ぼっちで苛められていた俺は本を読んでいくうちに悟った
3年の5月に差し掛かった頃だ、もっと早く気づけ
「どうせこのままだし無駄なあがきはやめよう」
そして俺はまず出来るだけ嫌な事を少なくするようにした
まず学校に授業開始20分前に行く事をやめた
むしろ遅刻してもいい矢ぐらいの気持ちで授業開始ぎりぎりに登校した
途中で時間を潰すために駅のベンチで本を読むか寝た
そして休み時間になれば図書室に駆け込んだ
時々DQNが待ち構えている時があるので、そういう時はわざと先生の視界の前をゆっくり歩いた
こうすればDQNは手出しできない
そして図書室に無事駆け込めれば成功だ
図書室には司書のお姉さんがいるのでDQNどもは暴れられない
図書室には何人かの同胞がいた、「ああ、こいつは・・・」と親近感を感じる
デブにメガネ、チ○コヘアー、ブサメン、俺も有難く仲間入りをした
そしてドヤ顔でカバンからサッと本を取り出し無言で読み、休み時間が終わればサッと仕舞うのは楽しかった
そして最後の難関は部活だった
俺はまず両親に土下座し、退部の了承を取った
その後顧問のところへ行き、一方的に退部届けを押し付けた
怖かったが、頭の中で”Scotland the Brave”を流し、バグパイプ持った髭もじゃのおっさんが突撃する妄想をしていたら大丈夫だった
ブレイブハートの影響ですハイ
顧問は怒っていたが、「もうサッカーはしたくないです」と言って逃げた
廊下の途中で出くわしたOB(コーチとして手伝いに来てる)に満面の笑みで
「今までありがとうございました!」と頭を下げた
この数年で一番いい気分だった
ちなみに俺がサッカーが苦手になったのは本当で、日本人以外で知っているサッカー選手は
アマガミで知ったプジョル、そして名前繋がりで知ったマルクスしかいない
ニヤケ面のまま電車に乗って家に帰り、普段は買わないコーラで一服してからパソコンをつけた
テンションが上がったので徹夜でM2TWをした
トミーをドーバー海峡に蹴落としたときは泣いた
身の回りを何とかした俺は次に自分を何とかしようと思った
俺が逃げ回っている間にDQNどもは飽きて外で遊び始めていた
しかしこのままではいずれ再発するだろうと思った俺は考えた
女子に話しかけるとキモいと言われ、男子はこっちを見て笑いながら逃げていく
ならばこっちも関わらないようにすればいいんじゃないか?
当時セオドア・ルーズベルトの孤立主義の話を読んで厨二センサーを発動させた俺はそう考えた
まず俺は教室を第一次大戦時の国際社会に置き換える妄想をした
あのDQNはイギリス、腰ぎんちゃくは植民地だと思おう
そしてあのリア充はプロイセン、俺はどっか南米の端っこの方の小国だと思おう
厨房の俺は本気でそんな事を考えていた
めでたく孤立主義者となった俺は、勤めて業務的な態度を心がけた
「うん」と「いや」ぐらいしか言わなかった週もある
俺の席を女子や男子が選挙していたときは、「寝るからどいて」と言った
三年も終盤に差し掛かり、修学旅行の時期となった
行きたくないが親は行かせるだろう
幸い余り物グループがあったために俺はそこに入った
旅館でリア充が女子の部屋に夜襲をかけていた時、バスで一人で座っていた時、俺は本を読んだ
見回りの先生に発見されてたのには笑った。八木レーダー使えよ
カラオケでデブスが素敵な歌声を披露していた時は頭の中でヘイスティングスをやっていた
島田豊作とクルトマイヤーの回顧録を読破できたすばらしい修学旅行だった
段々とぼっち生活が充実してきた頃、俺は新しい趣味を手に入れた
軍事パレードを見る事だ
もともと大量の兵士が行進していくサマを見るのは好きだったが、人民解放軍のパレードでそれに火が着いた
youtubeで「soviet parade」とか「china people’s army」とか検索をかけてお気に入りにぶち込むのが週末の過ごし方となった
ついでに軍歌にもはまった
最近メイデンがどうとかいうアニメでカチューシャが歌われたそうだ。嬉しい
多分これにはまったのは厨二病の「圧倒的な力へのあこがれ」と「連帯感への憧れ」だったのではないかと思う
ロードオブザリングの合戦シーンなんて何度リピートしたか
学者か物書きになれよ。
>>27
ダンケ!
俺はエスカレータ式に高校に上がった
クラスメートには・・・昔のDQNは居なかった
これもかなり幸運だったと思う
俺はこのクラスでは最初から慎重に行く事に決めた
自分から話しかける事はあまりしない、趣味の話は控える、こんな感じだ
そしてある程度みんなの人格が分かってきたら徐々に自分の話をするようにした
それと「ありがとう」と「おはよう」は勇気を出して毎回言った
「おはよう」を言うときには背後に槍を突き出したフサール(ポーランド装飾騎兵)が構えている妄想をした
心配そうな顔で「閣下は我々がお守りします」とか言っている妄想だ
女子にはキモがられる危険性があるので「ありがとう」のみにし、近づくことさえ避けた
しかしこの「ありがとう」は実際効果がある
キモがられる事はあっても、「あいつ感じ悪い・・・」にはならないのだ
これによって俺はクラスの中の空気ポジションを獲得した