そんでいよいよお祓いが始まった。数珠を持たされ、袈裟を着せられて、付き添いの姉ともどもお祓いされることになった
ここからが大変だった
>寝不足程度でイライラしてた自分がなんつーか申し訳なく思えてきた
すでに死んでるはずの糞ゴミが生きてる人様に取り付いて
迷惑かけてるのに申し訳なく思う必要なんかないだろ
死にたくて死んだわけじゃねぇんだよ
お前、取りつかれるぞ。大震災を他人事と思っては駄目だ。
確かに死んだ奴がなんで生きてる奴らの邪魔するんだろうな
うざいわ
>>143
俺も正直そう思う。同じ岩手県民なのになぁ
しばらく東日本大震災の犠牲者の慰霊のための読経があって、次にいよいよ除霊が始まった
その瞬間、こちらに背を向けて読経してる坊さんの目の前からボワっと火の手が上がったのを見て俺は仰天した
護摩行とは聞いてたがマジでこんな屋内で火焚くと思ってなかったんでアレには本当に仰天した
住職はどんどん護摩木をくべて、ホントごうごうという感じで火柱が上がった
お祓いが始まり、最初祝詞のような感じで俺の周りに起きたことが本尊の不動明王に報告された
それで読経が始まったんだが、木魚でなく太鼓がドンドンドンドンと鳴らされて、ここで緊張がMAXになった
大学で宗教関連の話を勉強してたのもあって、正直真言密教に関しては興味津々だったんだが、
太鼓の音とともに読経が始まった瞬間そんな下心は吹っ飛んだ
俺はもう内心「(こんなマジな感じでやんの!?)」って怖いやら驚くやらで呆気にとられていた
すると住職が「では俺さん、こちらに来てください」と俺を火柱の側に座らせた
俺がそこに座ると、住職は金色に光る金剛杵を手にしておられた。金剛杵なんて資料でしか見たことない中二アイテムだったんで
「(おおお……やっぱ本物カッコイイな……)」と思ってたら、「ではこれを胸の前で持ってください」とその金剛杵を押し付けられた
慌てて金剛杵を受け取って親指で挟んだら、金の匙で頭に水を掛けられた
いきなり水ぶっかけられるのか。そっちのが怖い
>>156
いや、匙は100均で売ってるマドラーに申し訳程度についてるスプーンみたいなもんだったから
掛けられた水の量も大したことはなかった
住職はその後落ち着きを取り戻したようで、俺に取り憑いていた幽霊氏の話を始めた
どうやら二人憑いてたそうで、一人は髪の長い、耳だけ出した女の人。もう一人は頬が痩け、帽子を被って杖をついた爺さんだったそうだ
心当たりはあるかと聞かれたが、そのような人物にはどちらにも心当たりはなかった
ちなみにこの幽霊氏の素性は、最初におばさんがジャラジャラやってた占いで、「見えた」というより「占ったらそう出た」ということだった
時々、俺の人生がろくでもないのは霊の仕業なんじゃないかって思うことがあるんだよね
ある程度気が楽になってポジティブになるかもな
もう住職フルパワーで読経してたな
ホントにどこの漫画や映画かみたいな感じで、燃え盛る火柱の前で全身で印を切りまくり、
手にした経文をバサバサと広げたりたたんだり、鬼気迫る表情で読経してた
この辺りの凄まじさはもう俺の貧弱な文章力では表現しきれないのが惜しい
経文で頭と言わず肩と言わずバシバシバシバシ叩かれ、除霊はその後一時間ほどで終わった
終わったら住職汗だくだった。俺と姉もメロメロになってた
住職は汗だくの顔で「できる限りのことはしました」と爽やかに、しかし確実な声で言った
正直そのできる限りのことが本気すぎると姉も俺も思った
住職は「まぁ被災者の幽霊は今後もこちらで慰霊しますので、写真取らせてください」と写真を撮ってくれた
その後住職は「何かあったらいけないから」と、数珠、不動明王真言、御守り、交通安全御守り、
拭き取り、御札、祈祷された水と菓子、そして枕元に置いて寝る御守りまでくれた
正直はした金程度のゼニを惜しんだ自分が強烈に申し訳なくなるぐらいのアフターサービスに
この寺がなんで地元で有名なのかわかった気がした
しかし帰り際に住職が一言、
「不動明王の護摩行って洒落にならんぐらい強烈なので、後で反動が来るかもしれないです。
個人差はありますけれど、何かありましたらまたご連絡ください」
と言った
俺はこの一言をそれほど気にしてなかった。俺と姉は丁寧にお礼を言って家に帰った
あんな下ヨシ子氏がやるような除霊だとは想像だにしてなかったので疲れた
帰り際、姉と「正直本気すぎた」とか「あの価格であのサービスは破格の安さだ」と好き勝手言いまくった
でもまぁ除霊できたので心は軽かった。本当に「憑き物が落ちたように」意気揚々とアパートに帰った
アパートを掃除して、住職に言われたとおりに御札を南向きの窓に向けて、水を一杯お供えした
その日はかなり安心したので、俺はアパートで焼酎を煽りまくった
寝不足が続いていたので酒が美味かった。もう記憶飛ぶぐらいに煽ってその日は寝た
そしたら次の日、背中の痛さで目が覚めた