帰りの車の中
ア「ゴチソウサマデシタ」
僕「いえいえ」
ア「うーん……何かシュウに食べさせてあげたいけど、シュウはアメリカの食べ物嫌いじゃない?」
僕「ん?嫌いじゃないよ。最近はクリームチーズとスモークサーモンを挟んだベーグルがお気に入りだし。あとクラムチャウダーも」
ア「それはよかった。なんとなく外国人はアメリカの料理嫌いだと思ってた」
僕「スーパーサイズミーとか見るとさすがにビビるけどねwwww」
ア「あ、あれは一部のアメリカ人だけだから……単なるジョークみたいなものだから」
僕「ハハハ、わかってるって」
ア「そうだ、そのうち話題のバーガーショップに連れて行ってあげるよ」
僕「スーパーサイズはノーサンキューだよ」
ア「まあ楽しみにしててよ、Hahaha」
※こうして僕たちは一緒にアニメを見たり、晩ご飯を食べたり、お互いの言葉を教えあうようになったのでした
つハンカチーフ
アレックスとは関係ないホモエピソードもいくつかあるけどそれはまた別の話
イメージ崩してスマないが、陽気な金髪碧眼の白人です
ア「シュウおはよう!」
僕「おはようアレックス。君がスクールバス乗ってくるなんて珍しいね」
ア「普段は車で行くんだけどシュウと話がしたかったからさ」
僕「よく照れずにそういうこと言えるね。さすがはアメリカ人というか」
ア「日本人は違うの?」
僕「うーん、アメリカ人と比べるとだいぶシャイかもしれないね」
ア「ところでシュウ、今日はパーティーでも行くの?」
僕「行かないよ。なんで?」
ア「いやー、なんだか気張った格好してるからさ」
僕「え?単にスーツ来てるだけだよ」
ア「日本ではそういう格好がスタンダードなの?」
僕「そういうわけじゃないけど……かっこいいかなって……思って……」
ア「あはは、かっこいいかっこいいwww」
僕「///」
ア「でも変な噂がたってるよ」
僕「噂?」
ア「シュウは日本の大資産家の息子で毎晩パーティーに参加するので忙しいんだって」
僕「なんぞそれ!?」
みんなの中にいろんなイメージのアレックスがいると思ったらなんか面白い!
アレックスもNARUTO大好きですよ
最終回迎えた時は一晩中NARUTOについて語ってましたwww
ア「じゃあシュウは一般家庭の息子でこの学校にはバイトで貯めたお金と家族の支援、奨学金で通ってるんだ」
僕「そういうこと」
ア「いつもスーツを着てるのはスーツがすきだから、だよね」
僕「///」
ア「じゃあ資産家って噂は否定していいんだね」
僕「イエス、プリーズ……orz」
ア「ハハハ、おちこむなよ。カッコいいとは思うよ。でもキャンパスに着ていくには不釣り合いかな」
僕「ああ、これがTPOをわきまえるってことなんだな」
ア「TPO?」
僕「Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字だけど、聞いたことない?」
ア「ないね」
僕「ひょっとしてこれも和製英語?」
※和製英語でした
僕「でも他に服ってあんまり持ってないんだよね」
ア「ジャージかしてあげようか?」
僕「いや、さすがにそれはまずいって」
ア「そう?じゃあ今日のクラスが終わったら一緒に服を買いに行かない?」
僕「いいね!……ありがとう。アレックスはいつも僕を助けてくれるな」
ア「なんてことないさ。それじゃあクラス終わったら連絡してね」
僕「あれ?アレックスまたあったねwww」
ア「今日はカフェテリアで食べようと思って」
僕「一緒に食べない」
ア「ああ、いいね!」
ア「ここのカフェテリアはバーガーキングもついてるし、なかなかいいね」
僕「ここに関しては僕のほうがセンパイだね」
ア「オオ、センパイ!シューセンパイ」
僕「アレックスのたまにでるカタコト日本語大好きだわwww」
ア「ん?シュー、大丈夫?顔が緑色だよ」
僕「ああ、ちょっとイヤな物見ちゃった」
ア「イヤな物?」
僕「ホラ2階席にレズカップルがいるだろ?」
ア「ああ、有名なレズビアンだね」
僕「奴らが濃厚なキスをかわしてたんだよ」
ア「Oh…」
僕「美男×美女、あるいは美女×美女ならまだわかるよ、絵になる」
ア「うんうん」
僕「でも合計300キロオーバーカップルはだめだろ……」
ア「同じアメリカ人として申し訳なく思うよ」
ヒェッ….
えぇ・・・・
なんだマツコか……(震声)
ア「でも抗議はしないほうがいいだろうね」
僕「僻んでると思われたくないしな」
ア「そうじゃなくて、彼女たちがレズビアンだから」
僕「どゆこと?」
ア「もしシューが『交響の場でキスなんて辞めろ』と言ったとするよ」
僕「うん」
ア「するとその言葉は彼女たちを批判するわけじゃなく、ホモを全員敵に回すんだ」
僕「ええ!?」
ア「この州では同性婚が認められてるからね。その辺りをつつくと厄介なことになるよ」
僕「じゃあさっき僕が言ってたこともまずいかな」
ア「大声で言ったらまずいかもしれないけど、あの程度なら大丈夫」
僕「ほっ」
ア「それにみんなアイツらのこと嫌がってるしね」
僕「アレックスにそんなこと言わせるなんてよっぽどだな」
ア「まったく、他の同性愛者に同情するよ」
確かアメリカって州ごとに法律が違うんだよね
うん、そのとおり
僕のいってたマサチューセッツ州は同性婚が認められてたから、大勢の同性カップルがいたよ
ア「それじゃあクラス終わったら迎えにいくよ」
僕「Have a good day!(よい一日を)」
ア「ヘイシュウ、その言い方は間違ってるよ」
僕「どこが間違ってるの?」
ア「dayは午前って意味だからね」
僕「じゃあ、Have a good afternoon.(よい午後を)?」
ア「ハハハ、ホントはHave a good dayでオッケーだよ。単なるジョークさ」
僕「なんだよもーwwww」
ア「よかった元気出たみたいだね」
僕「あ」
ア「See you soon ノシ」
学校から車で30分のショッピングモール
僕「あれ?ここってちょっと高級なブランドのお店じゃない?大丈夫?」
ア「高級?何言ってるの?ここは庶民向けの服屋だよ」
僕「へぇ~。日本ではちょっといい感じのブランドなのに、アメリカではユニクロ感覚なのか」
ア「ユニクロ?そんな高級ブランドといっしょにしちゃダメだよ」
僕「へ?」
ア「ん?」
※当時アメリカではユニクロは舶来の高級ブランドというイメージがあったようです
同じようにアメリカの一般向けブランドが日本では高級だったんですね。名前忘れたけど。
僕「ほんとに……こんなスウェットで授業受けていいのか?」
ア「シュウのクラスメイトはスウェットはいてないの?」
僕「たしかにスウェット、ジャージ、サンダル履き、なんでもありだけど」
ア「それがふつうの大学生だよ。もっともパーティーなんかがあると、みんなものすごくオシャレするけどね」
僕「なるほどな~」
ア「これがアメリカンTPOだよ」
僕「///」
僕「あんまり気に入るのがないな~」
ア「そりゃあいつもあんな格好してたら、とってもラフに見えるだろうねwww」
僕「あんまりからかわないでくれよアレックス」
ア「単なるジョークさ。あ、そうだ、気にいるのなければもう一件見に行かない?」
僕「いいよ。どこにでも連れて行ってくれ」
アメリカの州立大学に通ってました
友達何人くらいいた?
今も連絡とってる子は数人だけど、当時はいろんなコミュニティにかなりの数の友人がいました
他のシュウに行くことがあまりないからわからなかったけど
翻訳された漫画を読んでるとかなり方言はあるようです
いました。それもたくさんwww
イメージ通り黒人さんがヒップホップ大好きでしたね
時折寮の駐車場にでかいスピーカーを摘んだアメ車で乗り入れて大音量でヒップホップ流してました
ア「ついたよ~」
僕「って、ここ学校の購買じゃん」
ア「シュウもここで教科書買っただろ」
僕「あのころは右も左もわからなかったけどね」
ア「ここの奥に……ほら、服売り場があるんだ」
僕「広いとは思ってたけど何でも売ってるんだなぁ」
ア「ほら、ここのスウェット、学校名が書いてあるだろ?」
僕「ほんとだ!これも、あのシャツも、みんな学校名が書いてある。どんだけ愛校精神豊富なんだよwww」
ア「よかったらおそろいで何か買わないかい?」
僕「アレックスがそういうなら、君に全部任せるよ」
※結局紺色のスウェットにオレンジ色で学校名が書いてあるスウェットなど、学校用にいくつか買いました。
今でも部屋着に使っています
お勉強タイム
ア「やあシュウ!最近、どう?」 ’Hi, Shu! What’s up?’
僕「特には。そっちは?」 ‘Not so much. You?’
ア「変わりないよ」’The usual’
※アメリカに行って最初に苦労したのがこの挨拶 What’s up?でした。
今でこそ学校の教科書に取り上げられるようになったので有名になりましたが
僕がアメリカに行った当時は「ハロー、ハウアーユ?アイムファインサンキュー」
が教科書にのっている挨拶だったのです。
ア「ところで君は夏休みのロングヴァケーションをどう過ごすんだい?日本に帰る?」
僕「日本に帰るにも金がかかるし、今年は寮でアニメでも見るさ」
ア「何言ってんだよシュー!夏休みは寮あいてないよ!」
僕「え、シリアス?」
ア「留学生はアパート借りたりどこかにホームステイするって聞いたけど……」
僕「……やばいよやばいよ……」
ア「何も知らなかったんだね」
僕「なぁ、アレックス。アパート探しつきあってくれないか?」
ア「もちろんだよ。あ、でもその前に」
僕「ん?」
ア「ひとつ当てがあるからちょっと電話してくるねー」
昔はLike a NY wayって言われたもんだが
それは知りませんでした
アメリカの広い地域で使われてると思ったけどどうなんだろう
>>167
ア「シュー、君の住む場所確保したよー」
僕「早!いったい何したの?」
ア「両親に電話したんだ」
僕「ん?それってつまり……」
ア「シューはこれから新学期まで我が家にホームステイします」
当たったよWWWWWWW
※大学の寮を追い出されることになった僕は、急遽友達のアレックスの実家にホームステイすることになりました。
僕「部屋片付けまで手伝ってもらってありがとう、アレックス」
ア「なんてことないよ」ガサゴソ
僕「あ、あんまりそのへんさわらないで」
ア「あー!ハンター×ハンターの原書発見!」
僕「そういえばアレックスの部屋に翻訳版置いてあるよね」
ア「……」
僕「ん?アレックス?」
ア「……」
僕「ハロー!!!!」
ア「なに?どしたの!?」キョロキョロ
※片付け中マンガに夢中になってしまう現象は日米共通のようです
僕「アレックス、君はよっぽどハンタ×ハンター好きなんだね」
ア「うん、クラピカ大好き」
僕「どう、日本語読める?」
ア「ひらがななら少しだけ……。でも内容暗記してるから何言ってるかわかるよ」
僕「どんだけ読み込んでるんだよwww」
ア「ひとつ言わせてもらえるなら、もっと作者がハイペースで描いてくれるとさらにいいんだけどね」
僕「あーwww そんなときに使える日本語あるけど知りたい?
ア「うん」
僕「後に続いて言ってね「トガシ シゴト シロ」
ア「トガシ シゴト シロ?……どうゆう意味?」
僕「Togashi, do your work!って意味さ」
ア「ハハハ、確かに。彼のworks(作品)はとても好きなんだけどなー」
僕「幽々白書とか?こっちでも漫画出てるの?それともアニメで?」
ア「ええっと……」
僕「?」
ア「シュウ、シゴト、シロ。……あってる?」
僕「あってるけwwどwwもwww」
僕「今日はアレックスのお父さんが迎えにきてくれるの?」
ア「そうだよ。お父さんちょっとシャイだけど、なれれば面白い人だから」
僕「オッケー。3ヶ月もあるんだし仲良くなれるといいな」
ア「ふう、これでシュウの部屋の荷物は終わりだね」
僕「じゃあ次はアレックスの部屋だな」
ア「ノー。恥ずかしいからやめて」
僕「アレックスでも恥ずかしいって思うことがあるんだなwww」
ア「シュウの目にはどんな風に映ってるんだか……」
僕「じゃあ梱包終わった荷物を外まで持ってくよ」
ア「よろしくね」
※しばらくしてでっかいバンに乗って渋い白人男性がやってきました。
ア「シュウ、これがお父さんのボブ。お父さん、こちらが電話で話したシュウ」
僕「ナイストゥーミーチュー」手を差し出す
ボ「……」無言で握手。痛い
ア「ヘイお父さん、なんで黙ってるの?」
ボ「アレックス、おまえ……電話でカワイイ日本人を泊めたいって言ってなかったか?」
ア「うん。かわいいでしょ?」
ボ「男子じゃんか!」
※どうやらアレックスは僕の性別を伝え忘れていたようです