「……いや、なんでもないよ。それより、今日は来てくれてありがとう。ひまわりに代わって、お礼を言うよ」
「何言ってんのよ。風間くんとひまわりちゃんの結婚式じゃない。たとえ嵐が来ても来るわよ」
「うん。僕も、二人を見てみたい」
ねねちゃん、ぼーちゃんは笑顔で返事を返す。
「僕もだよ。……もちろん、次は僕だけどね……」
まさおくんはボソリと呟きながら、頬を染めてねねちゃんを見ていた。
(まさおくん……“知らぬは仏、見ぬが神”とは、よく言ったものだな……)
心の中でまさおくんに合掌をしながら、頭を一度下げた。
会場に来たのは、ねねちゃんだけじゃない。
ななこさん、園長先生、むさえさん……色んな人が、そこにいた。これまでオラ達が出会ってきた人たちが、笑顔でそこにいた。
この式は、かなりの急なスケジュールで開催されている。
それにも関わらず、これほどまで人が集まったことには、感謝してもしきれない。
(ひまわり……風間くん……。みんな、祝福しているよ)
思わず、青空を仰ぎ、準備をしているはずの二人に言葉を向けた。
それに応えるように、空には番いの鳥が、仲睦まじく飛び回っていた。
みんなが笑顔で見送る中、式は始まった。
白いタキシード姿の風間くんと、純白のウェディングドレスを着たひまわり……風間くんは、車いすのひまわりを後ろから押しながらバージンロードを歩く。
風間くんはさることながら、最初にひまわりの姿を見た時には驚いた。
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