妻は思いっきり俺にビンタして、
「しばらくは子供の為に付きっきりで看病する、いいと言うまで家に待機してろ」と言った。
家なんてもう無いのにな。
実家にも土下座義実家にも土下座した。
両親はもう泣いて俺を殴る蹴るだった。
義両親は、
「一応命に別状は無いですからそのへんで」
ってそれを止めてくれた。
もうその優しさでまた罪悪感が増した。
浮気相手にも事の顛末をメールした。
だが浮気相手はここで途切れるかと思ったらそうじゃなかった。
「罪を償うなら一緒に償うよ!捨てられたらおいで!」
と返信が来たのだ。
俺はその言葉に甘えそうになったが、事も事なのでそうもいかない。
「お前とは別れる」
と返信したが結局うまいこと行かなくて・・・
「私が奥さん説得してあげる!」
と来たもんだ。
後日話し合いの場を設けることにしたが、
これが彼女の人生を潰す修羅場になると彼女自身考えて無かったと思う。
こう、俺の頭の中ではさ、
浮気で話し合いってのは勿論別れる事や慰謝料、離婚の是非を決める物だと思っていた。
でも、実際は予想を遥かにこえる現実が待ち受けていた…
そして、話し合い当日。
話し合いの場に登場した浮気相手は、脳内お花畑で、
「火傷もそのうち治る!
どうせ二人は離婚するんだし慰謝料だって払う!
そこから二人は0から出発する!
子供いらないって言うなら私が引き取ります!」
って意気揚々と宣言。
両親、義両親共に能面状態。
嫁はずと、
「そう、そう。へえ」
とニコニコと相槌を打つ。
浮気相手は、
「以上です!文句があるならそちらからもどうぞ」
と言った。
同時にやかんの湯が湧いてピューっと音がなった。
俺としてはこの音が張りつめた空気抜きみたいに思えてホッとした。
「ちょっと待っててくださいね。話が長くなるのでお茶入れるので」
と席を立った。
俺の母親が、
「嫁子ちゃん。いいわよ」
と言い嫁が、
「はい」
と意味深な返事をした。
「こんな阿呆にお茶を入れる必要は無い」
という意味かとその時俺は思っていたんだが、
後々考えるとまったく違う意味だったと今ならわかる。
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