71: :2008/04/15(火) 10:40:44.30 ID:
ゴチンッ!
75: :2008/04/15(火) 10:43:36.33 ID:
俺が全部おごってあげたこの日。
それはそれで全然良かったのだ。その度に華は喜び「ありがとぉ~。めっちゃ嬉しいわぁ~」と
笑顔を輝かせていた。
最後にレストランでご飯を食べ別れの時が来た。駅の改札。華に切符を買ってあげ見送る。
しかし俺はこの時ほんの小さな違和感を感じていた。
券売機での違和感・・・。
華はいつまでも笑顔で「ありがとなぁ~」と手を振っている。
俺も手を振る。楽しかったなぁ。
この日1日の正直な感想だ。もう2度と華と会うこともないだろう・・・。
最初はとんでもないガキだと思っていたけど、素直で可愛いやつだった。
きっと家庭不和が原因で寂しかったのかな?
いつか幸せになれるといいな!
帰りの電車に揺られながらそんな事を思っていた。
しかしそんな俺の思いは華にことごとく打ち砕かれる・・・。
103: :2008/04/15(火) 11:23:30.17 ID:
どう考えても財布の残金が少ない・・・。
華と遊んだ金は2万5千円程度。
どんなに多く見積もっても3万。
それが残金5千円・・・・。どういうことだ。しばらく考える。答えは1つしかなかった。華に抜かれたのだ。
108: :2008/04/15(火) 11:27:38.62 ID:
45Kは安いだろ
109: :2008/04/15(火) 11:28:01.91 ID:
華・・・恐ろしい子ッ!
111: :2008/04/15(火) 11:29:13.34 ID:
レストラン・・・。俺がトイレに立った時か!
俺は通常トートバックに財布を入れている。
そのバックは・・・席に置きっぱなしだった・・・。
愕然とした。
金の問題というより今日の華との楽しかった1日を思い出すと。
悲しくなる。華の笑顔を思い出すと裏切られた切なさが沸いてくる。
しかもなぜこんなにすぐにバレる窃盗を・・・??どう考えても華の思考は理解できなかった。「もうどうでもいいや」という思いと
「なぜこんなことをしたのか?」という思いが交錯する。
電話して確認するか?
いや・・・もう繋がりは断ったほうがいい。
あの女は本物の犯罪者なんだ・・・。
双方の思いが存在した。
114: :2008/04/15(火) 11:33:51.75 ID:
きっと出ないだろう・・・。
今さっき金を盗んだ男の電話に出るわけがない。
常識的に考えて着信拒否だろう。
それでいい。それがいい。
出なければ出ないで全て終わりにしよう。そして万一出た場合・・・。追求してみよう。電話を掛ける手が震える。
異常に喉が渇く。俺はビールを一缶空けてから電話した。緊張する・・・。
コール音が鳴る。意外な事に着信拒否はしていない模様。
しかしコール音が鳴るばかり。華は電話に出ない。
終わったな・・・。裏切られて・・・。
俺は電話を切った。
116: :2008/04/15(火) 11:38:52.76 ID:
終わったと思ったがさすがに切なかった。
頭を割られ、挙句に財布の金を盗まれた・・・。
最悪だな。俺は・・・。
少し笑えてきた。目を瞑ってもうこのまま寝てしまいたい・・・。そう思った時。携帯の着信音が鳴った。相手は・・・そう。なんと華だった。
驚きながらも恐る恐る電話にでる。
「もしもし・・・」ヤバい声がかすれてる。
緊張していた。そんな俺の思いとは裏腹に電話を掛けてきた
華の声は意外なものだった。
118: :2008/04/15(火) 11:39:27.79 ID:
ほんでほんで?
121: :2008/04/15(火) 11:44:06.52 ID:
「!!!!!!????」え・・・?
なにこのテンション??俺は驚いた。電話が来ただけでも相当驚いたが
華は悪びれている様子が微塵もない。
俺は絶句した。「今日めっちゃ楽しかったなぁ~。意外にバックドラフトが良かったなぁ」
「・・・・・・・・・・・・」
「お土産に買って貰ったチョコ食べたで~。めっちゃおいしいでぇ~(笑」え・・・。なんで?なんでそんなことが言えるの??
本当に理解ができなかった。
123: :2008/04/15(火) 11:45:34.11 ID:
華ったら可愛いな
124: :2008/04/15(火) 11:47:27.81 ID:
しかし・・・しかし・・・。
俺は財布に入っていたATMの利用明細を見た。
確かに5万引き出されている・・・。
そしてそんなに使っていない。そんな困惑する俺を尻目にハイテンションの華は
「また連れていってなぁ~。今度は朝からいこうなぁ~(笑」
「・・・・・・・・・」
聞かなければ。確認しなければ。
でもどうやって切り出せばいいんだろ??
130: :2008/04/15(火) 11:53:27.14 ID:
「どしたん?元気ないやん?」
あるわけないやろっ!!しかし聞かないワケにはいかない。
金の問題じゃなく、本当に盗みを犯してこの態度なら
この女は異常だ!根本が腐っている。
俺は華の真意が知りたかった。「あのな・・・華・・・。気を悪くせんと聞いてな」
「どしたの?」
華はうろたえる様子が全く無い。「帰ってきて財布の中身確認したんよ・・・そしたらな・・・・」
「・・・・・・」
「使ってもないはずの金が無くなってんねん。」
華が急に黙り込む・・・。
「華が盗んだんと・・・ちゃうよな??」
俺は勢いにまかせ核心をついた。
136: :2008/04/15(火) 11:58:41.76 ID:
そう心の中で願っていた。
今日の無邪気な華の笑顔を思い出すと
華を信じたくなってしまったのだ。「・・・・・・・・・」
黙り込む華
「違うかったら俺謝る。だから本当のこと教えて欲しいねん」すると華がおずおずと話出す・・・。
「ぅち・・・」
「ぅち・・・・・・・」「ぉ金・・・とった」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
沈黙・・・。
138: :2008/04/15(火) 12:00:06.48 ID:
変なとこが正直だな…華
140: :2008/04/15(火) 12:03:31.17 ID:
俺は本当に甘い。大甘いだ。
公園で貸しえてくれたハンカチも
今日も無邪気な顔も全部嘘か・・・。最近のガキなんてこんなもんか。
人に詫びる気持ちどころか、許した人間に対してこんな仕打ちをするのか。
もういい。これ以上このガキに関わるのはごめんだ。俺は切り出した。
「そうか・・・その金はやる・・・。もういいわ。ほんじゃ」
華は消えそうな声で言った。
「ごめん・・・ごめん・・・」
143: :2008/04/15(火) 12:09:05.12 ID:
期待
144: :2008/04/15(火) 12:09:30.96 ID:
「いや・・・もうええねん。マジでお前と関わりたくなくなってん」
華は黙り込む
「ほんじゃ。電話切るわ」
その時!華が突然大きな声で
「待って!1待って!切らんとって」
「なんでや?」
華の思考回路がわからない。
被害者の俺が終結させようとしているのに
加害者の華がそれを阻止する。華は言った。
「ぉ金返したぃねん・・・。ほんまに・・・ごめん」
俺は返す刀で
「いらん。やる」
すると華は電話口ですすり泣きだした。理解不能。
なぜそんなにあっさり返すのなら最初から盗まなければよいのだ。