384:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:36:53.16 ID:Cf9Z2/cF0
その後は、E子に男らしい所を見せる計画が頓挫した俺はテキトーに行程を終えた。
E子のドンマイ!という言葉を背に。
その夜、どうも寝つけずに、俺はキャンプから離れた川辺でボーッと過ごしていた。
E子は俺が情けない奴に見えたに違いない・・・そうに違いない
あの一件のせいで、俺の株も大暴落だ・・・
ああー、どうしよう・・・
考えれば考えるほど鬱になっていく。
385:名も無き被検体774号+:2013/05/01(水) 01:36:59.63 ID:aiPwVqT50
創作なら言いたいことは色々あるが、今は全力で釣られてやる
387:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:37:39.35 ID:Cf9Z2/cF0
E子「横、いいかな?」
俺「うわっ!!」
E子だった、いつの間に近づいてたんだろう。
E子「ごめんね、驚かせて」
俺「い、いや、いいよ、E子はどうしたの?」
E子「何だか眠れなくってね」
俺「そっか」
E子「・・・・・・」
俺「・・・・・・」
気まずい・・・あんなことあった後だから、余計に気まずい。
388:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:38:40.00 ID:Cf9Z2/cF0
E子「クスッ」
俺「!?」
E子「さっきの俺君を思い出しちゃって」
俺「ああ・・・」
追い討ちをかけないでくれよ・・・。
E子「ちょっと可愛かったよ、俺君って本当に面白いよね」
俺「あ、ありがとう」
E子「んーー」
俺「ん?」
E子「もう言っちゃおうかな」
俺「何を?」
E子「あたしの好きな人って、俺君なんだよね」
俺「えっ・・・」
389:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:39:27.18 ID:Cf9Z2/cF0
胸がドクンと高鳴る
嘘だろ・・・
E子「あはは!言っちゃった!!」
俺「・・・・・・」
E子「いつ言おうかな、と思ってたけど・・・良いタイミングだったからさ、えへへ」
俺「お・・・俺も」
E子「ん?」
俺「俺も、E子のことが好きだよ」
E子「え!?」
俺「好きなんだ」
E子「俺君・・・」
俺「E子・・・」
俺はそっと、E子の唇に自分の唇を重ねた。
390:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:40:13.01 ID:Cf9Z2/cF0
E子「んっ・・・」
どれほどの間、唇を重ねていただろう
どちらともなく、唇を離した。
俺「そろそろ・・・戻ろうか」
E子「うん・・・」
俺はE子と手を繋ぎながら、キャンプ地へと戻った。
俺「じゃあ、また明日ね」
E子「うん、また明日」
E子と別れ、床へと着く。
俺は幸せな気持ちに包まれながら、心地よい眠りへとついていった。
しかし、その晩、俺は夢を見ることになる。
392:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:41:16.74 ID:Cf9Z2/cF0
こ・・・ここは?
幼少の頃に見ていた夢。
周囲がどす黒く、空気が重い空間。
そう、C菜の夢と同じ空間。
また、C菜に出会ってしまうのか・・・?
いやだ・・・!何で今になって・・・!
幼少の頃から見ていない悪夢を見てしまい、俺はパニックになっていた。
そして、気が付くと、俺の後ろで何かの気配がした。
俺「・・・・・・」
振り返りたくない。でも・・・、見ないと。
俺はゆっくりと振り返った。
393:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:42:02.20 ID:Cf9Z2/cF0
俺「・・・え?」
振り返ると、そこに居たのは青年の姿だった。
俺「C菜じゃ・・・ない?」
青年は虚ろな目をしていたが、しっかりと俺を見据えている。
青年「・・・・・・」
青年が何かを言っている。
何を言っているんだろう、全く分からない。
しかし、青年は俺に何かを訴えるようにまくしたてている。
聞き取りたくても、聞き取れない・・・。
次第に、青年の顔がぼやけていく・・・。
そうして俺は目が覚めた。
394:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:42:33.10 ID:Cf9Z2/cF0
俺「・・・・・・」
C菜の夢じゃ・・・ない?何だろう・・・?
俺は何だか、妙な胸騒ぎがした。
あの青年・・・。
先輩「おーーーい!朝メシの準備するぞーーー!」
俺「あ!!はーい!!!」
一気に現実世界へと戻された俺は、朝食の準備に駆り出されることになった。
しかし、あまりにも不思議な夢。
合宿が終わるまで、そのことが常に頭の片隅にあった。
395:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:43:18.92 ID:Cf9Z2/cF0
合宿が終わり、大学の日常が戻って来た。
サークルのメンバーに俺とE子が付き合い始めたことを告げると、F男を除いて皆驚いていたが、祝福してくれた。
E子とは毎日会って色んな話をした。バカみたいな話をして笑い転げたり
色んな場所にも行った。本当に幸せだった。
愛する人が居ると、生活に潤いが出てくるというもの。
勉学にも精が出て、成績は大きく上昇。全てが順調だった。
そんな順風満帆な中、俺はゼミへと入り、本格的に卒業へ向けて準備をすることになった。
そんな中ゼミの最初の授業で、とある人に出会うことになる。
396:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:43:58.45 ID:Cf9Z2/cF0
俺「ん・・・?」
ゼミのメンバーが一人一人自己紹介をしていく。
俺は、ある女子に注目した。
俺「あれ・・・どっかで見たことがあるような・・・?」
長いサラッとした黒髪に、清楚そうな容姿と大人しそうな雰囲気。
美人と言っても良いだろう。
どこかで出会った気がするのだが・・・思い出せない。
んー、誰だっけか。
謎が解けないまま、3人組となり、課題を遂行していく時間になった。
奇しくも、先ほどの女子と一緒の組だ。
397:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:44:46.25 ID:Cf9Z2/cF0
3人でぎこちなく自己紹介を行い、課題を進めていったが、一人がトイレに行くために離席した。
残されたのは、あの女子と俺。
俺「あ、初めまして、俺、○○と言います、よろしくお願いします」
???「さっきも聞いたわよ」
俺「・・・・・・」
なんという、とっつきにくい奴だ
それにしても、間近で見ると・・・
やはりどこかで会ったことがある。
???「それに初めましてじゃないでしょ」
俺「え?」
???「忘れたの?同じ小学校だったD子よ」
398:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:45:34.31 ID:Cf9Z2/cF0
俺の記憶の片隅に居たD子が、像を結び始める。
俺「あっ・・・!」
D子「久しぶりね」
こんな所でD子と再開するとは・・・。
嫌でもC奈の夢のことが思い出される、D子は俺を助けてくれた存在なのだ。
俺「あの時は、ありがとう」
D子「何が?」
俺「お守り、助かったよ」
D子「いえ、でも」
俺「え?」
D子「やっぱり終わってないみたいね」
俺「は?」
終わってない・・・どういう意味だ?
色々と聞きたいことはあったが、離籍していたメンバーが戻って来たので
話は中断された。
401:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:46:13.78 ID:Cf9Z2/cF0
その後も順調に大学生活を続けていった俺、しかし気がかりなことが出来た。
E子「・・・・・・」
俺「どうしたの?」
E子「んーん!なんでもない!」
俺「そうか?」
E子が時折、暗い表情を見せるようになったのだ、今まではそんなこと無かったのに。
それは日が経つにつれ顕著になっていき、周囲の人も気付いているようだった。
F男は、「何か悲しませたんじゃねーの!」と言っていたが、俺はまるで心当たりが無い。
そんな中、E子の家へ行くことになったある日。
402:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:46:59.72 ID:Cf9Z2/cF0
E子はアパートの3階に住んでいる。どこにでもありそうな安い感じのアパートだ。
俺がアパートの中へ入っていくと、3階から声が聞こえてきた。
???「 して の」
ん?
よく耳を澄ましてみたが、どうやらE子の声のようだ。
E子「 れ じょ う き と な で 」
俺「???」
E子「 な の と は すき も」
距離が離れているから、断片的にしか聞こえない。
E子「そ ち く と きな い」
何を言ってるんだ・・・?
俺は3階のE子の部屋へと急いだ。
403:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:47:45.24 ID:Cf9Z2/cF0
部屋をノックし、E子を呼び出す。
しかし、返事がない。
俺「???」
再度ノックをするが反応がない。
俺「開けるぞ?」
俺は痺れを切らし、ドアを開けた、鍵は掛かってなかった。
しかし、中へと入った瞬間、俺は異変に気付いた。
404:名無し:2013/05/01(水) 01:48:07.41 ID:0A2XGYAxO
あわわ((゚Д゚;)))
405:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:48:19.75 ID:Cf9Z2/cF0
俺「うっ・・・」
何だ・・・?部屋が異常なくらいに寒い
俺「おい!E子!?」
俺は必死にE子を探した。
リリビングには居ない・・・?どこだ?
トイレ
浴室
・・・・!!
いた、E子だ。
洗面台のシンクに突っ伏すように倒れこんでいる
俺「E子!俺だよ!大丈夫か!!」
必死にE子をさすり、気付けを行う
406:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 01:49:06.59 ID:Cf9Z2/cF0
E子「・・・ん」
俺「あ・・・」
どうやら気付いたようだ
E子「俺君・・・」
俺「大丈夫か?何があったんだ!?」
E子「ちょっと・・・貧血起こしちゃったみたい・・・えへへ」
俺「とりあえず、場所を移して休もう」
E子「うん、ありがとう・・・」
それにしてもこの部屋全体が異常なまでに寒い
本当に寒すぎる
ただ室温が低いだけでなく、・・・なんというか心に重く圧し掛かるような寒さというか
・・・
・・・
・・・?
以前、これと同じような感覚を体験した気が・・・?