美しすぎる学校の先生が不登校になってしまったので家にお見舞いに行った結果・・・

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11: 名も無き被検体774号+ 2014/03/12(水) 07:08:45.97 ID:zSMs1Lti0
 結局、僕が次に先生に会いに行ったのは一週間後のことだった。
居場所が分からなかったときはあんなにも焦がれていたというのに、いざ会いに行けると分かると「鬱陶しがられたら嫌だな」なんて考えが頭に浮かんで、すっかりと臆病になってしまうのだから不思議なものだ。「こういうの、自分には縁のないことだと思ってた」最初の訪問のときと位置関係を同じくして、僕らは円卓を囲んでいた。
あのときからすれば先生は幾分か弛緩した様子で、そう切り出した。「他の誰が悪いわけでもなく、自分の中にしかその理由がないことについて、特別扱いで誰かから憐れまれて、特別扱いで誰かから優しくされるっていうのかな」

人はそれを、弱者と呼ぶね。先生はそう言った。

「社会的弱者、情報弱者、政治的弱者、身体的弱者、精神的弱者……弱者とつく言葉はたくさんあるけれど、その一つ一つが自身を表す言葉なんだって自覚している人は、どれだけいるだろうね」

歌うようにこう続ける。

人は誰しも相対的に弱者である。でも大抵の人は弱者を、物語の登場人物程度にしか捉えていない。
弱者という言葉を聞いたとき、人は、自らよりも弱い者のことを思う。スタンダードは自分にあるのだと考える。
絶対的な弱者などいないのだということを知っていても、絶対的な普通などないのだということを知らない。

「先生」

「なあに?」

「そういうのはやめませんか」

「そういうのって?」

「なんだか、授業を聞いているみたいでうんざりします」

「あら。きみはここに、なにかしら殊勝な理由で来ているはずじゃなかった?」

そういえばそうだった。

「授業みたいなのに、授業じゃないってのが致命的なんですよ。聞いても、受験に有利になるわけじゃないでしょう?」

それもそうだね。と、先生は歯を見せて笑うのだ。

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