455:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/18(土) 22:19:37.43 ID:yvoemUIS0
~ショッカー本部。首領室~
1号「終わったな。ほかのライダーたちも戦闘は不能だが、ほとんどみんな生きている。救助に回ろう」
背後から、小さな歌声が聞こえる
「……まれ」
1号「これで世界は平和なまま、このままの世界が続いていく」
「……まれ、ショ…」
倒れていた王は、再び立ち上がる。
1号「V3…仇は討ったぞ」
「…誰かを…狙う…黒い影」
1号「!? なに? まだ、生きている、だと?」
ボロボロに傷ついた体を奮い立たせ、ニートは立つ。
「……世界の、秩序を、砕くため…!!」
対峙する英雄と魔王
463:1 ◆K1Or/xghAM:2012/02/18(土) 22:25:05.23 ID:yvoemUIS0
1号「戦う、つもりか?」
ニート「…あぁ、俺は負けられない。お前言ったな。正義は勝つ、と。それは違うな。正義は勝つことが多い。
何故なら、守ることは、攻めることより、たやすいからだ」
1号「…」
ニート「変える。俺はこの世界を変える。たとえそれが悪と言われても」
1号「なぜおまえはそこまでできる?」
ニート「わからないだろうな。頭がよくて、スポーツ万能で、誰からも好かれて、
イケメンのアンタには…!」
ニートの体が黒く光りだす。真珠怪人のそれではない、さらに先の、より強く、邪悪な力へと
1号「守ってみせる」
ニート「悪が正義を討つことがあるってことを、奇麗で正しくて強くてかっこいいお前らに、教えてやる…!!
ニート「ウオオオオオオオオオオオッ!!!」
黒い光に包まれ、ニートの怪人態は進化する。目覚めた悪意のなせる業だった。
黒い暴風がはれた後には、黒い姿の怪人がいた。
464:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/18(土) 22:26:25.82 ID:yvoemUIS0
1号「…黒い…仮面ライダー…だと?」
翼の生えたライダー。ただその姿は、邪悪で、漆黒の光を帯びている
ニート「もともと。お前だってショッカーが改造したんだぜ。なら、これが怪人の最強の姿だ
この羽は鷲、はるか高みから世界を狙う。ショッカーのシンボルだ…!!」
1号「…初めて、悪に敬意を持つ」
ニート「光栄だな」
1号「…こい。悪党」
ニート「いくぜ。リア充」
1号「とおっ!!!!!!!!」
ニート「イィィィーーーーーッ!!!!」
爆音が響き渡る。
502:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 20:30:32.80 ID:3CnWKtrS0
1号「とうっ! ふんッ!! ハッ!!」
右ストレートから右のハイキック、左の後ろ回し蹴り。
技の1号の名に恥じぬ、流れるように華麗にしてすさまじいコンビネーションを繰り出す1号。
ニートは一切の防御をしない。
改造人間としてのスペックは互角でも
素体の運動能力や格闘術に圧倒的な差がある以上、攻防に付き合っても勝ち目はない。
ニート「……くっ」
1号「とりゃぁっ!!」
新人「うらぁぁぁっ!!」
1号「ぐはっ!!」
耐えて耐えて、1号が大きく技をくりだしたタイミングで、溜めに溜めたエネルギーで協力な相打ち。
これが、ニートのとった戦法であった。
503:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 20:31:28.65 ID:3CnWKtrS0
互いに吹き飛ぶ両者
ニート「…俺は、カッコよくは戦えねぇ…これしか、ねぇんだよ…」
肉体の耐久力では互角、目に見えてダメージが大きいのはニートのほうだ。
1号「…いつまでもつかな」
ニート「てめぇを倒すまで、俺は倒れねぇ」
1号「くらえっ!!」
左ミドルキック、右チョップ、右エルボー、左フック、右アッパー、ジャンプキック
断続的な攻撃がニートを痛めつけ続ける…が。
ニート「なめんなぁ!!」
強力な一撃で反撃。
これが幾度となくくり返された。
508:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 20:35:49.18 ID:3CnWKtrS0
~同時刻、ショッカー本部4F Cポイント~
神 敬介「立て、野上」
良太郎「…て、敬介さん…。僕…」
敬介「あぁ…俺たちはショッカーの怪人に負け、戦闘不能だ」
良太郎「じゃあ、僕たち…」
敬介「いや、まだ俺たちは負けてない。聞こえるか? 上の階からの破壊音が」
良太郎「誰かが、戦ってる…?」
敬介「本郷さんだ。最後までたどり着いた本郷さんが、首領と一騎打ちをしている」
良太郎「ニートが!?」
敬介「本郷さんが、あそこまでたどり着けたのは、俺たちの協力があったからだ」
良太郎「…」
敬介「きっと、俺たちは勝てる」
良太郎「…首領は…いま…?」
神「本郷さんとあそこまでやりあうとは、正直予想外だったな…。やつは強い」
509:1 ◆K1Or/xghAM :2012/02/19(日) 20:38:04.48 ID:3CnWKtrS0
良太郎(ニート、君は…)
良太郎は思い出していた。ニートの部下と思われる戦闘員が文字通り命をかけて
自分と敬介に挑みかかってきた。
その気迫はまさに壮絶で、数多くのイマジンを倒してきた自分でさえ、敗れてしまった。
戦闘員の彼らは口々に叫んでいた。
「俺たちの新しい世界のために!!」
「首領とともに俺たちはいく!!」
「変えてみせる。この世界を!!」
あれは、マインドコントロールやあるいは狂信的な非支配者のそれではない
一人一人が、意志をもち、譲れない何かのために戦っていた。
良太郎「…ニート、やっぱり僕は君に賛成することは出来ない。だけど
なんとなくわかったよ。君は、叶えたい世界を目指して、戦っているんだね…
それが、誰かに否定されたとしても…」
きっと、分かり合うことはない。だけど、良太郎はニートを憎む気持ちはない
守るものと壊すもの、その違いはあっても、きっと、その思いは真実だから。
良太郎「僕はもう戦えない。だけど、君の、そして僕らの思いの決着を見届けるよ」
512:1 ◆K1Or/xghAM:2012/02/19(日) 20:40:39.78 ID:3CnWKtrS0
~首領室~
すでに首領室の床や壁はいたるところが破砕され、原型をとどめていない。
二人の改造人間の戦いはそれほどまでに壮絶だった。
1号「…はぁ…はぁ…」
打ち続けても立ち上がり、思い一撃で反撃してくる魔王を前に、1号は疲労を隠せない
ニート「…もう、いいだろう。俺も、疲れたぜ」
立っているのが不思議なほどのダメージを抱えるニート。
ニート「うってこいよ。お前の最強の一撃を。仮面の戦士の代名詞でもある、あの技を
俺も、最後の技をうつ。どっちが強いか。それだけだ」
1号「…望むところだ」
ニート「一撃勝負だ。わかりやすいだろ?」
通常、1号が必殺技を繰り出すのは、相手に十分なダメージを与え、必中必殺のお膳立てをしてからだ。
それは、敵に回避、あるいはカウンターを受ければ、こちらが致命的なスキを作ってしまうからである。
ニートには得体の知れないタフさがあった。だから、これまでうたなかった。
しかし、この局面。お互いに疲労しきっており、次の一撃が必殺になるのは両者同じ。
ニート「…こいよ」
1号「…」
力を溜める二人。
燃え上がる二人の闘気が空気を振るわせる。
続きは次のページから!!