513:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 20:42:28.85 ID:3CnWKtrS0
ニート「お前。さっき俺に、敬意をもってくれた。っていってよな。
俺もさ。俺はずっとお前らに敬意をもっていた。尊敬していた」
1号「変った悪党だ。お前は」
ニート「だけどそれでもお前を倒す…!!アンタのことは、わすれねぇよ」
1号「いくぞっ!!」
1号は破砕した天井より高く空中に飛び上がった。
これまで幾度も悪を討ち、人々を守ってきた技
いつしか、誰もが知るようになった自身の代名詞
絶対の自信を誇る究極の一撃。
1号「ライダーキーック!!!!!!!!!!!!」
ニート「イイイイイイイイィィーーーーーッ!!!」
ニートもまた、あわせて飛び上がる。脚を突き出し、空で猛速で近づく二人。
ニート(これは賭けだ…わずか一瞬でもタイミングがずれれば、俺は死ぬ)
514:1 ◆K1Or/xghAM:2012/02/19(日) 20:45:49.41 ID:3CnWKtrS0
激突の瞬間、ニートは怪人態を解除した。ボロボロになった人間体をライダーキックの前にさらす
1号「!? なにっ!?」
一瞬、ただの一瞬。1号は混乱から空中での体勢制御をくずした。
同時に、ニートは間髪いれずに怪人態に再変化!
1号「しまっ!!」
ニート「……っ!!!」
空中で交差し、着地する両者。
515:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 20:48:44.28 ID:3CnWKtrS0
1号「……」
ニート「……」
背を向けたまま、二人は会話をかわす。
ニート「乱れたな。仮面ライダー1号。守り続けた正義の心が、人間を攻撃することをわずか一瞬、ためらわせたか」
1号「…あぁ。俺は、意志を貫くために、非情になりきれなかった…」
ニート「尊敬するよ。お前は仁愛と勇気にあふれた、すげぇ男だ。尊敬するよ。皮肉じゃ、ねぇぜ」
1号「…あぁ。君も、自らの命を賭け、闘いを貫いた。見事だ。俺のほうも、本心だ」
ニート「ありがとよ。お前ら(正義)のことは忘れないぜ。……俺たち(悪)の…勝ちだ…!!!」
仮面ライダー1号は激しく爆発した。
519:1 ◆K1Or/xghAM:2012/02/19(日) 20:57:55.98 ID:3CnWKtrS0
爆煙がはれたあとには、本郷が倒れていた。
過負荷によって、1号はただの人間に戻ったのだった。
ニート「…生きてる、みたいだな…よかったじゃねぇか…、ってか、俺のほうが、限界…だな…(バタッ)
ニートは全ての力を使い果たし、安らかな眠りについた。
524:1 ◆K1Or/xghAM:2012/02/19(日) 21:01:40.04 ID:3CnWKtrS0
~数年後。某市 市役所。5時~
デブ「お、五時じゃん。じゃあ上がりだな」
デブはショッカーを辞めた後、親戚のコネで役所で働いていた。
同僚のキモオタ「…え、で、でも、資料の作成が、まだ…」
デブ「はぁ? なにいってんの? 五時過ぎてるし、まーじ意味わかんねぇし。お前ヤバクね?」
キモオタ「そ、そんな…明日までに作らないと、困る人が…」
デブ「じゃあ、お前やれば? どうせなんも約束とかなくて、家帰ってキモイゲームやるだけだろ?
俺、今日合コンだし、まじこれいいアイディアじゃね? まーじうける。童貞なんだし、仕事くらいしかやることねぇだろ
ウヒャヒャ」
デブ「(電話を取り出して)あ、もしもし、俺、仕事? あー大丈夫大丈夫。オタク君が変りにやってくれるってよ。
今日場所どこ? あ、おっけー。駅前の和民な」
527:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 21:12:41.29 ID:3CnWKtrS0
イィーッ!!!
市役所内に奇声が響く
市役所の一般人「あ、ショッカーだ。」
市役所の職員「ホントだ。ショッカーだ。まーたデブかよ」
デブ「うわっ、なんだあんたら今度は」
ショッカーA「イィーッ!! DQN防止条例及び、公務員怠惰禁止法違反です。業務に戻ってください」
デブ「でもこいつ変ってくれるって」
ショッカーB「イイイイイィィーーッ!!!」
デブ「わ、わかったよ…」
528:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 21:18:36.94 ID:3CnWKtrS0
~渋谷、街中~
チャラ男A「あ、ねーねー。すいませ~ん。そう、そう彼女ウン彼女!」
女子大生A「え? 私ですか?」
チャラB「どこいくのー? 俺たち今からカラオケいってアガろうかと思うんだけど一緒どー?」
チャラA,Bは二人ともまずまずのルックスでノリがよく、押しが強い。
女子大生B「えー。でもー」
チャラA「いいじゃんいいじゃん。いこーよー。俺ら優しいよー」
女子大生A「すいません。お断りします」
チャラB「なーんで。いいじゃんいいじゃーん。俺らそんなにダメ? 好みじゃない感じ?」
女子大生B「…はぁ…すいません。なんか、そういう感じ、あんまり好きじゃなくて…いこ、A」
女子大生A「うん。ごめんね。なんか」
そして立ち去る女子大生。残されるチャラ男。
チャラA「なんか、最近調子わるくね?」
チャラB「なんかなー。だめになったよなー。サゲだわー」
530:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 21:20:10.84 ID:3CnWKtrS0
ち去ったほうの女子大生二人
A「ねぇねぇ、そういえばB、彼氏できたっていってたよねー? どんな人?」
B「うん♪ あのね。童貞でブサメンなんだよー!」
A「ホント? いいなー。やっぱりそのほうが可愛いし、なんか安心できるし、誠実だもんね。
いろんなこと知ってる人多いし。うらやましいなー」
B「ふふ。今度紹介するね!」
533:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 21:24:01.14 ID:3CnWKtrS0
女子大生の歩く街のビルの壁には大型画面がニュース番組を放送している。
女子アナ「ブサメン、と呼ばれる男性が人気です。2013年ごろから雑誌やテレビで話題になりましたが…」
美人女性キャスター「でもですね。単に流行とはいえないと思いますよ。やっぱり純粋で、中身を重視する、というのは
昔からそうでしたからね。少し前の時代のほうがおかしいんですよ。
そもそもキモオタというのは現代の通俗知識に精通しているということで、素晴らしい特徴です。
いえ、私はブームの前から関心をもっていましたよ?」
女子アナ「次のニュースです。都内でホームレスの方が居住可能な、仮設住宅が完成しました」
~中継~
ホームレスA「ほんと良かっただ。これで寒い思いしないですむだ。あとは頑張って仕事を探しますだ!!」
ホームレスB「それもこれも、リア充税のおかげじゃー」
~中継終わり~
美人女性キャスター「いいんじゃないでしょうか。リア充と呼ばれる方は、以前から非常に高い水準で生活しています。
税額も負担になるほどではありませんし…」
534:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 21:26:37.60 ID:3CnWKtrS0
~場面変って、このニュースを定食屋で見てるサラリーマン二人
サラリーマンA「しかし、最近、政治家のほうもがんばってますよねーいいか悪いかわかんないですけど、色々動いてて
新しいことができていくし。国会中継とかでも前みたいな無駄なヤジと居眠りしてる人いないし、真剣な感じじゃないですか」
サラリーマンB「そりゃお前、適当やったらショッカーになにされるかわかんないだろうから怖いだろうし
、仕方なくね? あいつらマジ容赦ねぇからなぁ」
サラリーマンA「それもそうかアハハ。まぁ、俺には関係ないけどね。それより、知ってる? バダンが今度二次元美少女再生装置ってのを発売するらしいよ?」
サラリーマンB「やっぱ俺はマルチだわ」
サラリーマンA「古くね?」
535:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 21:31:07.18 ID:3CnWKtrS0
世界は変った。ショッカーによる圧倒的な悪意と力を背景として、急速に
その手段や過程はとても褒められたものじゃない。傷ついた人も、壊れたものも、ある。
だけど、変った。
それだけは真実だった。
536:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 21:31:30.74 ID:3CnWKtrS0
~ショッカー首領室~
ショッカーA「首領。この書類に目を通してください」
ショッカーB「1時間後にはローマ法王との会談です」
ショッカーC「首領。企画部のだした新案への意見をお願いします」
ショッカーD「首領」
ショッカーE「しゅ」
新人「あーもー!!! ちょっと一人にしてよ。一人でそんなになんでもかんでも出来るわけないでしょ!!!」
多忙な業務に、優秀な新人もいささか参っていた。
新人「イケメンさん。お茶もってきてもらっていいですか?」
イケメン「は、はい…」
新人「イケメンさんがストロンガーに偽情報リークしてたことは俺忘れてないですよ。早くしてください」
イケメン「は、はい」
鞄持ち補佐見習いのイケメンが出て行ったので、室内には新人が一人だ。
新人「はーっ、疲れた。…こんなこといっても仕方ないけど、先輩が、いれば、なぁ…」
538:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 21:33:13.09 ID:3CnWKtrS0
新人はデスクに立てかけてある写真をみる
懐刀
美少女
新人
ニート
スイーツ
ともに戦った仲間。みんなでイィーッ!のポーズだ。
かわいく写っている美少女さん
今では、戦闘用の怪人の製造ではなく、最新の医療技術を研究している。成果もすごい。
せっかく可愛いのに、まだ独身みたいだ。
決めすぎのポーズで写ってるスイーツさん
エリートの夫を捕まえて、念願の白銀での生活を満喫してるらしい。
やたら習い事ばかりしてるのはあいかわらずだ。
照れくさそうに写っている懐刀さん。
彼を失った悲しみは消えないけど、きっと前に進めといってくれている。墓参りには毎年彼の好きだったバーボンを手向けている
一度、「次もっと高いバーボンにしろよ」って声が聞こえた気がした。きっと幻聴だと思う。
そして変な顔で写ってる先輩
先輩は、もういない。
新人「…でも、楽しかったっす」
新人は一人、つぶやいた。
続きは次のページから!!