超陰キャの俺以外同級生がいないど田舎に引っ越してきた女の子によって人生が変わった

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119: 1 2016/07/08(金)02:22:07 ID:Nxz
痛かった。3年生数人に蹴られ続けた。
昼休みが終わった頃には体中ボロボロだった。
その日は、保健室の先生に滑ってコケたと言って早退させてもらった。
保健室の先生は多分、分かっていたと思う。コケただけじゃあんなにはならない。
涙を流す俺を両親が迎えに来るまで黙ってそばにいてくれた。

 

120: 名無しさん@おーぷん 2016/07/08(金)02:23:33 ID:KLM
>>119
>>1は男だが……ほんと先輩他数名クズだろこれ

 

122: 1 2016/07/08(金)02:26:16 ID:Nxz
その日、彼女がウチに来た。
俺は部屋から出ることはなく帰ってもらった。
それから俺は学校を休み続けた、朝になると嘔吐を繰り返した。
彼女は毎日のように家に来てくれていたらしい。
俺は部屋から出ることなく、母親に彼女には帰ってもらうように言っていた。

 

123: 名無しさん@おーぷん 2016/07/08(金)02:27:14 ID:KLM
そうか…拒否しだしたか
それでか一緒に行けなくなったのは

 

124: 名無しさん@おーぷん 2016/07/08(金)02:27:40 ID:4Ou
先輩に言った意味ないじゃん

 

125: 1 2016/07/08(金)02:29:41 ID:Nxz
両親は叱ることはなかった。
嘔吐を繰り返す俺の背中をさすってくれた。
保健室の先生も家によく来てくれた。その先生とは話したりした。学校の話は持ち出さず下らない話をした。

 

126: 名無しさん@おーぷん 2016/07/08(金)02:30:34 ID:KLM
周りの人はいい人が多かったな
彼女さんも好きだったんだな

 

127: 1 2016/07/08(金)02:33:24 ID:Nxz
彼女は会うことを拒み続ける俺に手紙を書いてくれた。
母親はその手紙を毎回泣きながら俺に渡してくれた。
今思えば、絶対読んでたな、あの母親。
手紙の内容は彼女のことばかりだった。
最近この本読んだよ!最近こんな勉強したよ!テストは何点だったよ!そして手紙の最後には必ず
俺君に会いたい、花火大会絶対一緒に行こうね、
そんな締めくくりだった。

 

128: 名無しさん@おーぷん 2016/07/08(金)02:35:37 ID:KLM
良い子だな…

 

129: 1 2016/07/08(金)02:39:34 ID:Nxz
俺は手紙を読む度泣いた。
そして明日は必ず学校に行こうと思った。
けれど翌日になると嘔吐してしまう、学校には完全に行けなくなっていた。
そんなある日、いつもの様に保健室の先生が来てくれたのだけれど、その日は今までしなかった学校の話を始めた。
俺は少し不思議になって質問した。
「学校でなんかありましたか」

 

131: 1 2016/07/08(金)02:44:14 ID:Nxz
先生はかなりの間、黙り込んだ。
俺は「いいですよ、言ってください」と言った。
すると先生は口を開いた。
「あまり良くない噂が流れてるの、あなたのことについて…
だから学校に来て欲しいの」
その言葉の意味は俺には理解出来なかった、良くない噂が流れているのなら余計行きにくいじゃないか、そう思った。
先生はそれ以上何も言おうとはしなかった。

 

132: 名無しさん@おーぷん 2016/07/08(金)02:45:31 ID:KLM
なんだろう
何となくわかるようなわからんような

 

133: 1 2016/07/08(金)02:47:04 ID:Nxz
その日から彼女は俺の家を訪れなくなった。
そこでようやく先生の言った意味がわかった気がした。

 

138: 1 2016/07/08(金)02:52:45 ID:Nxz
それから少し経ち
母親がこんなことを言ってきた。
「今年は花火大会あるってよ!」
恐らく、彼女と一緒に行けるね!という意味だったのだろう。
けれど手紙も持ってくることはなくなった彼女、
今更一緒に行ってくれるのだろうか…そう思いながらも
本当は一緒に行きたい、会いたいと言う気持ちが強かった。
花火大会の日、彼女の家を訪れることにした。

 

140: 1 2016/07/08(金)02:56:00 ID:Nxz
伸びきった髪を母親に切ってもらった。
服も新しいものを買ってもらった。
中学1年っぽくないすごくカッコイイ服だった。
中学生にしては少し俺達は大人びていたのかもしれない。
そして久しぶりに外に出た。夕方だけれど暑かった。
142: 1 2016/07/08(金)03:01:26 ID:Nxz
彼女の家の前に着くとすごく緊張した。
会ったらなんて言おう、どんな顔して会おう。
そんな事を考えてたら彼女の母親が出てきた。
「久しぶり!俺君!」涙ぐみながら話しかけてくれた。
その姿を見ると俺まで涙が出そうになった。

 

144: 1 2016/07/08(金)03:04:49 ID:Nxz
「あの、彼女ちゃんは…」そう言うと
「ついさっき、でかけたのよ!すれ違ったのかしら」と言ってくれた。
「ありがとうございます」と返して村を回ってみた。

 

145: 1 2016/07/08(金)03:07:50 ID:Nxz
探している間に日は落ちてあたりは暗くなった。
そして花火大会が始まってしまった。
1度家に帰ったりしてみたがウチには彼女は来ていないと母親が言った。
探しても探しても見つからず、ずっと部屋に篭っていた俺は体力もなくなっていて、かなり疲れた。

 

158: 1 2016/07/08(金)03:20:56 ID:Nxz
結局花火大会は終わってしまった。
彼女を見るけることはできず走り回って疲れ果てた。
俺は近くにあった石に座った、丁度彼女と初めての話した場所だった。

 

159: 1 2016/07/08(金)03:22:59 ID:Nxz
色んなことが込み上げてきた。
気付けば涙が出ていた。

 

160: 1 2016/07/08(金)03:25:07 ID:Nxz
そんな時後ろから声が聞こえた。
「体力ないなぁ~」聞き覚えのあるセリフだった。聞き覚えのある声だった。俺がいつも彼女にいうセリフだった。
振り返るとニッコリと笑う彼女がいた。
浴衣姿をだった。とても可愛かった。

 

161: 名無しさん@おーぷん 2016/07/08(金)03:26:01 ID:8zm
なぜだろう
嫌な予感がする

 

162: 1 2016/07/08(金)03:28:26 ID:Nxz
「かくれんぼ!久しぶりでしょ!」
やっぱり私得意なんだな~、なんて自慢げな顔をした。
涙を流すところを見られたくなかったからすぐに視線をしたにやった。
「元気だった?」彼女が言う
俺は黙って頷いた。

 

164: 1 2016/07/08(金)03:31:18 ID:Nxz
それから少しの間があった。
久しぶりに聞く声、久しぶりに見た顔
涙を抑えようにも抑えることが出来なかった。
涙を流す俺の横で静かに彼女は空を見ていた。
セミは俺に遠慮することなく鳴いている。

 

166: 1 2016/07/08(金)03:34:41 ID:Nxz
彼女が口を開いた。
「会いたかったんだよ、寂しかったんだよ」
彼女の声はさっきまでとは違った。
顔を上げて彼女を見ると涙を流していた。
そしてその後彼女は声を上げて泣いた。初めて見た。
俺はただ黙っていることしか出来なかった。

 

167: 1 2016/07/08(金)03:39:43 ID:Nxz
なにも話すことなく初めて会ったあの日のように
俺は彼女の二三歩前を歩き、家まで送った。
彼女はまだ泣いていた。そして「ありがとう」と言った。
その日の夜は寝られなかった。あの時なんて言えば良かったのか、彼女は俺に会ってどう思ったのか。
色んなことを考えていた。再び涙が流れていた。

 

168: 1 2016/07/08(金)03:43:16 ID:Nxz
次の日、母親が彼女からだよと言って
手紙を渡してくれた。母親はまた泣いていた。
また勝手に読んだんだなと思った。
けれど、手紙は封筒に入っており開けたあとはなかった。
表には俺の名前が書いてあった。
裏には彼女の名前と俺の知らない住所が書いてあった。

 

173: 1 2016/07/08(金)20:19:49 ID:Nxz
彼女からの手紙はいつもとは違い封筒に入っていた。
裏面の住所は俺の知らない住所だった。
母親は涙しながら俺を見ていた。すぐに察することはできた。
昨日、彼女の母親に会ったとき彼女の母親が泣いていたことも頷ける理由もその時確信した。
彼女は引っ越したんだ…

 

174: 1 2016/07/08(金)20:25:54 ID:Nxz
手紙を開けることもなくすぐに家を出た。
彼女の家に向かって走った。もうその家に彼女がいないことは分かっていたけれど、いてもたってもいられなくなった。
彼女の家はいつもと変わらぬ姿だった。
けれどそこに彼女はいなかった。
立ち竦む俺に夏の日差しが容赦なく照りつけ
走ってきた俺の額には汗が滴り落ち、
頬には汗とは違うなにかがゆっくりと蛇行しながら流れていた。

 

175: 1 2016/07/08(金)20:30:17 ID:Nxz

昨日の夜、彼女が発した言葉は
今日の出来事を予兆させるものはなく
ただ切なさと寂しさに滲んでいた。

なぜ引っ越したのだろうか。なぜ言ってくれなかったのだろうか。なぜ昨日俺に会ってくれたのだろうか。
聞きたいことが沢山あったがそのどれもが
彼女からの手紙の中に書いてあるだろうと思った。

 

176: 1 2016/07/08(金)20:35:11 ID:Nxz

俺は家に帰ると、封筒の裏側に書かれている
全く知らない住所を数分間眺めていた。
遠い遠い場所だった。俺の昔行きたいと思ってた都会だった。

手紙を読めば、俺の知りたいことは全てわかるはず、
けれど封筒を開けることは出来なかった…

 

177: 1 2016/07/08(金)20:40:11 ID:Nxz
怖かった。
彼女が引っ越す理由が俺だったのかもしれないと考えた。
あの日、先輩に俺は勇気を出して楯突いた。
けれどその日以降学校へは行かなかった。
もしかしたら俺のいない学校で彼女になにかあったのかもしれない。彼女が家に来てくれたのに拒み続けたからかもしれない。
そんな事を考えると怖くて、俺はまた逃げた。

 

178: 1 2016/07/08(金)20:49:05 ID:Nxz
それから少しして俺達家族も引っ越すことになる。
理由はもちろん俺のためだ。
新しい中学校に夏休み明けから転入生として通った。
今度は中学校までは徒歩5分ほどだった。
両親と先生の勧めで部活にも入った。
最初は戸惑ったし抵抗もあった。相変わらずクラスでは1人だった。

 

179: 1 2016/07/08(金)20:51:14 ID:Nxz
けれど、部活の中で数人の友達ができた。
勉強と部活に明け暮れる日々、暗い性格は少しづつ明るさを取り戻していったと思う。
そしてそれに反比例するように少しづつ心の中にある彼女への色んな気持ちが薄れていった。