でもその目は一切まばたきはしないし、動きもしないし、ただひたすらこっち見てるんだよね。
俺もその目を食い入るように見つめていた。なぜかはわからん。
でも目を逸らしたら駄目だと、どうしてか思い続けていたのは覚えている。
俺はその時腰を抜かしていたが、手に持った鉈を思い出したんだ。
それを強くと強くぎゅっと握ると、よろよろと立ちあがった。
変わらず目はこちらを見ていた。
>>140
ぐぐったらアイヌ語で「こんにちは」か
とあるキャンプ場に出没する奴でヒルコ神の一種とか言われてる奴
アイヌ語じゃなくて泣き声みたいなんを発してたそうな
俺は「ヒグマより弱そう」って考えてたんだ。ほんとバカだよな。
でも見た目は眼球だけのただの怖いやつだし、なんかしゃべってくるしで、ちょっと心に余裕が出来たんだ。
俺は般若心経をでたらめに唱えながら茂みに近寄って行ったんだ。
眼球は依然こちらを見てたけど、視線が俺の持ってた鉈に変わった感じだった。言葉も「トイエ?トゥイエ?」に変わっていた。
俺は「あああああああ!」って叫びながら眼球めがけて思いきり鉈を振り下ろした。
眼球の触角?は、くの字に曲がってものすごい声で「オォォオオォオォォィヤァアァ!!」って叫んだ。
この時違和感を感じたのが声だった。
何故なら女性の声だけではなく、なんかおっさんの声を低くしたような声も混じって聞こえていたからだ。
俺は鉈を茂みに投げ捨てて、ものすごい勢いで走り出した。
すると離れているはずなのに、あの混じった声で
「ウェンペロンエウェンペロンエウェンペロンエウェンペロンエウェンペロンエウェンペロンエ」
って念仏みたいなのが聞こえた。
もうおしっこ全部漏らしてたけど、一生懸命走った。でも耳元での念仏は聞こえてくる。
しかもその念仏には明らかにヒグマと同じ「殺意」があった。
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