16 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)19:58:15 ID:daG
皆さんの前で指示を出すのは緊張したが、Aさんが茶化しながら率先してやってくれて、救われた
AさんやBさんは、周りから遠巻きに見られてる感じがしたんだけど、この時は輪の中に溶け込んでる感じがした
後で施設の方に「>>1くんお手柄だよ!」と褒められていい気になった
実習の最後2日くらいはレポートを書くのであまり利用者さんと関わることはなくて、あっという間に最終日になった
17 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:03:32 ID:daG
皆さんの前で実習のお礼の挨拶をした
初日にそっぽを向いてたAさんが、にやっと笑って頷いてくれた
Bさんも、一生懸命耳を傾けてくださっているようだった
泣いた
最後にどうしてもとお願いして、AさんBさんのお部屋にご挨拶に伺った
すると、AさんとBさんが一羽ずつ鶴の折り紙を手渡してくれた
Aさんが「俺は片手だし、こいつは見えないしで下手っくそになっちまったけどよ」って
泣いた
施設の方が「お二人で話し合って作られたんですもんね」と言うと「やい、言うな!」とAさんが照れた
また泣いた
ちなみにこの鶴、今でも実家の机の上に飾ってある
18 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:06:40 ID:daG
あとあと聞いたら、施設の方も鶴を折るのを手伝ってくださったみたいで、
「>>1くんに何か作ってやろうって張り切ってたのよ」と教えてくださった
そのあと、なんとか専門学校を卒業して介護の仕事に就いた俺は、その実習先の病院に挨拶に行った
実習の時よくしてくださった施設の方もいらした
19 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:07:50 ID:daG
1年半くらい経っていたけれど、施設の様子は変わっていなかった
ただ、言いにくそうに、悲しそうに施設の方が「Bさんね」と言った
Bさんは俺が挨拶に行く2ヶ月前に亡くなったそうだった
20 :名無しさん@おーぷん :2015/06/02(火)20:14:06 ID:daG
Aさんはどうしてるのだろう、と気になった
俺が実習でいた期間、少し周りと打ち解けあわれた感じはしていたけれど、それでもまだBさんと二人きりの時間が多かったし
Aさんはあの部屋に一人でいらした
でも、想像してたよりずっと明るく迎えてくださった
「まあ、俺もじき追っかけていくからよ」と、笑っていいのかわからない冗談を言っていた
久しぶりにAさんの車椅子を押させていただき、皆さんが集まっているところにお連れしたら、「Aさんおはよう!」とお婆さん方が出迎えてくれた
Aさんはすっかり施設の人気者になっていた