19: 名も無き被検体774号+ 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN ID:cG15Sdvf0
一番厄介だったのはタカシさんが浮気をした事があったらしくその浮気相手に電話をかけていると思い込まれた時だった
泣きながら罵倒されて、自分達の生い立ちを涙ながらに語り、また罵倒を繰り返すといった具合だった
この時ばかりは流石に頭にきて「何でこんな目にあってまで付き合わなきゃなんねーんだ?」と電話を切りたかった
でも、ここで電話を切って心の糸がぷつりと切れて…なんて思うと電話を切るに切れず
付き合った以上は最後まで責任を持たないといけないと自分に言い聞かせて罵倒されまくった
後々竹子さんに平謝りされて、その時はつい文句を言ってしまったが
病気そのものの完治こそ無理でも、最近は徘徊もなくなっているし顔つきが大分おだやかになっている
貴方が電話に付き合ってくれているお陰でお婆ちゃんは人として生活出来ていると聞かされた時には
ああ、自分は誰かの役に立てているんだなと無駄な誇りをもってしまった
泣きながら罵倒されて、自分達の生い立ちを涙ながらに語り、また罵倒を繰り返すといった具合だった
この時ばかりは流石に頭にきて「何でこんな目にあってまで付き合わなきゃなんねーんだ?」と電話を切りたかった
でも、ここで電話を切って心の糸がぷつりと切れて…なんて思うと電話を切るに切れず
付き合った以上は最後まで責任を持たないといけないと自分に言い聞かせて罵倒されまくった
後々竹子さんに平謝りされて、その時はつい文句を言ってしまったが
病気そのものの完治こそ無理でも、最近は徘徊もなくなっているし顔つきが大分おだやかになっている
貴方が電話に付き合ってくれているお陰でお婆ちゃんは人として生活出来ていると聞かされた時には
ああ、自分は誰かの役に立てているんだなと無駄な誇りをもってしまった
21: 名も無き被検体774号+ 2013/08/08(木) NY:AN:NY.AN ID:cG15Sdvf0
ある時、ふと婆さんに電話ではなく葉書を送りたくなったので竹子さんに住所を聞いた
というのも、婆さんはたまに家の何処にもタカシさんがいない事を不安に思う事があるらしく
だったら、銀行員の出向で出かけてる、あるいはちょっと一人旅に出ているという形で
「タカシさんから葉書がきたとなれば、梅子さんも喜ぶんじゃないかと思って」と言い
竹子さんが送ってきてくれたタカシさんのメモ帳の字体を必死に真似て短歌を書いた葉書を婆さんに送った
これが大きな間違いだった
葉書を受け取った婆さんはその時だけ素だったのかパニックを起こし過呼吸で倒れてしまったそうだ
竹子さんの旦那さんには散々怒鳴られ「もう余計な事をすんな!」と電話を叩き切られてしまい
タカシさんごっこもそろそろ潮時なのかなと感じた
でも、婆さんから電話がかかってきてニコニコと外の様子だとか好きなお菓子の話題を聞かされる度に
「後5回、いや後3回は付き合ってもいいよな」とずるずるタカシさんごっこを続けてしまった
というのも、婆さんはたまに家の何処にもタカシさんがいない事を不安に思う事があるらしく
だったら、銀行員の出向で出かけてる、あるいはちょっと一人旅に出ているという形で
「タカシさんから葉書がきたとなれば、梅子さんも喜ぶんじゃないかと思って」と言い
竹子さんが送ってきてくれたタカシさんのメモ帳の字体を必死に真似て短歌を書いた葉書を婆さんに送った
これが大きな間違いだった
葉書を受け取った婆さんはその時だけ素だったのかパニックを起こし過呼吸で倒れてしまったそうだ
竹子さんの旦那さんには散々怒鳴られ「もう余計な事をすんな!」と電話を叩き切られてしまい
タカシさんごっこもそろそろ潮時なのかなと感じた
でも、婆さんから電話がかかってきてニコニコと外の様子だとか好きなお菓子の話題を聞かされる度に
「後5回、いや後3回は付き合ってもいいよな」とずるずるタカシさんごっこを続けてしまった
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