なんせ婚約者ほったらかして嫁を口説こうとしているんだから。
嫁も嫌そうな顔をしているしおれも不愉快だから適当に
「じゃあ俺たちはこの辺であとは御本人と親同志でどうぞ」と切り出して退出。
御曹司は「何でこんな奴が」という表情を隠そうともせず
こちらを睨み付けてた。
生憎だがそう言う顔をするやつはごまんと見てるからすぐ分かる。
その後はトントン拍子で話が進み、妹と婚約者は結婚。
俺の時は厳かだったせいかゴージャスな式だった。
相手の家から結婚祝いに新居を与えられ
そちらに妹が移り住んでから半年後、それは起きた。
その日の仕事が終わり夜の8時頃
帰ってきてリビングで見たものは、
す巻きにされて嫁にサンドバックにされている御曹司と、
親父とお袋に羽交い締めにされている妹の姿だった。
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