「……あ、もしかして言いにくい事情がおありなんですか?それなら、無理に言う必要はありません」
「……そ、そう?ありがとう、あいちゃ――」
「――こちらで、調べますので……」
「へ?」
「――黒磯」
あいちゃんの呼び掛けに、天井からスーツ姿の黒磯さんが降りて来た。
「―――!?」
黒磯さんは、白髪になっていた。色々と苦労が多いのかもしれない。それでも、その白髪頭は、まるで歴戦の戦士のように見える。なんというか、渋い。
黒磯さんは、オラに深々と一礼した。
「……お久しぶりです、しんのすけさん。お元気でなによりです」
「あ、ああ……黒磯さんも……相変わらずだね……」
「黒磯。至急調べなさい」
「――御意」
あいちゃんの言葉に、黒磯さんは再び天井にロープを投げ、スルスルと昇って行った。
……色々と、レベルアップをしているようだ。
それから十数分後……
「――戻りました、お嬢様……」
今度は床下から這い出てきた黒磯さん。何でもありのようだ……
(ていうか、早すぎるだろ……)
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