57:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2017/06/14(水) 22:53:36.175ID:wS3nw31O0.net
店主「じゃ、ゲームスタートだ」
ギャンブラー「どうぞ」
店主「こっちのパンには板チョコ、こっちにはカレーが入ってる」パカッ
店主「これをもう一度、生地でフタをして、あんたに分からないように入れ替える」サササササッ
店主「さぁ……どっちが板チョコが入ってた方か、当ててくれ」ジャン!
ギャンブラー「…………」
看板娘(想像してたよりずっと単純なゲームだけど……こんなんであの人止められるのかな?)
眼鏡女(お願い……外して! ――お願いッ!)
59:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2017/06/14(水) 22:56:33.887ID:wS3nw31O0.net
ギャンブラー「オレをパンの素人だと甘く見たね。あいにくオレは目がいいんだよ」
ギャンブラー「こっちだ!」ビシッ
店主「!」
店主「…………」
ギャンブラー「じれったいな。とっとと御開帳してくれよ」
店主「……いいだろう」
店主「この勝負……お前の負けだ」パカッ
ドロッ…
ギャンブラー「ぐっ……!」
看板娘「あれは――ドロドロだからカレーパン! やったぁ! 店長の勝ち!」
眼鏡女「…………!」
看板娘「よかったですね!」
眼鏡女「はい……!」ポロポロッ…
60:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2017/06/14(水) 22:59:34.544ID:wS3nw31O0.net
ギャンブラー「さすがだね……オレの負けだ」
ギャンブラー「分かったよ……ギャンブルは趣味程度、に留めておくよ」
店主「ああ、そうしてくれた方が彼女も喜ぶ」
眼鏡女「よかったぁ~、よかったよぉ~! ありがとぉ~!」ガシッ
ギャンブラー「こんなに泣いて……お前がそんなに思い詰めてるとは思わなかった……」
ギャンブラー「オレもう、命を賭けたいなんていわないから……な?」
眼鏡女「うん……」グシュッ
61:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2017/06/14(水) 23:03:59.709ID:wS3nw31O0.net
看板娘「二人とも、仲良さそうに帰っていきましたね……」
看板娘「それにしても店長ってギャンブル強かったんですねえ! ビックリです!」
店主「いいや、あの勝負は本当は彼の勝ちだった。いい目をしてるよ」
看板娘「え?」
店主「彼はちゃんと、チョコが入った方を選んでたんだよ」
看板娘「でもあの時のドロッ……って感じは明らかにカレーでしたよ!?」
店主「こいつを使ったんだ」サッ
看板娘「これは……さっき持ってたカイロ!」
店主「こいつで中身のチョコレートを溶かして、カレーだと見せかけたってわけさ」
看板娘「すごいっ! ナイスイカサマ!」
看板娘「だけど、味を確かめられてたらアウトでしたねえ。薄氷の勝利じゃないですか」
店主「まったくだ」
63:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2017/06/14(水) 23:07:04.136ID:wS3nw31O0.net
一ヶ月後――
―パン屋―
ギィィ…
眼鏡女「こんにちは!」
ギャンブラー「こんにちは」
看板娘「お二人とも、お久しぶりです!」
眼鏡女「この人、あれからすぐちゃんとした仕事についてくれて……」カチカチ
ギャンブラー「ま、今でも競馬ぐらいはやってるけどね。もちろんかなり当ててます」カチカチ
店主「二人とも、希望に満ちたいいカチカチをしてるよ」
看板娘「きっといいカップルになりますよ!」
眼鏡女「あ、ありがとうございます……」ポッ…
ギャンブラー「ところで、パン屋さん」
ギャンブラー「オレはギャンブラーだけあって目だけじゃなく、鼻も結構いいんだけど……」