来る時と同じく、やっぱり目閉じて眠ろうとしてるんだけど、完全に甘える態勢で。
周りに人いるのに、部屋にいる時と同じ位置。左斜め下。距離ゼロ。密着。
時々肩に頭とか額当てて。見上げて。また目閉じて。ずっとそんな感じで。
髪の匂いがやたら気になって。彼女に対しても、周囲に対しても、平静を装うのに苦労して。
それでも、彼女が酔いもせず、どこか心地よさそうにしてるのをみてると、安心して。
今なら聞けるかなと思って「誕生日、何か欲しい?」彼女は目開けて、見上げて。少し考えて。
俺がしてた腕時計、触って。「これ。」その時してたのは、黒のGショックで。
高校の時に凝ってた迷彩柄に合わせて買った、ごつくて無骨な、大きいやつ。
どう見ても彼女には不釣り合いだと思ったけど、欲しいならって感じで。
「探すよ。」彼女、首振って。「これがいい。」してるそれを欲しがって。
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