美しすぎる学校の先生が不登校になってしまったので家にお見舞いに行った結果・・・

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29: 名も無き被検体774号+ 2014/03/12(水) 07:42:56.04 ID:zSMs1Lti0

「お前は彼女とかいないの?」

『人並み』に恋愛しているという彼に、対抗心が湧いたことを否定はしない。
ユウキにすら相談したことのない事柄について、僕は話し始めた。

「好きな人はいる」

「へえ。同じ学校のやつ?」

「うん。先生なんだけど」

「…………マジで?」

「うん」

後になって思えば、僕が彼に自分の恋愛を話してしまえたのは、彼が先生についてなにも知らなかったからなのだろう。
彼は、深い森の中にあいた穴そのものだった。「王様の耳はロバの耳!」と叫びいれるに相応しい、何も知らず、何の関係もないはけ口だった。
この日の僕には、そういった存在が必要だったのだ。

僕の語りを、彼は神妙な顔で聞いていた。
先生が不登校になったこと、先生の家を探し当てたこと、先生の家に通うようになったこと。
そして昨日、先生の家の洗面台で、あるものを目にしたことについて。

「歯ブラシが二本、か」

「……彼氏がいるってことだよね」

もちろん、そのことについて、当人に直接確かめるような真似はしなかった。できなかった。
悶々鬱々と夜を明かして、今日この日に至ったのだ。

「一概にそうとは言えないんじゃないか」

できるだけ明るい声を出そうと努めているのか、不自然な笑顔で彼は言う。

「古くなった歯ブラシを捨ててないだけ、とか」

「口をゆすぐカップも二つあったんだけど」

「…………すまん」

「いや、謝るようなことじゃ……」

うなだれていた彼は、それでもすぐに復活した。

「それにしたって、今まさに彼氏がいるとは限らねえじゃん」

「そうかな」

「だってお前、定期的にその先生んとこ行ってるんだろ? 彼氏がいる女が、そういうの許すかなあ」

なるほど確かに彼の言うとおりかもしれない。
この一か月ほどに僕が先生に会いに行った回数は、両手の指で数えるほどもあるのだ。
どのタイミングで、その彼氏とやらに鉢合わせてもおかしくない状況だったのだ。
しかしそんなことは、一度もなかった。

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