12: 名も無き被検体774号+ 2014/03/12(水) 07:10:08.27 ID:zSMs1Lti0
正直なところ、僕は戸惑っていた。
前回に訪ねた時と今回とでは、先生のまとう雰囲気がまったく違ったからだ。
そのことについて先生は、「今回は幾分か心の準備ができてたから、何を話そうかあらかじめ決めていたの」と説明した。「それじゃあさっきの話は、なにかしらの主張だとか意思表示だとか、そういうものに繋がるわけですか?」
前回に訪ねた時と今回とでは、先生のまとう雰囲気がまったく違ったからだ。
そのことについて先生は、「今回は幾分か心の準備ができてたから、何を話そうかあらかじめ決めていたの」と説明した。「それじゃあさっきの話は、なにかしらの主張だとか意思表示だとか、そういうものに繋がるわけですか?」
「ううん」
しとやかにかぶりを振る。
「ああいう意味ありげな意味のない話をずっと続けて、間を持たせようと思っただけだよ」
つまりそれは、彼女なりの防衛手段だったわけだ。
意味がなさそうでいて、そのくせしっかりと積み重なっていく通常の会話をしなくて済むように、意味のある会話をしないように、先生はあえて饒舌になったということだ。
「ごめんね」
わたしの事情に踏み込んでくるな、と。
柔らかい表情で、優しい声で、いつもの先生のままで、彼女は強硬に僕を拒絶しようとしたのだ。
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