212 :1/9:2013/03/07(木) 23:06:53.10 ID:bthiYXPN0
20年ほど前、俺が実際に体験した、いまだに信じられない話を書こうと思います。
というのも、俺の周りには超常現象的なものに詳しい人物が全くいないので
今から書く実際に体験した出来事を一体どう解釈したらいいかわからないからです。
大学生の頃、俺は本当にどうでもいい日々を送っていた。
夢も目標もなく、部活やゼミやサークルにも所属せず、ただひたすら漫然と過ごす怠惰な生活。
やることといえば、そんな俺と同じような目的のない仲間、KとSとドライブすることだったが
それにも次第に飽きて、どうせドライブするなら廃道を探索しようと誰ともなく言い出した。
廃道とは、使われなくなった道路や閉鎖された道路のことを指すらしいが
俺達はあくまで車でいける範囲でしか行きたくなかったので、閉鎖された道路と言うよりは
大きい道路ができたために使われなくなった道路とか、どこにつながってるのかわからないような細い脇道を
Kの所有するジムニーでドライブするだけのものだった。
飽きっぽくてやる気もない俺達だが、これはとても楽しくて飽きなかった。
廃道が見せる非日常的な空間が俺達の気質に合ったのかもしれない。
ある日、Kが
「いい場所を見つけたんだよ、今から行ってみないか?」
と言ってきた。新しい廃道探索のスポットを見つけたということだ。
午後2時過ぎだったが、何の予定もない俺とSは当然今から行こうということになり
Kの車で現場へと向かった。
213 :本当にあった怖い名無し:2013/03/07(木) 23:07:26.73 ID:bthiYXPN0
場所は、大学から車で30分くらいの、山道をちょっと入ったところにあった。
車がよく通る太い道から斜めに細い道が延びている。
その細い道に入ると、地面から雑草が生えていたり、小石や枝は落ちているわで
明らかに誰も利用してない。こんな道があったのかと思いながら進んでいくと、
100mくらいであっさりと行き止まりになってしまった。
「え、これだけ・・・・なの?」
俺とSは思わず不満を漏らしてしまったが、Kはドヤ顔で横を指差した。
「あれを見てみろよ」
見ると、道路の横はずっと土砂崩れ防止のコンクリートの土留めが
続いてるものだとばかり思っていたのだが、途中でそれが終わり、一部分だけ金網が張られていた。
よく見ると、その金網の奥にさらに道が続いているようだ。
「ここ入れるぜ」
確かに、金網は張られているものの、それ自体はただの針金で固定されてるだけであり
切ってしまえば簡単に中に入れるようなものだった。
そして、Kがあらかじめ用意したニッパでその針金を切断し、俺達はジムニーで
封鎖された道の奥へと入っていった。