バ「どこでお祓い出来るの」
私「調べよ」私達はその後お祓いについて調べ始めた。バカ太郎は友達に何かラインしているようで、私はネットで市内の神社とか調べてた。
気がついたら朝になっていた。
朝になるってだけで救われる気持ちになるもんだね。外が明るくなってるの見ただけで泣きそうになったよ。
「話がしたい」ということだったので、私から電話した。私「どうしたの?涼子さん」
涼「あのね、急な話なんだけど、今日仕事休める?(この日は月曜だった)」
私「何で?どうしたの」
涼「連れていきたい所があって」
涼子さんの声は真剣だった。
でも今の私達には「お祓い」という考えしかなく、涼子さんの誘いを断ったが、「お願いだから」「本当に。なるべく早いほうがいいから」と向こうも引き下がらないので、
トンネルであったことを細かく説明し、お祓いにいきたいということを伝えた。何しろ私たちはビビり倒していた。
しかし、涼子さんの口からは意外な言葉が飛び出した。
「大丈夫。私が連れていきたいのもお祓いだから」
結論、私とバカ太郎は仕事をズル休みし、お祓いに行くことになった。
私は涼子さんが何故私をお祓いに連れていきたいのかが気になったが、「急ぐから理由は後で」と言われて、
何も分からないまま涼子さんとの待ち合わせ場所にバカ太郎と向かうことになった。
そんで、バカ太郎も友達と連絡が取れたみたいで、合計4人で集まることになった。
集合場所には既に涼子さんとバカ太郎の友達が着いていた。
バカ太郎の友達はボクシングやってるからボクサーとします。
ボクサーは私やバカ太郎の友達の中でも一番しっかりしていて頼りになるゲイ。
一回ひったくり捕まえたことがあるらしい。しかもヒゲイケメンである。短所思い浮かばない。
私は二人の顔を見てすごく安心した。この二人がいれば大丈夫、と思えたけど、ボクサーはドスのきいたド低音で
「バカ太郎………てめえ………」
と会うなり静かにバカ太郎の胸ぐらを掴んだ。
バカ太郎、震えていた。
ボ「何で心霊スポットなんかにコイツ(私)連れてった」
バ「はわわわわわわわ」
バカ太郎は小動物みたいになっていた。一応話は伝わってるんだなと思った私は涼子さんに気になっていることを聞いた。
何で私をお祓いに連れていきたいのか。
こんなにタイミングがいいなんておかしいと思った。
涼子さんが言うにはこうだ。
涼子さんはブリジットを捨てた後、私のことを友達何人かに相談したらしい。
私が不気味なマネキンの生首を可愛がってて、話しかけている。妙に生首に惹かれているようだと。
最初は精神的なものかと疑っていた(マジか)涼子さんだったが、友達の中に「心霊的な何かじゃないか」とアドバイスしてきた子がいたらしく、
しかもそれが説得力のあるものだったらしく、涼子さんはじゃあお祓いに連れていったほうがいいのか、という結論にたどり着いたらしい。
そしてもう既に今日お祓いの約束は取りつけてあるらしく、涼子さんの手際のよさに驚いた。
名スレになるとうれしいなあ。続き。
そこで私はブリジットが帰ってきたのを思い出した。
今まで気にしてなかったブリジット帰還事件が、心霊現象の後だからか少し不気味に思えて、何故か私は正気?に戻り始めていた。マネキン愛でるのはおかしいかもと。
私「涼子さん、落ち着いて聞いてね」
涼「うん?」
私「ブリジット、戻ってきたの」
涼子さんが息をのむのが分かった。
一方でバカ太郎とボクサーの話も終わったようで、半泣きになったバカ太郎を連れてボクサーが私達の話に入ってきた。
私はブリジットのことも二人に説明した。
バカ太郎はさらにビビっていたが、涼子さんとボクサーは「ブリジットもお祓いに持っていこう」と意見をまとめ、
その後ボクサーの車で私の家に寄り、お祓いに行こうと言う話になった。
ちなみに全員ズル休み。
バカ太郎だけはバカ正直に「お祓いに行くことになって……」と上司に電話をしたらしく、
ボクサーに「律儀にそんな説明しなくていい」とか言われていた。
私の家につくなり3人はブリジットに引いていた。
涼子さんは「本当に戻ってきてる……」と真っ青だったし、
普段ビビらないボクサーもブリジット見るなり「ウッ」とか言ってた。バカ太郎はブリジット見れないみたいでずっと下見てた。
ボクサーが運転。バカ太郎が助手席、私と涼子さんが後部座席。
皆でお祓いに向かう。
ビビる私とバカ太郎に対してボクサーは「幽霊来ても俺が倒してやるから安心してろ」とか言ってた。
腕力なんかで幽霊どないすんねんという感じだったが、ボクサーが言うと説得力があった。
涼子さんは私の手をずっと握ってくれていて、なんか二人に申し訳なくなった。ごめん、今実家にいて、猫の具合悪いから様子見ながら書き込んでるんだ。
ちょいちょい時間あくけど今日のうちに終わらせるつもりだから付き合ってほしい。
続きに期待したい
お祓いの場所は車で30分くらいで、走っている間は四人もいるせいか安心してたんだけど、あと5分くらいというところで、また異変が起きた。
トンネルの時と同じように車内の空気が変わった。
四人全員黙ってしまった。
ボクサーが「おいこれ……」と何か言おうとし、私がバカ太郎と目を合わせた矢先に、
バァン!!!
昨日と同じ、天井を叩く音がした。
生きた心地しなかった。
昨日と同じくらい大きな音でバァン!!!!バァン!!!!と何回も天井から聞こえた。
涼子さんは「大丈夫!大丈夫だから!!」と私を抱き締めてくれたし、ボクサーも車を走らせ続けてくれたけど、さらに変化が起こった。
天井を叩く音が止まった。
そのかわり、ギッ……ギッ……という音。先程の音が手の平で思い切り叩く音だとすれば、
今度は静かに踏みつけるような音がした。
ボクサーが「落ち着け。絶対助かる」とか言ってたけどバカ太郎は泣いてた。
私も動けないままだったけど、だんだん足音は静かになっていった。