オーナー妻「その“何か”が、バイクなのね?」
非リア「はい。う、上手く言えませんけど、バイクを渡す事で、ふり、振り向いてくれるというか・・・」
オーナー「分かるよ。変な言い方だけど、バイクという“恩”を売る事で、恩人である非リア君達の言う事を聞かざるを得ないようにするんだね。」
非リア「そそ、そうです。と、友達を相手に駆け引きとか、よよよ、良くない事ですけど。」
オーナー妻「いえ、そんな事はないわよ。だって、それは下心のある駆け引きじゃないもの。全て相手の事を思ってするんでしょ? それはね、至極正しい駆け引きよ。あなたは何も間違ってないわ。」
非リア「ありがとうございます。そ、そう言ってもらえると、すすす、少し安心できます。」
A子「最初からそこまで考えてたのぉ? その駆け引きの話とかぁ、初耳なんだけどぉ。」
非リア「いや、さささ、最初はホントにDQNの為に何かしたいって気持ちだけだったよ。でで、でも、DQNが学校を休む日が増えるにつれて、こ、このバイクにはそういう役割もあるんだって気付いたんだ。」
A子「そっかぁ。」
オーナー「そのサプライズが上手くいく事を祈ってるよ。」
非リア「ありがとうございます。」
オーナー妻「その為にも、明日から張り切って働かなきゃね。」
非リア「はい。」
オーナー「明日は朝6時半にこの厨房に集合してね。お客さんの朝食の配膳から始めるから。」
A子「はぁい。」
非リア「分かりました。」
午後11時 A子のバイト部屋
ゴロン
A子「・・・。」
(『DQNは間違いなく後者でして。』)
A子「・・・。」
(『昔から向こう見ずな性格だから。』)
A子(DQNの事は全部お見通しかぁ・・・)
A子「はぁ~・・・」
A子(良いなぁ、DQN。非リア君にあんなに想ってもらえてぇ。)
A子「・・・はぁ~。男に妬くなA子ぉ。情けないぞぉ。」
A子(そうだよ。あの二人は中学からの友達なんだしぃ。付き合いの浅いあたしにはまだまだ及ばない事もあるっつーの。でもぉ、それが諦める理由にはならないよねぇ。)
A子「負けないしぃ。見てろよぉDQN!」
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