「お母さん! お兄ちゃん! よかったね! でも、これからも、夕飯のしたくはボクがするよ」
「ボクも新聞配達、続けるよ。淳! がんばろうな!」
「ありがとう。ほんとうにありがとう」
「今だから言えるけど、淳とボク、お母さんに内緒にしていた事があるんだ。
それはね……11月の日曜日、淳の授業参観の案内が、学校からあったでしょう。
……あのとき、淳はもう1通、先生からの手紙をあずかってきてたんだ。
淳の書いた作文が北海道の代表に選ばれて、
全国コンクールに出品されることになったので、
参観日に、その作文を淳に読んでもらうって。
先生からの手紙をお母さんに見せれば……
むりして会社を休むのわかるから、淳、それを隠したんだ。
そのこと淳の友だちから聞いたものだから……ボクが参観日に行ったんだ」
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