去年金が無くてアパートを追い出されて、とりあえず飯場にいったんだ
以前にも建築の仕事してたから、とりあえずそこで金溜めようと思って
免許書もあったから運転手込みであっさり雇い主もみつかった
ただ・・・、時期が悪かったんだよね。
当時の建設業はとにかく仕事が無くて、月12日も出られれば良いほうだった
当然、それじゃあ生活も満足に出来ないし
お金を溜めてアパートを借りることも難しいなと思ったんだ
それで、色んな業者の(建設関係)人と景気の話をしてたんだけど
やっぱりどこの業者も今年が山場かもって言うのね
ちなみに俺の手取りは運転代込みで一日1万1,000円。
これから宿泊費、飯代、諸経費、道具代、色々引かれて一日6,500円くらい
それで月10日弱じゃ生活もできないから困ってたんだ
そんなある日、砂掘り返しの作業をしてるときに多機能工の職長が話しかけてきたんだ
(多機能工ってのはなんでもできる=やらされる職人)
給料の話とか聞いてきたんだけど、俺のこと気にいってくれたみたいで
一日1万と交通費別途支給でうちの会社入らないって言ってくれた
アパートも会社の社長が名義貸してくれるって言うから俺もぜひお願いしますって
お願いしたのよね
とりあえず、部屋は借りれたから安心して(部屋の敷金、礼金は0のとこ)
そこの会社はいったんだけど、これが正解だった。
他の業者は週に2~3日とか言ってるのにそこの会社は週5~7日出れた
週払いにしてもらってたから、残業代とかもちゃんと出るし(一時間1,600円)
月曜に金貰いに行ったら10万超える週とかもあるのよ
そうなるともう自制心がなくなるというか
もともとひどいギャンブル好きだから仕事終わり、休みの日はパチンコばっかりしてたのね
給料も毎月30万弱になるから毎日、飲み歩いてたし
俺の人生楽勝だなって思ってた。
でもある日、その会社を紹介してくれた職長が俺に金貸してくれって
頼んできたんだ
「山本←俺の名前(仮名)子供が病気で2万貸してくれないか?」って頼んできたんだ
まあ、2万くらいなら別にいいかって軽い気持ちで貸したんだけど
一回貸したら毎週のように2万、3万貸してくれって言ってくるようになったのね。
俺も会社に誘ってもらって、飯とかも連れて行ってもらってる手前
あんまり邪険には断れないわけよ。
なんだかんだんで20万くらい貸したと思う。
その職長はある日、会社からいなくなってしまったんだ
その職長(金田←仮名)他の業者や、会社の同僚、建設会社の監督
正規の貸金業者、あげくの果てには闇金に手を出してたみたいなのね
(ドロンして会社に電話があって発覚)
俺も20万貸してることもあり、会社に紹介してくれた感謝もあるが
ちょっと無責任すぎる金田さんに呆れていたんだ
とりあえず俺の貸した金は諦めるか…って思っていたんだが
会社の先輩達はそうはいかないと、怒り狂ってる様子だった(中には50万貸した人もいた)
金田を捕まえて全額返済させるぞ!っと金田捜索が始まったんだ。
金田さんも年は40過ぎてるし、何年も建築の仕事してるということは
また建築の仕事につくだろう、そこを捕まえようと言うことになったんだけど
そんな簡単に捕まるのかなって思ってたら3週間もしないうちだった。
金田さんは簡単に見つかった。
(以前、使ってくれたゼネコンの監督に電話して仕事とってたみたい)
もっと酷いことになりますよ?とかも忠告した。
(金田より上の人間がかなり怒っていたこともあり)
最初は、そうだよなー。とか言ってくれていたんだけど
だんだんイライラしているようにも見えた。
「かさねーなら、もういいよ。うせろ」っていう態度にも見えた
口では言わないけど、その態度に俺もイラついてしまい
金田さんとは溝ができてしまったんだ
そんなこんなである日。
会社の専務が急に首になった。
驚いた。その専務が俺たち、作業員を動かしている人だったから。
理由は上の人間には伝わっているようだったが俺みたいな下の人間には伝わってこなかった。
ここからこの会社が少しづつおかしくなってくる
専務の変わりに入った番頭さんが来たんだが(作業員の頭数、手配等管理する人)
この人はまったく別の会社から引き抜きされてきた人だったので
うちの会社のことを理解していなかった。
実はうちの会社はものすごい派閥があったのだ。
小さい会社とはいえ、その派閥はでかく俺はその派閥になじめていなかったので
新しい番頭は当たり前の成り行きのようにその派閥の幹部となっていた。
(元専務がその派閥を押さえ込んでいた)
当然そうなると、俺みたいな派閥に属してない雑魚はきつくて遠い所に
常駐させられるようになった。
朝は4時に起きて、家につくのは8時過ぎるような生活に疲れ、ストレスは溜まった。
日曜の仕事なども当たり前の様に回ってくるようになり
疲れとストレスで逃げ出してしまおうかと何度も思った。
(派閥の奴は、家から10分~30分の所に配属、日曜極力休み)
疲れが溜まってくると俺の体は蕁麻疹が出てきた。
医者に行くとストレスで出る場合もあると言われた。
仕事は休みたい。でもそこの現場は俺一人。
〇〇さんなら家から1時間くらいなのになんで俺が3時間もかけて行かなくちゃならないんだよ…
っと考えていると金使いもだんだん荒くなってきた。
ストレス解消法の手段、パチンコも家につく頃には2~3時間もすれば閉店。
俺は裏スロ屋に行き始めた
行き始めた裏スロはレートは普通のお店と変わらないんだが勝てない。
まず間違いなく設定も入っていなし、ストックも飛ばしている。
でも楽しかった。
他の趣味を探そうとも思ったけど、スポーツは興味無いし
自分はギャンブル依存症なんだなってその時わかった。
そこの店に何度か通っているとあるとき金田さんがいた。
金田さんもそうとうなギャンブルキ○ガイだった。
金田さんは俺に気付くと場が悪そうな顔して俺を見た。
そこの裏スロは朝の6時まで開いているのでよく金田さんも来るみたいだ。
そこで久しぶりに金田さんと話してみた。
金田さんも派閥に入っていなかったため遠くのキツイ現場に行かされてる事
給料を6割返還から7割返還になったこと…
俺は、金田さんと話して「もうこんな会社やめたいっすね」なんて二人で会社の悪口を言った
とうとう行っていたクソ遠い改修工事も終わり
俺はやっと次の現場に行ける事が嬉しかった。
次こそは家から近いところお願い!っなんて期待もしてたが
まあ、前のところより近ければいいやと思っていた。
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