小学生だった俺ら、友達の親父を襲撃➡︎とんでもない目にあった・・・【偉大なる母の力】

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199: 2011/10/20(木) 01:54:19.38 ID:KKhg5spC0

階段のアパートをゆっくり登り扉の前に立つ・・・

一瞬時間が止まるのを感じ、全ての物の存在が頭から消える・・

本田「おらああああああ!」

扉を開けて本田が飛びかかった!

オヤジ「な・・なんだてめえ!」

本田「うるせえええええええ!」

親父は布団で横になりテレビを見ていた。

そこに目がけて本田が飛びかかりタックルを決め
足を押えこむ!

 

201: 2011/10/20(木) 01:56:14.46 ID:KKhg5spC0

本田「次!行け!」

しかし予定外の事がここで起こった!

扉は一人通るスペースしかない!

二人でどっちが行くかお互い見合ってしまった!

オヤジ「な・・なんだなんだてめえらあああ!」

本田「早く!次こいよ!」

俺「坂倉!いけ!」

坂倉「お・・おう!」

ここでまたミスを犯す・・・

 

212: 2011/10/20(木) 01:59:07.46 ID:KKhg5spC0

坂倉が靴を脱ぎ始めたのだ・・・

俺「ば・・ばっか!んなことしてねえで早くいけ!

坂倉「あ・・・・」

本田「いってえええええええええ!」

足にしがみついていた本田の髪の毛を両手で掴み
思いきり引き上げてる鬼の表情の大人がいる・・・

オヤジ「ガキャアアアアア!ぶっ殺してやらああああ!」

アパート中に声が響きわたる・・・・

俺達はまたしてもミスを犯していた・・・

騒げば近所に叫び声が漏れることに・・・・

 

227: 2011/10/20(木) 02:03:55.69 ID:KKhg5spC0

俺と坂倉はもう動けなかった。

本田「いってええええ!助けてくれえ!」

本田の叫び声がこだまするが
俺達は動けなかった・・・

親に怒られたことは何度もある。
大人が怖いということは知っていた・・つもりだった。

自分よりでかい人間が低い声で怒鳴ると
すくみあがるほどの恐怖を感じること。

いくら柔道をやっていたとはいえ
しょせん大人と子供では筋力の差が強すぎて
髪をつかまれひねりあげられただけで
強いと思い込んでた本田がいとも簡単に
動けなくされてたこと。

俺はもう足が震えて膝が笑い逃げることすらできなかった。
草食動物は肉食動物ににらまれたら動けなくなるらしいが
身をもって体感した。恐怖の中・・体は動かない・・・

 

232: 2011/10/20(木) 02:08:09.33 ID:KKhg5spC0

オヤジ「てめええ!たかしいいい!
なんだこいつらはあああ!」

坂倉「・・・ご・・ごめん・・・ごめんなさい!
ごめんなさい!ごめんなさい!」

もう俺たちの戦意は喪失していた・・・
作戦は失敗に終わったのだ・・・

近所の人が声を聞いて様子を見に来て
警察に通報する・・・

ドアは開けっぱなし。

近所の人が覗いてる中、俺達3人は正座させられ
右に左に顔を蹴られ続けた・・・

痛い・・というより大人の本気の攻撃は重い・・・

一気に首から先を引きちぎられる感覚・・・

蹴られては「起き上がれええ!」と髪をつかまれ正座させられ
また右に左にと顔を蹴り倒され続けた・・・・

 

244: 2011/10/20(木) 02:12:33.30 ID:KKhg5spC0

所の人たちはあまりの迫力に
ただただおびえていた・・・・

そんな中、警察が到着する。

もうここらへんの記憶があまりない。

オヤジが気が狂ったように怒鳴り続け
鼻血を出していた俺達はとりあえず病院へと連れていかれた。

もう頭の中が恐怖でぐっちゃぐちゃになり
何が起こってるのかわからない状況。

病院で治療を受けながら、警察も隣につき
いろいろ聞かれたが何を答えたか覚えていない。

はっきりと思いだせるのはその先の警察署から。

俺達3人は別々の部屋に連れられバラバラに調書を受けることになった。

 

6: 2011/10/20(木) 21:31:48.68 ID:KKhg5spC0

俺達3人は別々の部屋に連れられバラバラに調書を受けることになった。

警察というのはグループで捕まえた時は
必ず別々に調書を取る。
口裏を合わせて逃げられないようにするためらしいが
実際はもっと違う所にあると思う・・・

警察「なんでこんなことをしたんだ?」

俺「・・・・・・」

警察「たしかに黙秘権はある。ただな?
黙ってるだけじゃ帰れないぞ!これは事件なんだ!」」

俺「・・・・・・・・・・・」

警察「・・・おまえらのやった事は暴行だ。
子供とはいえ3人がかりで襲いかかっていくなんて
俺は今まで聞いたことがない。」

俺「・・・・・・・・・・」

 

8: 2011/10/20(木) 21:32:58.98 ID:KKhg5spC0
俺は黙ることしかできなかった。
真実を話せばもしかしたら坂倉を救ってくれるかもしれない。
ただ坂倉は引っ越す前に児童相談所から連絡が入り
警察が来たことがあったらしいが
「躾だ」の一点張りの父親に対し
「やりすぎないでください」の一言で済ませて
何もしてくれなかったと聞いた。
俺は警察を信用してなかった。
その上これ以上あいつの事を
誰かにしゃべりたくなかった。

 

9: 2011/10/20(木) 21:34:02.30 ID:KKhg5spC0

警察「・・・おまえ・・・と、本田って言ったな。
おまえらが坂倉をそそのかして
家から金を取ろうとしたらしいな?」

俺「・・はぁ?何言ってんですか?」

警察「だってそうだろう。親に殴りかかって行くなんて普通じゃない。
おまえらがあの家に金を取り行って襲いかかった。違うか?」

俺「・・・・馬鹿じゃないっすか?んなわけないでしょう。」

警察「本田はそれを認めたって言ってたぞ。」

俺「・・・・・・・・・・・・・・」

警察「認めたらどうだ?」

俺「・・・・・・・・・・・・」

警察「・・・・・黙ってないで何かしゃべらんか!!!!」

 

10: 2011/10/20(木) 21:34:45.54 ID:KKhg5spC0

経験がある人はわかると思うが
警察はこうやって必ず誘導尋問を仕掛けてくる。
「他の仲間の奴は事実を全部話した。
だからお前も白状しろ!」と、詰め寄ってくる。
人間の心理的にいくら頑なに隠していても
他の仲間がしゃべった・・・と、なったら
諦めて口を割ってしまう。
俺の場合は誘導してる方向を完全に
警察が間違えていたから不安にはならなかったが
隠していたことをズバリ言い当てられて
他の奴が白状したと誘導されたら
きっとみんなしゃべってしまうだろう。

また黙秘権があるなんて警察は建前上言うが
ずっと黙っていようものなら胸倉を掴んで
怒鳴り散らすくらいは平気でやってくる。
殴られたりということはなかったが
胸倉つかまれ振り回されるくらいは当たり前。
意外と警察ってとこは汚いところだと俺は知った。

 

11: 2011/10/20(木) 21:35:34.14 ID:KKhg5spC0

俺「・・・・・あの・・・」

警察「なんだ?しゃべる気になったのか!?」

俺「いえ。すいませんけどウソばっかやめてもらえますか?」

警察「・・・・・・・・・」

俺「だって強盗目的なんて絶対ないですもん。
金なんて取る気もなかった。
そんな計画なんか一切なかった。
なのになんでウソをつくんですか?
本田が言った?バカ言わないでください。
そんな計画自体がないのに言うわけないでしょう?」

警察「・・・・・おまえらを試しただけだ・・・」

俺「俺らには真実を吐けって騒ぐのに
自分達はウソはいいんですか?
素直にしゃべってくれない人に
こっちがしゃべると思いますか?
ふざけん・・「黙れクソガキが!!てめえらは犯罪者なんだよ!
大人舐めてんじゃねえ!いいから全部吐けコラァ!」

また胸倉をつかまれ振り回された・・・

12: 2011/10/20(木) 21:36:36.25 ID:KKhg5spC0

調書が始まって何分経っただろうか・・
部屋に時計はない。長いのか短いのか・・・
何もしゃべらない俺をほおっておき
何度か部屋を行ったり来たりしはじめた警察。

何度か行ったり来たりした後に
警察はずっと黙って俺の前に座っていた。
俺も黙って座っていた。
空気が重い・・・・向こうも長期戦の構えなのか・・?

本当にこのまま帰してもらえなかったらどうしよう?

何か聞かれてる方がよっぽど・・楽だ・・・

沈黙というのはより一層心に不安を植え付ける。
出たり入ったりされると、このままどこかに移動させられるのか?
刑務所に入れられてしまうんじゃないか?
身長だけは高くても心も頭脳も小学6年生。
少年法すらもよくわかっていなかった少年には
不安だけが胸をよぎり頭の中でこの先訪れるであろう
最悪の事態を妄想し、震えていた・・・

 

13: 2011/10/20(木) 21:38:06.41 ID:KKhg5spC0

「どうなるんだろう・・」と不安もピークにさしかかろうというとき
ガチャっと部屋の扉が開いた。

警察「こちらが1の母親です。」

え・・・?母ちゃん・・・・?

顔を上げると、パジャマ姿で髪の毛はボサボサ。
すっぴん姿の母ちゃんが息を切らして立っていた・・・

俺はよく覚えてなかったが病院で
どうも自分の住所と電話番号を教えていたようだ。
そこから母ちゃんに連絡が入り
迎えにきたらしい。

しかしそんな事情を聞かされていなかった俺には
母ちゃんが目の前に立ってた事が信じられなかった・・

と、同時に母ちゃんを見て、ずっと重力に負けず
瞳の中に閉じ込めていた涙が
緩みと共に地面に向かってスルっと落ちていく・・・

俺「か・・かあち・・「このバカ息子が~!!!」

 

14: 2011/10/20(木) 21:39:03.34 ID:KKhg5spC0

俺は母ちゃんの飛び蹴りを顔に受け
イスから後ろに転げ落ちた・・・・

母ちゃん「このバカが!バカが!バカが!
何を警察に迷惑かけてんだ!このガキャ~!
今、この場でお前を殺す!そして私も死んでやる!」

もう何がなんだかわからない・・
母ちゃんは俺を助けに来てくれたんじゃないのか?
俺の救世主は倒れている俺の腹に座って馬乗りになり
顔を右に左に張り飛ばしている・・・・

な・・なぜ?救世主は助けてくれる人じゃないのか?
なぜこの人は俺への追撃を加え
どなり散らして顔にツバを飛ばすんだ・・・?

とにかく俺は有無を言わさずビンタされ続けた・・・

 

15: 2011/10/20(木) 21:40:28.82 ID:KKhg5spC0

このとき、オヤジ襲撃事件後に蹴り飛ばされ続けたせいで
頬が腫れていた・・・
そこへの追撃のビンタは痛みを越えて
火であぶったスプーンをくっつけられるような
火傷にも似た熱さを感じた・・・

警察「お・・お母さん!落ち着いて!落ち着いてください!」

母ちゃん「本当にすみません!このバカがご迷惑を・・・
オラァ!立てぇ!立って頭を下げろってんだよ!」

俺「・・・ず・・ずびばせんでふた・・」

母ちゃん「バカにしてんのか!
はっきりしゃべれ!」

いや、あんたが腫れてた頬をさらに張って
また口の中が切れたから
うまくしゃべれなくなったんじゃん・・・・

言い訳する隙はなくまた俺は一発頬を張られた・・・

 

16: 2011/10/20(木) 21:41:51.87 ID:KKhg5spC0

その後、母ちゃんの勢いに警察は飲みこまれ
とりあえずお引き取りください、もう遅いですし
明日の昼の三時にまた来てください・・と、告げられ
俺はそのまま母ちゃんに渡され帰ることになった。
外に出ると警察署に一本の時計が立っており
時刻は深夜2時をさしていた。

思ったより早く帰れるもんだなと思ったが
本田と坂倉はまだ帰れていなかったらしい。

本田は首謀者として実際に襲い掛かったのもあり
俺よりさらに根掘り葉掘り聞かれ続け
坂倉は実の親の襲撃という事実と
体の傷から虐待の可能性があるということ。
ただ警察に暴力親父は
「こんな事件を起こすガキだろ?
躾が厳しくなって当然!
こんな悪さするガキに口だけで伝わらねえだろ!
親として更生しようとしてただけだ!」と言い張り
実際警察はどう扱うべきか困っていたそうだ。

 

18: 2011/10/20(木) 21:42:55.91 ID:KKhg5spC0

俺らが何もしていなければ虐待で行けるのだが
いかんせん俺らは3人がかりで襲撃にいってる
とんでもない悪ガキだ。
そんな悪ガキ達だからこそ躾が厳しくなった・・というのも
筋が通るとかなんとかで下手に動けない状態になってたとか。

本田は3時半まで残って調書を取られ
坂倉に至っては朝5時まで
どうするか警察に検討され
結局坂倉の母ちゃんが引き取りに来たらしい。

またあとで聞いた話だが
計画的犯行だが武器を持っていなかったので
殺人になるような事態は考えにくく
ただの暴行事件になったこと。
そして襲撃先に実行犯の息子がいたことにより
見ず知らずの他人を襲ったわけではなく
無理矢理引きとめてまで調査するほどの事件ではないと
判断されたらしい。
このときバットを持っていってたら
きっとこうすんなりとは出てこなかっただろう。

そんな事になってるとは知らず
俺は母ちゃんの車に乗った。

 

19: 2011/10/20(木) 21:44:40.73 ID:KKhg5spC0

いつも俺は助手席に乗っていた。
しかしこの日ばかりは助手席に乗る気がしなかった。
というか乗れなかった。
あそこまで怒り狂われ、馬乗りになられて
張り倒された恐怖と、こんな夜中に迎えにこさせた事を
申し訳なく思い、後部座席でずっと外の景色を眺めていた。

見たこともない風景が徐々に見たことのある風景に
変わっていく・・・
坂倉とよく一緒に菓子を買いに行ったセブンイレブンを曲がり
車は道路をまたぐように横を向ける。
ピーピーとバックを知らせる音が鳴り
音が鳴りやみ家に着いたことを知らせる。

俺は警察からここまでの間、一切口を開かなかった。
母ちゃんも俺に一切口を開かなかった。

玄関を開けて部屋に入り
部屋に戻りたいが戻ってはいけない気がするし
とりあえずリビングに行きソファーに腰をかけた。

母ちゃんはそのまま台所へと消えていった・・・