最近では、二人でよく買い物に行っている。
オラが車椅子を押して、そしてひまわりは笑うんだ。
皮肉な話かもしれない。
ひまわりが事故に遭う以前より、家族の時間が増え、会話も増えた。
もちろん、これで良かったなんてのは口が裂けても言わないし、思いもしない。これから先、ひまわりは、一生背負うことになるのだから。
――でも、重荷を無くすことは難しいけど、減らすことは出来る。
オラが、減らしてやるんだ。
そして、ひまわりが、その名前のように、いつまでも輝ける太陽であり続けるように、支えていく。
それが、家族ってものだろう。
……そうだよね?父ちゃん、母ちゃん……
――そんな、時期のことだった。
「――それにしても珍しいね。風間くんがオラと飲みたいなんて……」
「まあ……たまには、な……」
街角の居酒屋で、オラと風間くんは酒を交わしていた。
その居酒屋では、仕事帰りのサラリーマンが、その日の疲れを癒すかのように顔を赤くして騒いでいた。
うるさくはあったけど、どこか幸せそうなその喧騒は、不思議と耳に入っても不快感はない。
そんな店の片隅に、オラと風間くんは座っていた。
今日飲みに誘ったのは他でもない。風間くんだった。
しかし彼は、どこか様子がおかしい。
何か、言いたいことでもあるようだ。
しばらくして、風間くんは意を決して言ってきた。
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