鉄パイプで頭を殴られ強盗にあったオレ。犯人は14歳の少女だった…→そこから始まる2人の物語!

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35: :2008/04/15(火) 09:18:38.48 ID:

ゴチンッ期待age

36: :2008/04/15(火) 09:19:30.54 ID:

「・・・・・・」考え込む華。
そして出した答えは
「うちが自分で慰謝料を払う。家の番号は嫌や・・・。うちの携帯教える」
そうきたか。子供の発想だがそれでもいい。少しは反省している様子だ。
それに華の番号でも知っておくことは大切だ。
この後「脳内出血してました」などの展開を迎えたら
さすがに連絡先を知らないわけにもいかない。華の携帯から俺の携帯へ着信をさせた。
これでこの番号は少なくとも嘘じゃない。
解約されたら終わりだが・・・。
「もう帰ってええわ。遅い時間やし」
俺がそう声を掛けると華はノソノソとベンチから立ち上がり
出口の方へ歩いていった。その姿はすごく寂しそうだった。
俺は公園のベンチに座って休憩していた。
興奮が冷めると同時に、華に見舞われた一撃が痛み出す。

38: :2008/04/15(火) 09:24:47.67 ID:

夜の公園でボーっと考えていた。
俺の中学時代はいつも勉強もせず友達と遊んでた。
野球したりゲームしたりして。なんで華みたいな寂しいガキがいるのだろう?
これが現代の中学生なのか?
そんなことを考えながら後頭部を触っていた。すると・・・公園の入り口に人影が見えた。
近づく人影。小さい・・・女??華だった。
「お前・・・どしたん?」
「・・・・・・」
華はなにも話さず俺の前に立っている・・・。
「報復にきた!?」一瞬脳裏にそんな思いがよぎる。
ナイフでも出された日には最悪だ!!
すると華はゆっくり右手を差し出す。
そこにはハンカチが握られていた。
「これで・・・血拭いて・・・」

44: :2008/04/15(火) 09:31:27.89 ID:

そういって華はポカーンとする俺の膝にハンカチをそっと置いた。
正直驚いた。華は俺にハンカチを渡すと走ってまた出口に向かった。
ハンカチ・・・。
「あのガキも意外に女の子やなぁ~。」そんなことを思った。
それが華との出会いだった。
しかしこの出会いがとんでもない結果を招く。
華は俺が手に負える女ではなかった。
規格外のモンスターだった(少し大袈裟かな)

46: :2008/04/15(火) 09:34:57.30 ID:

モンスターwww

47: :2008/04/15(火) 09:37:26.50 ID:

【第二部USJ窃盗事件】

次の日は起きたら後頭部がズキズキ痛んだ。
休みで良かった。ベットでボーっとそんなことを考えていた。
昨日自分で応急処置したガーゼが剥がれている。
やっぱり後頭部の治療は自力では難しい。
しかし病院にいくほどでも無さそうだ。それに病院嫌いだし・・・。
午前中はボケーっとTVを観て過ごした。
そして考えていた。華のことを・・・。
どうするか??慰謝料を請求するか??
答えは既に出ていた「もうええか・・・」である。

電話に出るかな・・・?俺は華に電話を掛けることを考えた。
「もう慰謝料もいらない。この件は忘れてもよい」
そのことを伝えようとしたのだ。
夕方華の携帯に電話をしてみた。
おそらく出ないだろう。そんなことを思っていた。
それならそれで良い。それで終わりにしよう。

48: :2008/04/15(火) 09:45:31.16 ID:

電話のコール音を聞く。1回2回3回・・・。
やっぱり出ないかぁ~。そう考えていた矢先!!
「はい・・・」昨日のガキの声だ!
「え・・・と。昨日鉄パイプで頭割られた男やけど」
なんか情けない自己紹介だと思いつつ話かけた。
「うん・・・」華は小さい声で応える。
「もうお前から慰謝料も請求せんし、安心してくれ」
華は無言だ。
「それと学校なんてところは行かんでええと思う。
でも行ったら思い出はできる。年とってからなかなかええもんやで」
相談もされてないのに暴走する俺。
なんでそんな事を話したのだろう・・・。
おっさんになった証拠だ。
すると華は意外に素直に
「ぁりがとぅ・・・考えてみる」と返事したのだ。「それだけ言いたかっただけ。ほんじゃ」
そう言って電話を切った。
この時はこの件が全て終わり、華のこともいづれ忘れると思っていた。
事実その後は忘れていった。傷の手当てをする度に思い出す程度だった。
傷が癒え手当ての必要が無くなると同時に華のことは完全に忘れた。
しかし・・・1ヶ月後、なんと突然華から電話が掛かってきたのだ!

50: :2008/04/15(火) 09:50:05.79 ID:

華タソ可愛いよ華タソ

52: :2008/04/15(火) 09:51:47.35 ID:

華の番号は残していた。
というか消すのが面倒で残っていたのだ。
日曜日に洗い物をしていたらら着信音が鳴る。
着信番号をみると「はな」と表示されていた。
「はな・・・??はて??」と一瞬思い出せずにいた。
それくらい華のことは忘れていたのだ。
「はな・・・はな・・・ああアイツか!!」思わず手が
後頭部を摩る。もう痛みも傷も完全に消えてた。
しかし・・・あの華がなんの用事だろう??恐る恐る電話に出てみる・・・。
「もしもし??」
「・・・・華やけど・・・覚えてない?」
この声は間違いなくあの時のガキ。
「いや。覚えてるで」
「ぅん・・・。」
沈黙・・・・。
俺は聞いてみた「どしたん?なんで電話掛けてきたのや?」
「ぅん・・・」華は少し緊張している様子。
「傷はどんな調子??」
意外な言葉が飛んできた!!少し驚く
「ああ~。完璧に治ったわ。なんや心配してたんか?」
「ぅん・・・」
俺は正直少し可愛いなぁ~っと思った。
兄貴2人しか兄弟にいない俺は
妹がいたらきっとこんな感じなのだろうと思っていた。
その矢先!突然華が聞いてきた。
「ぉ前・・・名前なんてぃぅのん?」

54: :2008/04/15(火) 09:58:56.60 ID:

絶句した。中学生が29歳に対してお前・・・。
その前に加害者が被害者に対してお前・・・。
「俺は1っていう・・・。あのな、あんまりお前って言葉は
やめといたほうがいいぞ!俺一応年上やしな・・・」
なるべく諭す感じで言ってみた。
最近の中学生はこんなことも分からないほどアホなのか??
「ごめん・・・」
華は意外と素直に謝る。これが俺に強盗傷害をしたガキとは思えない。
「そんで。今日はなんで電話してきたんや?」
それが1番知りたいところだ。

55: :2008/04/15(火) 10:00:22.88 ID:

ワッフォー!!!!!!テラワッフォー!!!!!

56: :2008/04/15(火) 10:05:55.01 ID:

華はもじもじしながら話し出す。
「・・・ぅん・・・えとなぁ。1ってUSJって行ったことある?」
1・・・。呼び捨てかぁ。それはもはや言うまい。
しかしUSJ!!??なんでUSJ!!??
俺は答える。
「USJは3回くらい行ったことあんで」
華は言う。
「あんなぁ。うちUSJ行ったことないねん。・・・ぇぇなぁ~1は」
これは!?これはもしかして!?
俺をUSJに誘っているのか?
1ヶ月前に鉄パイプで頭をカチ割り
さらに盗みをはたらこうと考えた相手を誘っているのか!?
俺は聞いてみた。
「なんや華。もしかしてお前USJに行きたいんか?」
「うんっ!!」
この時初めて華の明るい声を聞いた。
可愛いと思った(子供としてね)

57: :2008/04/15(火) 10:06:44.22 ID:

このロリコンめ!

59: :2008/04/15(火) 10:11:58.48 ID:

俺は更に聞いてみた。
「もしかしてやで。もしかしてやけど・・・俺を誘ってんの??」
華は少し間をおいて答えた。
「ぉわびしたぃしぃ。。。だからUSJ・・・」
後頭部殴打のお詫びがUSJ・・・。
「まぁ中学生なんてそんなもんか?」
そう考えていた。
俺は言った。
「んじゃ一緒に行こか?USJ」
華はこれ以上にないといった嬉しそうな声で
「うんっ!!」と答えた。
約束は2週間後の日曜日にした。

60: :2008/04/15(火) 10:14:26.41 ID:

だが、お前の金でな!!

62: :2008/04/15(火) 10:18:10.33 ID:

その日俺は財布に金が無かったので近所のコンビニで
現金を下ろした。5万円。
華は俺に対するお詫びと言ったが、まさか中学生に出してもらう
ワケにはいかない。
USJの最寄り駅で昼12時に待ち合わせ。
本当にくるのか?少し不安だった。
改札を出ると華はいた。
正直顔は忘れかけていたが、そこにいたのは間違い無く1ヶ月半前に
俺を襲撃した女だった。
しかし雰囲気は全然違っていた。
着てる服装はまさに厨房の女の子。
ドルガバのシャツにスパッツ。
ラインストーンが入った靴・・・。子供だった。
一緒に歩くのが少し恥ずかしかった。

64: :2008/04/15(火) 10:24:59.85 ID:

でもその子供っぽい服装に安心したのも事実だ。
普通の子なんだ。
そしてこういうカッコしていれば普通に中学生として十分可愛い。
俺は声を掛けた。
「久しぶりやな!」
華は少し気まづいのか恥ずかしいのか目を合わせずに
「ぅん・・・」と答えた。
俺は「飯食った?」と聞いてみた。
華は「食べてへん・・・」と答えた。
「飯食べようか?」しかし華は
「え~~!!早くUSJ入りたい!!遊んでから食べよ!!なっ?なっ?」
と急かしてきた。
本当に妹ができたみたいで可愛かった。
「OK!んじゃ行こうかぁ~」
そういって入場ゲートに歩いて行った。

65: :2008/04/15(火) 10:29:27.49 ID:

妹・・・

66: :2008/04/15(火) 10:32:15.34 ID:

入場券は当然俺が買った。
本来なら華が俺に対するお詫びのはずだったが中学生だし良い。
華は「ぁりがとぉ~。めっちゃドキドキすんな~。ジュラシックパーク行こなっ♪」
などとはしゃいでいる。
なんかそれでいいような気がした。久しぶりのUSJは客が少なかった。
昔来たときはもっと活気があったような気がしたが・・・。
「ET」「バックトゥザフューチャー」「バックドラフト」
そして華待望の「ジュラシックパーク」「ジョーズ」
全て華はリアルタイムで観ていないんだろなぁ~。
と考えながら俺ははしゃぐ華を眺めていた。このUSJで初めて「はな」の字を教えてもらった。
「華」という名前は気の強い彼女にピッタリの名前だと思った。

67: :2008/04/15(火) 10:36:44.80 ID:

華はまるで子供のように喜んだ。
観ているこっちまでなんだか幸せになる。なんか分からない「角みたいなのが生えたカチューシャ」を欲しそうにしていた。
買ってあげると喜んでつけていた。
ウッディーウッドペッカーの気ぐるみを発見すると
走って行き嬉しそうに抱きついていた。
やっぱりまだ子供なんだな。しかし・・・
そんな可愛い女では無かったのだ!華は・・・。
1ヶ月半前、俺を鉄パイプで殴打し、強盗を企てた本性は
いま静かに眠っているだけだった・・・。