20 :3/15:2014/08/18(月) 09:26:31.59 ID:oQyBdFeL0
固定客はほとんどサラリーマンだったと思う。
たった1~2時間の会話のために数千円分のポイントを払えるような人たちだ。
文字チャットの時もあれば肉声でしゃべる時もあったし、
オープンチャット(他の人からも見れる状態)の時もあれば
プライベートチャット(他の人からは見れない状態)の時もあった。
2ヶ月もすると常連さんとはだいぶ親しくなった。
最初は身分を偽りながら喋ってたけど、本当のことも聞かれれば少しは答えるようになっていた。
「〇歳の女子大生なんだよ」「バイトはファミレスでしてる」「西東京に住んでるよ」とか。
で、チャットのバイトを始めてから半年くらいだったかな。生まれて初めて彼氏ができた。
友達に紹介してもらった人で、何回か遊んで、知り合って1ヶ月くらいで告白された。
恋人ができたらチャットはやめるって決めてたから、
プロフィールに「月末で退会します」って書いた。
それを見た固定客の人たちがお別れを言いにきてくれた。
「今まで楽しかったよ」「もう話せないなんて寂しい」と嬉しいことを言ってもらった。
チャット終了後にはメッセージ(簡易メール機能)で
「これからも元気でね!勉強がんばれ!」なんて応援が届いて、
ライブチャットを通した仲とは言えちょっとしんみりした。
その次の日もログインした。
ログインとほぼ同時に入室&プライベートチャットにしてきた人がいた。常連のSさんだった。
Sさんはプライベートチャットでしか会話しない、「二人きり」にこだわりのある人だった。
ログインした瞬間に入室なんて、待っててくれたのかな?
なんて、のんきなことを考えた。
21 :4/15:2014/08/18(月) 09:34:35.98 ID:oQyBdFeL0
応答ボタンをクリックしたら「〇ちゃん、やめちゃうの?」と挨拶もなく言われた。
「うん。色々あってw」ちょっと濁して答えたら「色々ってなに?」って少し強く聞かれた。
「学校とかバイトとか色々」
「もっと詳しく教えてよ」
「バイトの回数増やしたし、勉強もがんばりたいから」
「夜だけなら続けられるでしょ?」
「夜は勉強するから…ごめんね」
「毎日毎日そんなに勉強するの?チャットの時間も取れないくらい?」
「うん…資格の勉強もあるから…」
「土日は?昼間とかログインできないの?」
「土日は教習所に行きたくて…」
Sさんはだいぶしつこかった。
私は嘘を交えつつ答えたものの、面倒くさいなぁ…という気持ちが大きかった。
Sさんは普段はもっと落ち着いてるから、どうしちゃったんだろう?という戸惑いもあった。
「教習所?どこ?八王子だよね?〇〇学校?」
「ん~まあそんなとこw」
「ここで稼いだ金で免許とるのか」
「そういうわけじゃないけど」
「そうだろうが!!!」
いきなり怒鳴られた。びっくりして心臓止まりそうになった。