家庭教師先として辿り着いた家は正しく豪邸だった。
インターホンを鳴らすと身なりの整った小綺麗なおじさまが顔を出した。
先生ですね、愚息ですがどうぞ宜しくお願い致します…
貧しく、両親はお互い不倫に夢中でろくに躾も受けてこなかった私は気が引けた。
品性って初見でも痛いほど感じるよね。
愚息、と紹介されたが息子さんは充分すぎるほど努力家で聡明な子だった。3つ程しか歳は変わらない。
ノート一杯に書かれた予備知識を前になぜこんな子が家庭教師を、と教えるのを躊躇った。
90分はあっという間だった。
「先生、食事でも如何ですか?」
先程のおじさまが手招きをした。
リビングに向かうと、既に食事が整っていた。
お寿司だった。
息子のA君が「こんなもので申し訳ありませんが」と謙遜した。普段何を食べているんだ… 食事を摂りながら聞かれるがままに自分の話をした。
父親がいないこと。兄弟が沢山いること。沢山勉強したこと… おじさまもA君も終始頷きながら話を聞いてくれた。
お寿司だった。
息子のA君が「こんなもので申し訳ありませんが」と謙遜した。普段何を食べているんだ… 食事を摂りながら聞かれるがままに自分の話をした。
父親がいないこと。兄弟が沢山いること。沢山勉強したこと… おじさまもA君も終始頷きながら話を聞いてくれた。
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