私は一体なんなんなんだろ?と思って、
玄関の窓越しに相手を見に行きました。
私が玄関の窓越しにみたその女性は、
明らかに変な人でした。
まず、顔はもうどうみても50代なのに金髪の長髪。
白い帽子をかぶっていて、明るい緑のブラウスに、
赤地に白の水玉のふわっとしたスカート。
右手にはたくさんの物が入った紙袋を持っていました。
その様子をみて
「これは変な人だ!!」
と察知した私はまだインターフォンで話している母に
「ちょっとママ!玄関に来てる人、絶対変!
怖いからもうやめよう!相手にしないで『駄目です』っていって断ろう!」
とまくし立てました。
そしたら母は
「ははははは」
と笑って
「なんかこの雨の中、傘もなく歩いてきたんだって。
怖いなら傘だけでも貸して帰ってもらおう」
と言うじゃありませんか。
その日は確かに雨がざんざん振りでした。
私はもうその人の外見をみてるので泣きたくなって、
こういう事にだけは度胸がある母をうらみました。
私は怖くなったので、
玄関から離れた奥のリビングで
玄関の様子をうかがっていました。
母が玄関を開けて話している声が聞こえてきて、
しばらくすると
「家には入れられません!帰ってください!」
と母の怒鳴り声が聞こえました。
私は普段、母の怒鳴り声なんか聞いたこともなかったので、
それだけでかなりビビッてしまい、その時点で涙目になっていました。
玄関ではガチャガチャガチャガチャ!!と
チェーンの付いた扉を無理やり開けようとする女性と、
閉めようとする母が出す音が大きく響き渡り、
17歳の私を泣かせるだけの迫力がありました。
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