39:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:40:04.56 ID:9YZzFpZv0
合同会議
イケメン「なるほど、ではこの住所に怪人を送りましょう。ヤギ怪人を一体と庶務課から20人程度でいいでしょう?」
一同「異議なし。イーッ!」
企画部長「なにか意見のあるものはいるかね?」
ニート「あの…」
イケメン「おいおい。誰も現場上がりの一般職の意見なんて求めてないよ。自重したまえ」
企画部長「いや、いってみたまえ」
ニート「なんで怪人を一体ずつしか送らないんですか?」
一同「!?」
ニート「一体ずつ何対も送って、何回も殺されてますよね? 最初から複数送って袋叩きにすれば…」
イケメン「なにを言ってるんだ君は! そんな悪いことが出来るか! 卑怯すぎるだろう!一対一が戦いの基本だ!」
ニート「でも庶務課はつけてるじゃないですか?」
イケメン「庶務課はただのやられ役だ! 数にはいらん」
中年のことを思い出したニートは激昂した。
ニート「なんだとこの野郎! ふざけるな! だいたい悪いことして何が悪い! 俺たちは悪の組織じゃねぇのかよ!!」
部長「落ち着きたまえ。二人とも。たしかにニートの言うことはもっともだ。その決断をした悪の素質はみるべきものがある。
今回は怪人を3体使おう。このプロジェクトは諜報部、企画部の合同プロジェクトとする。担当はイケメンとニートだ」
イケメン「なんで私が一般職と…」
ニート「わかりました」
41:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:40:55.31 ID:9YZzFpZv0
議のあと、イケメンとニートは会議室に残り、作戦を話しあったが、二人は並行線だった。
コンコン
イケメン「どうぞ」
美少女「お疲れ様」
ニート「び、美少女!」
美少女「ひさしぶりですね。ニートさん。本社に異動おめでとう。3人そろうの久しぶりですし、同期で飲みにでもいきませんか?」
イケメン「ふん、まあいいだろう。銀座のル・レーブ(なんか高級店)に予約を取ろう」
ニート「ごめん。俺お金ないから、帰るわ…また明日ね」
一般職と総合職では大きく給料が異なるのもショッカーの特徴だ。
イケメン「あ、そう? 残念だね」
美少女「ニートくん…」
42:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:41:28.42 ID:9YZzFpZv0
イケメン「さ、美少女。じゃあ二人で行こうか…」
美少女「あ、すいません! 私も帰ります!」
新橋、ガード下。安居酒屋
ニート「すいません。黒霧島のお湯割りください」
店長「兄さん、飲むねぇ。なにかあったのかい?」
ニート「はは…。仕事の悩みってやつですかね?」
店長「仕事について悩めるのは若者の特権さ。はいよ(コトッ」
ニート「あれ? チーイリチーなんて頼んでないですけど…」
店長「ああ、悩める若者におせっかいのジジイからおごりだ」
ニート「ありがとうございます。これ、食べてみたかったんですよね」
店長「あんた、ショッカーだろ? 血くらい食えなきゃな」
ニ「? どうして俺がショッカーだって…」
店長「20年くらい前によ。あんたと同じ目をしたやつが好きだったんだよ、ソレ。そいつもショッカーでな。あんたもがんばって出世しろよな」
ニ「はは、俺は一般職だから…」
44:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:43:45.02 ID:9YZzFpZv0
?「なにいってるんですか? そんなの関係ないですよ」
ニ「! 美少女!? なんでここに?」
美「なんでじゃないですよもー。人の誘い断っといて一人で飲んでるなんてずるいですよ」
ニ「いやだって、銀座の店なんて高くていけないよ。それに…」
美少女「それに?」
ニ(美少女はイケメンと二人で行きたいのかと思ったんだよ…)
ニ「…なんでもない」
美「じゃあ、わたしも一緒していいですか?」
ニ「あ、え、うん」
店長「なんだい兄ちゃん、すみにおけねぇな」
そして飲み始める二人
美「…そうですか。そんなことがあったんですか…」
ニ「うん、それでつい会議で怒鳴っちゃってさ」
美「ニートくんは間違ってないと思います」
ニ「でも…俺みたいな下っ端のパン職が」
美「なにいってるんですか? そんなの関係ないですよ。わたしわかるんです。ニートさんには悪の素質があります。
変身前を攻撃したり、ライダーの身元調べて奇襲するなんて、信じられないくらい卑怯な上に人間として小さいですよ!
みんな思いついていても普通できません。ひどすぎます」
45:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:44:18.00 ID:9YZzFpZv0
ニ「…そうかな」
美「そうです! 会議でいったんですよね「俺たちは悪の組織だ、悪いことして何が悪い」って。すごくかっこいいです」
ニ「え? かっこいいって…?」
美「あ、…違います。その、あの、同僚として尊敬してるってことです!」
ニ「ああ、そうだよね」
美(でも…それだけじゃn…)
ニ「美少女は仕事どう?」
美少女「うーん。結構大変ですよ。社員の各種申請の確認とか。広報部なんていっつも「破壊費」でたくさん落とすんですよ。領収書もなしでですよ!? 確認が大変なんですから!」
ニ「ははは。そういえば、美少女はなんでショッカーに入ったの? たしか面接のときは仮面ライダーを倒したいっていってたよね?」
美「…はい。実は…私のお母さん、仮面ライダーに殺されたんです…」
ニ「!?」
美「私のお母さんは、オルフェノクだったんです。優しくて料理上手なお母さんでした。炒め物をつくるときは、中華鍋が重いからって、怪人に変身してくれました」
ニ「…」
美「あるとき、外でくしゃみした拍子に、怪人体になってしまって。たまたま近くにいた仮面ライダーアマゾンに見つかって…それで…」
ニ「…そっか。ごめん。つらいこと聞いて」
46:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:44:53.73 ID:9YZzFpZv0
美少女「いいんです。仇をうちたいって気持ちはもちろんあります。でも、今はそれだけじゃなくて…世界を征服して、新しい世界を作りたいって思ってます」
ニ「うん。じゃあ、俺たちもがんばらないとな」
美「はい! そうですね! ニートくんには悪の才能があります! いっしょにがんばりましょう!」
ニ「あ、遅くなっちゃったな。帰ろうか」
美少女「えー? もう少しいいじゃないですかー?」
ニ「終電でちゃうよ」
美少女「…はーい」
ニ「美少女は家どこなの?」
美『代官山です」
ニ「そっか。俺は蒲田。じゃあ駅までは一緒に」
美「はい!」
47:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:45:25.05 ID:9YZzFpZv0
翌日
会議室。ニートとイケメン
イケメン「だから! そんな悪いこと出来ないって言ってるだろ!」
ニート「奇襲がベストだっていってるだろ? 深夜に一気に突入して決めちまえばいいんだ!」
イケメン「そもそも、怪人3体を遠隔制御してそんな細かい作戦が出来るわけがない。庶務課の連中には怪人を指揮する権限は与えられてないんだぞ
ニート「与えりゃりゃいいだろ」
イケメン「そんな簡単にいくか。規則は規則だ」
ニート「くだらねぇ。じゃあ企画部のお前が現場にでて指揮すりゃいいだろ」
イケメン「バカいうな。俺は本社の総合職だぞ? そんな危険な現場に出るわけにはいかない。ほかにも仕事はたくさんあるんだ」
ニート「わかったよ…」
イケメン「やっとわかったか。では作戦は俺の…」
ニート「俺が現場に行って、指揮をとる」
イケメン「なに? 諜報部が戦闘現場に行くなんて聞いたこともないぞ!?」
ニート「諜報部は『有事の際には怪人指揮権を与える』って社則がある。問題はないはずだ。それに俺はもともと現場上がりの人間だ。」
イケメン「しかし…。いや、それならいい。勝手にしろ(こいつが怪我をしようと俺には関係ない。
それにこれは合同プロジェクトだ。もし成功したら俺の功績にすればいい…いやまて、それよりも…」
48:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:45:51.65 ID:9YZzFpZv0
後日。
風見(仮面ライダーV3)宅前
ニート「作戦は以上です。質問はありますか?」
戦闘員A「あの…」
ニ「ん?」
戦闘員A「どうして…今回は本社の方が任務に参加されているんですか?」
ニート「作戦の成功率をあげて、こちらの被害を少なくするためです。戦闘員だって、できれば一人も失いたくない」
一同、ざわつく
戦闘員B「今まで、そんなこと言ってくれる人は…ぶわっ」
戦闘員G「変わった人だな…あんたは」
ニート「僕はもともと現場の人間です。みなさんの気持ちはわかるつもりです。全員必ず生きて帰りましょう。作戦が終わったら打ち上げです。社費で落としますよ!!」
怪人「この人…」
ニート「では、作戦開始です。行くぜお前ら!! 俺に続けぇ!!」
一同「イーッ!!」
49:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:46:22.23 ID:9YZzFpZv0
風見宅内
戦闘員C「なに!? 風見が…いない!?」
ニート「なんだと!? くっ、馬鹿な。下調べは完璧だったはず」
??「とうっ!!」
突如、天井を突き破り、V3が現れた!!
V3「ふん…奇襲とはな、お前ららしい薄汚いやり口だ…!!」
ニート「何故だ! 何故こちらの動きがわかった」
V3「きさまらのようなゴミに言ってもせん無きこと…。む、キサマ、邪悪な顔だな」
ニート「…光栄だな」
戦闘員一同「ぶ、V3…しかも変身済…ダメだ…。殺される…みんな殺される…(ガタガタ)」
V3「くくく…後悔しても遅い、虫けらのように殺してやるぞ」
ニート「怯むなぁ!! 俺たちはショッカーだ!! 誇り高き悪の組織!!」
一同はニートの覇気を受け、持ち直した。
V3「ほう…。この俺を前にして吼えるとは…」
ニート「おいV3。てめぇがよく行く喫茶店。いい店だよなぁ…?」
V3「!? なぜそれを」
ニート「あの店のおやっさん。いい人そうだな。今頃すやすや眠ってるだろうぜ。家に爆弾が仕掛けられてるとも知らずによ」
V3「きさま…」
50:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:47:46.23 ID:9YZzFpZv0
ニート「誰かさんが変身を解除しねーと、もしかしたら大変なことになるかもしれねぇぜ?」
V3「この…。薄汚い男め…」
ニ「うるせぇ。さぁ、どうする。5秒だけ待ってやるぜ。ウーノッ! ドゥーエ!」
V3「おのれ…」
ニ「クアットロ!」
V3「…かまわん。やれ」
ニ「なにっ!? おやっさんがどうなってもいいのか!?」
V3「これも正義のために必要な犠牲だ」
ニ「あんないい人を見殺しに…てめぇの血は何色だぁあああ!? 怪人さん! 戦闘員の皆さん! かかれー!!」
一同「うおりゃああああ!!」
ずかっ、バキッ、どくちゃっ、パタッ…
52:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:50:09.51 ID:9YZzFpZv0
ニート「…はあ、はあ…くたばったか…、まあ3体も怪人使ってるしな。味方の被害は…?」
戦闘員C「軽症者多数! 死傷者は0です!!」
ニ「へへ。よかった…。本当によかった…(中年さん…俺は…やりましたよ…)」
A「信じられねぇ…。俺たち生きてる…!」
B「ライダーを…倒した…」
C「社会のダニみてぇな俺たちが…」
D「田舎の母さん、俺やったよ」
E「ニートさん! あなたのおかげだ!!」
F「こんな俺たちを、男にしてくれた!!」
G「やったな本社さんよ? なにっ?、ひどい怪我だ! 気絶してやがる! この人は…誰よりも前に立って闘っていたんだ!…この人は…本物だぜ!」
ニート・臨時ボーナス 22万円
53:名も無き被検体774号+:2012/02/13(月) 20:51:12.54 ID:9YZzFpZv0
むむ。支援がわりとあってうれしい。
数週間後
美少女「あ! ニートくん! 怪我はもういいんですか?」
ニ「あ、うん。なんとかね。ごめんね。労災の申請書類、不備がいくつかあったみたいで」
美少女「そんなのいいんです! ニートさんが元気になってくれれば…わたし…心配で…うう」
ニ「なんで美少女が泣くの。ほらほらハンカチ」
美少女「…すいません」
ニ「あ、そういえばイケメンは? 企画部にいなかったんだけど、合同プロジェクトだったから、報告しないと…」
美「ニートさん、知らないんですか? イケメンさんは異動になりましたよ」
ニ「え?」
美「V3を倒した功績が評価されて、グローバルマネージメント部の課長になりました。20代の課長は社が始まって依頼とのことです」
ニ「へぇ…。よかったじゃん」
美少女「ニートくんは人がよすぎます…! イケメンさんは今度の作戦を全部自分の手柄みたいにいってましたよ!」
一週間前、会議室
イケメン「と、言うわけで、今回の作戦は見事成功しました。防衛大時代に、学んだ戦略が役立ちましたよ。ニートくんも、
私の補佐として、まぁ、「一応は」がんばってくれました。怪我をしたのは私の作戦をきちんと理解していなかったからです。本人の責任ですが…私にもまったく非がないとはいえません…」
ニート「ふーん」
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