吹き出してしまったのを今でも覚えてる。
なぜだかいつも敬語だったんだ、彼女は。


23:名も無き被検体774号+:2014/02/12(水) 21:01:44.53 ID:aVjIbmRb0
遅くまでかかって作業も何とか終わり、そんとき教室に残ってたのは、俺、吉木さん、リア充、リス子(顔が

リスっぽい)の4人だった。
俺はクラスメートのリア充と、吉木さんは、リス子(第一印象がリスっぽい)と帰ろうとしていた。
そんとき、俺の隣にいたリア充が、こういった
リア充「なあ、この後4人でマックでも寄ってかねー?」
俺「!?」(リア充まじグッド!!お前マジサイコーだわ)
リス子「いいねえ!!いくいく!吉木っちょもいくっしょ?」
吉木「あのぅ・・・私なんかがご一緒して迷惑にならないでしょうか・・・?」
リス子「ちょwww吉木っちょオドオドしすぎwww」
吉木「す、すいません・・・」
俺「大丈夫だよ!せっかくだからいこ!」
吉木「はい!」

24:名も無き被検体774号+:2014/02/12(水) 21:04:13.11 ID:aVjIbmRb0
彼女は俺に向けて満面の笑みを浮かべてくれた。
多少文化祭テンション効果もあったのだろう。
こうしてリア充のおかげで、俺ら四人は駅近くのマックに寄ることになった。
ごく自然に吉木さんと帰れるわけだ。
こういうことが平然と言えるからリア充はリアルが充実してるんだな。
リア充はなぜだか道中、ずっとリス子の隣にいて、リス子としゃべっていた。
そのおかげで俺はずっと吉木さんの隣に入れた。ポジションってホント大事だよね。
今思えばこの時はもうリア充は知ってたんだな、俺が吉木さんのこと気になってるって。
マックでは、そのときポテトがどのサイズ選んでも150円っていうやつがやってて
ジュースとポテトのLを頼み、4人でポテトをトレーにだして食べた。

25:名も無き被検体774号+:2014/02/12(水) 21:04:43.95 ID:aVjIbmRb0
吉木さんは
「こうしてクラスメートと帰り道に寄り道して帰るの、私夢だったんです」
と目を輝かせながら言っていた。
吉木さんは、世間知らずで、どこか抜けていて、いつもビクビクしていて、
だけど、どんなことでもひたむきで、一生懸命で、頭ん中花畑でも咲いてるんじゃねーのかってくらい、天使

のように優しい子だった。