小学生だった俺ら、友達の親父を襲撃➡︎とんでもない目にあった・・・【偉大なる母の力】

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79: 2011/10/20(木) 00:24:56.63 ID:KKhg5spC0

修学旅行が終わり
その後、一瞬間ほど俺は坂倉と口を利かなかった。
気まずさと恐怖でどう接していいかわからなかったのだ。

ただ家に帰れば頭の中は坂倉の話で埋め尽くされ
ろくに寝れない日が続いた。

どうしたらいいのか・・・?

先生に相談すべきなのか?

いろいろと考えを巡らすが結論はでなかった。

 

81: 2011/10/20(木) 00:27:23.61 ID:KKhg5spC0

俺は最低だと思ったが
違う小学校に通ってた本田に電話して
今まで坂倉から聞いた話をそのまま伝えた。

誰かに聞いて欲しかった。
俺だけじゃ抱えきれないし誰かに力になって欲しかった。

本田は幼稚園からの幼馴染で仲もよく
泊まりにいったりきてたりしてたほど。

小学校4年生の時に家出を画策し
夜中に抜け出して警察に補導されたり
祭りの最中に爆竹をぶっぱなして大騒ぎにさせたりと
一緒にバカをやってきた仲間。

同時に柔道を小学校4年から始め
喧嘩もなかなか強く
性格も豪快だったこいつに相談した。

話を聞いた本田は俺にこう伝えた。

「んじゃさ、俺とその坂倉と1と・・・
ん~、もう一人は俺が見つけるわ。
相手は大人だし4人掛かりでさ。
その親父をボコボコにしよう !」

 

84: 2011/10/20(木) 00:29:22.48 ID:KKhg5spC0

俺「は・・はぁ?何言ってんだお前・・・」

本田「だってそれしかねえじゃん。
助けてやりたいんだろ?
そのおやじが俺たちにボコボコにされてびびったら
もうその坂倉ってやつに手を出せないだろう?
大丈夫。俺もお前も喧嘩強いし、坂倉ってのも強いんだろ?
もう一人連れて行きゃ絶対勝てるって!
なんかかっこよくね?」

俺には出ない発想だった。
普通は誰か大人に相談するべき!って思い
その大人に誰を選ぶのか四苦八苦する所だ。
だけどこいつは子供たちの力だけでなんとかしようと言ってきた。

俺は何も坂倉に声をかけてやれなかった悔しさがあった。
大人ぶってたけど何もできない子供だって思い知らされた。
でも・・ここで・・大人を打ち負かすことができたら・・・

頭の中でぐるぐると駆け巡るが答えはすぐに出た。

 

87: 2011/10/20(木) 00:31:38.07 ID:KKhg5spC0

「よし!やろう!ぶっ殺してやろうぜ!」

俺は明確な目標が出て俄然やる気になった。

その後、子供の考えはしょせん子どもの考え。
現実は厳しく警察も出てくる大騒動になり
ひどい目にあうとも知らずに意気揚々とはしゃいでいた。

 

96: 2011/10/20(木) 00:36:51.72 ID:KKhg5spC0

書きためが終わってしまった。
こっから書き始める。
遅いが暇な奴は付き合ってくれ。

まずは坂倉を説得しなきゃならない。
ただ坂倉がこの話に乗ってくるか?
正直微妙だと思っていた。

まず坂倉にとっては暴力をふるわれようとも家族だということ。
既に虐待にあっていて
親父に対して恐怖心を抱いてしまってること。

いじめられっこは仕返ししようと思っても
今まで傷つけられた経験が頭をよぎり
絶対に反抗できない精神状態になると聞いたことがある。

ただのいじめじゃない。虐待レベルのダメージを
体異常に精神に傷つけられてるあいつが
この話に乗ってくるか?

しかし悩んでも答えはでない。

その電話をした次の日に学校に向かい
もう何も考えず坂倉に話しかけてみることにした。

 

100: 2011/10/20(木) 00:39:10.86 ID:KKhg5spC0

俺「・・・・よう・・・」

坂倉「・・・・おう・・・」

俺達は修学旅行以来口を聞いていない。

俺はこいつの力になりたいと思っていたが
抱えきれずに逃げ出したしまっていた。

坂倉からしたら自分の弱みを晒したのに
びびって逃げた奴にうつってるはずだ。

 

156: 2011/10/20(木) 01:37:39.92 ID:KKhg5spC0

お互いがお互いを牽制しあうような空気。
どっちも二の足が出ず膠着してた所に
一人のブスが現れ空気を壊してくれた。

ブス「あ~!おまえら元サヤに戻ったな~!
マジでホモなんじゃないおまえら~!」

俺「バカか!俺らはホモじゃねえよ!」

坂倉「お・・おう・・でも俺はこいつのこと好きだけどな。」

・・・・・言葉が出なかった。
俺はこいつを裏切った形を取ったのに
こいつは俺の事をまだ信じてくれてた事が本当に嬉しくて
ビスがいなかったら泣いてたかもしれない。

 

158: 2011/10/20(木) 01:38:41.76 ID:KKhg5spC0

ブス「うわ~!マジで坂倉君?マジでホモ?」

坂倉「ホモじゃねえけどこいつは好きなの!それでいいだろ?」

俺「俺は・・・愛してるぜww」

ブス「あ~!きもいきもい!仲良くどうぞ!お邪魔しました!」

坂倉「ぷっ・・おまえ愛してるって・・・気持ちわりい~!
近寄んなよ!」

俺「お・・お前の方こそ好きだとかいうなよ。
おまえはモテるけど俺はモテねえんだぞ!」

小さなキッカケをくれたブス。俺は今でも感謝してる。

 

164: 2011/10/20(木) 01:40:17.96 ID:KKhg5spC0

そのあとちょっとしゃべりながら
俺はいつ作戦を言いだすか伺っていた。
実際、親を一緒に殴ろうっていうんだから
普通じゃ考えられない相談だ。

しかしなかなか切り出せずにいた俺の空気を察してか
坂倉から声をかけてきた。

坂倉「なぁ?何か言いたいことあんの?」

俺「ああ・・・実はさ・・・・」

坂倉「ああ・・・」

俺「あの・・・・さ・・・」

坂倉「なんだよ!お前気持ちわりいな~!
言いたいことあんなら早く言えよ!」

俺「・・・・・・あのさ、お前のオヤジ・・・
俺達でぶっ飛ばさねえ?」

切れ長の二重のキツネ目がまるでタヌキのように
まん丸になった。俺が言ったことをまるで理解してないことが
一目でわかるリアクション。

 

165: 2011/10/20(木) 01:41:15.64 ID:KKhg5spC0

坂倉「はぁ?何言ってんの?」

俺「・・・落ち付いて聞けよ」

俺はそこから本田というやつに相談したこと。
勝手に人に相談したことを謝りつつ
本田ってやつが二度とお前に手を出さないように
徹底的にぶちのめそうって作戦を立ててること。
本田はどういうつもりか知らないが
俺はお前をなんとか助けてやりたいと必死に伝えた。

真ん丸な目をして驚いた表情を浮かべていたが
話が進むにつれて目は鋭く上向きに戻ってくる。
しかしその目線は徐々に下に降り
話終える時は俺と視線を合わせず教室の地面を見ていた・・・

 

167: 2011/10/20(木) 01:42:32.46 ID:KKhg5spC0

坂倉「・・・・それ・・マジで言ってんの?」

俺「ああ。マジだ。やらなきゃやられる。」

坂倉「・・・お前後先考えてくれたのか・・?」

俺「え・・・・?」

坂倉「もし作戦が成功しても俺は親父と母ちゃんと住み続けるんだぞ!
どんなひどい目にあわされるかわかんねえ!
俺は一回抵抗してオヤジをツネったことがある!
そんとき何されたかわかるか!?
俺はな・・俺は・・・・傘の先で・・
手の平を・・・刺されたんだぞ・・・」

俺「・・・・・・・・・・」

坂倉「そんな目にあってるのに一緒にやれって?
無茶言うなよ!それに・・・成功して・・親父がおとなしくなって・・
いじめられることがなくなっても・・・母ちゃんは・・・
きっと・・あいつの味方を・・する・・・」

徐々に声が小さくなっていく・・・

人間、言葉に力がないときは
前向きな発言は出ない・・・

 

169: 2011/10/20(木) 01:43:44.00 ID:KKhg5spC0

俺は理解しきれていなかった。
こいつは虐待そのものも辛いが
自分と血がつながってる実の母が
自分を傷つけるオヤジの味方をするのを見るのが
何よりもきつかったんだ・・・

俺「・・・母ちゃん・・やっぱ好きか?」

坂倉「・・・・ああ・・・あんな母ちゃんだけど・・・
親父がいなくなってから・・ずっと二人だったし・・・
また・・一緒にさ・・どっか出かけてえよ・・」

この一瞬で様々な事が頭をよぎる。
そして出てきた答えは「やめておいたほうがいい」と出た。
男と女の事はよくわからない。
けど仮に成功した後に母親に今まで以上に
辛く当られたらこいつは・・・・

 

174: 2011/10/20(木) 01:44:52.94 ID:KKhg5spC0

俺「・・・でも・・このままでいいのか・・?」

坂倉「・・・・・・・」

俺「失敗するかもしれない。母ちゃんにつらく当たられるかもしれない。
でも今のまんまでいいのか?」

坂倉「・・・・・・・・・・・」

俺「俺は今のまんまじゃいけないと思う。
絶対お前はきついはずだ。
しかも逃げるに逃げられない。
だったら誰か大人に相談するか何か行動しようぜ。
俺らの作戦じゃなくてもいいから」

坂倉「・・・大人は・・信用できねえ・・・」

俺は修学旅行の夜に聞いていた。

児童相談所っていうのは早々簡単に引き取ってはくれないこと。
度を越し、生命の危機に達するような場合じゃない限り
1週間に1度訪問してくるぐらいで役に立たないこと。
先生は話を聞くだけで問題を持ってこられるのが迷惑というのを
露骨に表情にだし、何かにつけては「話し合え」しか言ってくれなかったこと。

だから俺は本田に相談したのもあった。

180: 2011/10/20(木) 01:46:30.42 ID:KKhg5spC0

俺「だったら・・・やってみようぜ!
やらなきゃかわんねえよ!
大丈夫だ!徹底的にやりゃ絶対うまくいく!
母ちゃんは・・・目を覚ますって!」

坂倉「・・保障あんのかよ・・」

俺「保証なんてねえよ!でもやるしかねえよ!
お前がやんなきゃ意味がねえし!やろうぜ!」

俺はもう考えることをやめた。
とりあえず何かしなきゃ!それだけで自分を突き動かしてた。
子供は思慮が浅いから間違いを起こす。
今になってわかることだが当時は勢いが大事!というのもあった。
なせば成る!俺はそれだけを信じて必死に説得した。

地面に落としていた目線は徐々に上に登ってくる。
なんともいえない悲しいような悩んだような
そんあ目立った。目の奥では不安がみえみえで
誰かが横からやめとけ!って止めて欲しそうな目。

しかし俺はもう引き返す術を知らなかった・・・

坂倉「・・・・・・・・わかった・・・やるよ・・」

12歳の少年たちは一歩踏み出すことになった。
後退の一歩をたどるとは知らずに・・・

 

184: 2011/10/20(木) 01:47:48.34 ID:KKhg5spC0

俺はすぐに本田と坂倉を合わせた。
ガキ同士にちょっとした不良気取りの二人は
すぐに打ち解けた。

そして本田が細かく作戦を立てていく・・・

まず坂倉の母親は夜にスナックに勤めていて
帰ってくるのは夜中の2時頃だということ。
オヤジはたいがいパチンコに行っているが
夜11時にはほぼいることを把握。

そこから、土曜日に全員本田の家に泊まり
準備を整え深夜に抜けだし坂倉の家に出撃し
有無を言わさず襲い掛かるという流れでまとまった。

 

188: 2011/10/20(木) 01:48:47.07 ID:KKhg5spC0

本田「でさ・・・悪いな。俺もいろいろ仲間誘ったんだけど
誰も引き受けてくれなかったんだよ。
3人だけだけど・・まあなんとかなるだろ!」

子供3人対大人1人

俺は自信はあった。喧嘩で負けたことがないし
本田も坂倉も同じくらい強い。
俺らが力を合わせれば大人の一人ぐらい楽勝でぶっ倒せると
信じて疑わなかった。が・・・・

俺「なぁ?一応さ・・・武器を持っていかね?」

坂倉「ぶ・・武器って!お前・・!それはやりすぎだろ!」

 

190: 2011/10/20(木) 01:49:30.39 ID:KKhg5spC0

俺「いや。絶対負けらんねえじゃん。
武器使った方が絶対いいって!
何も包丁なんて持っていこうって言ってるわけじゃねえ。
バットとかそんなんさ・・・持っていってさ。」

坂倉「それは絶対だめだ!何よりきたねえ!
ただでさえ3対1できたねえのに!
武器使うならこの話はなしだ!」

俺「・・わかった!んじゃ武器はやめよう。」

もしこのとき俺達が武器を使用していたら
新聞に載っていたかもしれないと今でも思う。

 

192: 2011/10/20(木) 01:50:22.86 ID:KKhg5spC0

作戦が決まり、俺達は一本のタバコを回し吸いした。
これは俺が提案したんだが
ろくでないブルースで四天王が敵同士一致団結の証に
タバコを回し吸いするシーンがあって
俺はそれに憧れていた。

俺「なんかさ・・・かっこよくね?俺達。」

本田「かっけえかも!ぜってえいける!やれるって!」

坂倉「・・・俺もやる気出てきた!やってやろうぜ!」

精神的にも頭脳的にもまだまだ子供な彼らは
無鉄砲なことに気付かない。
気付かないまま日々は過ぎていき
運命の土曜日を迎える。

 

194: 2011/10/20(木) 01:51:23.79 ID:KKhg5spC0

予定通り本田の家に集まる。
夕方の5時に集まったが
みな、誰も口を開かなかった。

4日前にバカ騒ぎしていた勢いは
既に冷め、現実に行動を起こすことに
みな、恐怖感を覚えていた。

しかし、少年たちは引く術を知らなかった。
一度乗りかけた船。降りることは恥と思っていた。

重苦しい空気の中、予定時刻の11時を迎える・・・

本田「よし・・・行こうぜ!」

俺・坂倉「・・・・うし!いこう!」

本田の部屋は家とは離れたプレハブであり
夜中に抜け出すのは容易だった。

3人自転車にまたがり目的地へとこぎ進めていく・・・

 

197: 2011/10/20(木) 01:52:43.48 ID:KKhg5spC0

外は夏を前に蒸し暑かった・・はずだった。
しかし緊張感に包まれ、背中には冷たい汗が
まるで生き物のように滑り落ちていくのを感じる・・・

誰もが緊張感に包まれ、心のどこかで「着かないでくれ」と
思っていただろう。しかしこぎ進めている限り
目的地までの距離は縮まり、ついにアパート前に到着した・・・

本田「・・いいか・・手順通りいくぞ。
俺が最初に足に飛びかかって動きを抑える。
そこにお前ら二人が攻撃だ。いいな!」

俺「ああ・・大丈夫だ。」

坂倉「・・・おう。」

本田「1はいい。坂倉!手加減すんなよ!
ひるんだらやられるからな!」

坂倉「・・・・ああ・・」

本田「よし!行くぜ!」