63: 名も無き被検体774号+ 2014/03/12(水) 08:57:20.75 ID:zSMs1Lti0
三年生になって、僕とユウキは別々のクラスになった。
受験を控えて忙しくなったということと、ユウキと僕が疎遠になってしまったことは、おそらく関係ないだろう。
仮に同じクラス分けになっていたとしても、僕らはきっと、一言も言葉を交わさなかったに違いない。ユウキと話さなくなった代わり、というわけではないのだが、僕は中学時代の友人とよくやりとりをするようになった。
彼が都内外れの私立大学に進学を希望しているという話を聞いて、とりあえず僕もそこを目指すことにした。
決して偏差値の低くないその大学に進学するにあたって、僕はかなりの熱心さで勉強をせざるをえなくなったのだった。受験勉強も追い込みのころ、図書館に通いこんでいた僕は、そこでよくユウキと顔を合わせた。
ユウキはユウキで、かじりつくように参考書を読んでいた。互いに声を掛け合うということは、もちろんなかったのだけれど。
後に旧クラスメイトから聞いた話によると、ユウキは、東京ではない、どこか遠くの大学に進学したのだということだった。
縁もゆかりもないその土地に、ユウキが進学を希望したその理由は、さて、どういうことだったのだろうか。なんて、とぼけるくらいしか能がない、相変わらずの僕である。
受験を控えて忙しくなったということと、ユウキと僕が疎遠になってしまったことは、おそらく関係ないだろう。
仮に同じクラス分けになっていたとしても、僕らはきっと、一言も言葉を交わさなかったに違いない。ユウキと話さなくなった代わり、というわけではないのだが、僕は中学時代の友人とよくやりとりをするようになった。
彼が都内外れの私立大学に進学を希望しているという話を聞いて、とりあえず僕もそこを目指すことにした。
決して偏差値の低くないその大学に進学するにあたって、僕はかなりの熱心さで勉強をせざるをえなくなったのだった。受験勉強も追い込みのころ、図書館に通いこんでいた僕は、そこでよくユウキと顔を合わせた。
ユウキはユウキで、かじりつくように参考書を読んでいた。互いに声を掛け合うということは、もちろんなかったのだけれど。
後に旧クラスメイトから聞いた話によると、ユウキは、東京ではない、どこか遠くの大学に進学したのだということだった。
縁もゆかりもないその土地に、ユウキが進学を希望したその理由は、さて、どういうことだったのだろうか。なんて、とぼけるくらいしか能がない、相変わらずの僕である。
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