「今朝、彼女が自殺した。」
「・・・?」
よく聞こえなかった。
聞きたくなかっただけかもしれない。
涙が出ることもなく、
まだ信じられなかった。
「足下にな、遺書が二つ書いてあって、親御さんと○○、お前の分だ。」
そういって担任の先生が渡してくれた封筒には、
「ごめんね」と書かれていた。
間違いない、彼女の可愛い文字だ・・・
中に書かれていたのは・・・
「ごめんね、○○君。
3つ、謝りたいことがあります。
一つは、初めてをあげられなかったこと。
もう一つは、先に逝っちゃったこと。
そして最後に、
一緒に大学に行けなくてごめんね。
それでも○○君は、生きてください。
私の事なんて忘れて。」
これを読んだら涙が溢れてきた。
涙だけじゃなく負の感情がどっと溢れた。
その後はトイレで何度も吐いた。
授業どころじゃないので早退したが、
家に帰っても涙だ止まらず、何度も吐いた。
何も口に入らなかった。
昨日の別れ際の「じゃあまた。」はなんだったんだよ・・・
お通夜と葬式にも行ったが、
いつでも死ねるという気持ちだった。
結局、俺は大学受験をやめた。
先日、彼女の三回忌が終わった。あの時、
説教してくれた彼女の父親は葬式の時に俺に謝ってくれた。
そして今は彼女と同じことを言ってくれる
「×の事は、忘れてください。
あなたにはあなたの人生があるんです。
その方が×の為にもなるんです。」
もしも彼女の最後の言葉が無かったら、
今の俺はないだろう。
犯人が分かっていれば、
それを生きる力にもできたかもしれない。
この時期になると気が狂いそうなくらい
寂しく悲しくなってしまう。