アレックス「ええっ!?君は日本人なのに Lucky Star を知らないのかい!?」
僕「Lucky Star?流れ星かなにかの事?それともタバコの銘柄かな?」
ア「オ~(ひたいを押さえる)まじかよ」
僕「僕なにか変なこと言った?」
ア「じゃあ今夜見せてあげるから部屋においでよ」
僕「オッケー」
※これがアレックスと僕の初めての会話でした
※僕はアレックスと同じ寮に住んでいました
せっかく友達になれそうだったので、残り少なくなっていた日本のお菓子を
両手に抱えて僕はアレックスの部屋を尋ねました
僕「アレックスきたよー」足でドアコンコン
ア「空いてるよー」
僕「手が塞がってて開けられないんだ」
ア「今行くねー」ガチャ
僕「やあ」
ア「ファッ○×△□!?なんてこった、animeでみたことあるお菓子がいっぱいじゃないか」
僕「……anime?」
ア「おお!これが本物のポッキー!ひょっとしてチョココロネもあったりする?」
僕「さすがにチョココロネはないけど……なぜにチョココロネ?」
ア「いや、いいんだ。さあ、入ってくれ」ヤフー!ポッキー
※アレックスの住んでるとこは今までみたことのないタイプの部屋でした
厳密に言えばネットでは見たことありましたが、まさかアメリカで目撃するとは思いもしない部屋だったのです
壁にはアニメキャラのポスターが貼られ、棚には見知った漫画やアニメDVDの英語版タイトルが整然と並び、
ガラスケースの中には僕の知らないかっこいいフィギュアがズラッと並んでいました
そう、アレックスの部屋は完全な「オタク部屋」だったのです
僕「と、とてもかっこいい部屋だね……」
失礼、かき忘れてました
僕はアメリカで大学生活を送ってました
ア「そうだろ!わかってくれるか!うれしいな!!これなんかはベラベラベラベラ」
僕「ちょっとまって、その早さの英語わかんないから、もっとゆっくりしゃべって」
ア「オゥ、ゴメンネ」
僕「わお、アレックスきみ日本語しゃべれるんだ」
ア「チョットダケ。日本のアニメを見ながら覚えたんだ」
僕「アレックスはアニメーションが好きなんだね」
ア「ノー!好きなのはアニメーションじゃなくてアニメだよ!」
僕「??」
むしろ何故当てられないと思ったのか
外国人が言ったって時点で即答だわ
当時僕が当てられなかったからですよ、バーローwwww
挨拶の定番みたいな感じなんだね
彼ら Have a nice ~って良く言ってるしなぁ
もうチョット格好良い言い方があるのかと思ってたよ
そうだよ、アレックスめっちゃくちゃいい奴で、
僕の文章力ではいい奴力を表現できる自信がない
※アレックスによると「anime」と言う言葉は「日本製のアニメ―ション」を意味しているとのこと。
同様に「manga」という言葉も「日本製のコミック」という意味だとのことです。
僕「ふーん。日本ではトムとジェリーのようなカートゥーンでも、
ディズニー映画でも、全部ひっくるめてアニメっていっちゃうけどね」
ア「ノー!そんなのはアニメをインサルトしてるよ」
僕「インサルト?えっと意味は……侮辱する?過激なこと言うなぁww」
ア「それ電子辞書かい?すごいね、かっこいいね!」(スマホがまだ一般的じゃない時代でした)
僕「そんなにいい物でもないけど、まだこれがないとうまくコミュニケーションがとれないからね」
ア「そうなのか……なあ、英語なら教えてあげれるけど、どうだい?」
僕「え、どゆこと?」
ア「そのかわりシュウには日本語を教えて欲しいんだ」
僕「おーなるほどね、僕がアレックスに日本語を教える。その代わりに君が僕に英語を教えてくれると」
ア「そういうこと」
僕「それならさ、昼に言ってた『Lucky Star』の意味を教えてくれない?ずっと気になってて」
ア「いいよ、じゃあさっそく再生するね」ピッ
僕「ん?どういう ̄ ̄」
テレビ「『さぁ始まるザマスよ』『行くでガンス 』『フンガー』『まともに始めなさいよ』」
※らき☆すたのノンストップ上映が始まりました
もってけセーラー服は、そんな曲
シュウ…
大体解った
雛形と板尾の子だな?
似たような境遇の人がいるのかな?
残念ながら他人です
※当時らき☆すたの存在は知っていた僕でしたが、連続で何話もアニメを見るということがなかったので
ア「いいかい、ここからのシーンが面白いんだ」
僕「うん……そうなんだ……zzz」
ア「起きろシュウ!寝ちゃダメだ」ガクガク
僕「アレックス、今夜はもう疲れた。寝かせてくれよ」
ア「ノー……ここからがいいところなのに」
僕「また明日も見に来るからさ」
ア「……オッケー。それじゃあいい夢を、シュウ」
僕「お休み。アレックスもいい夢を」
※こうして僕たちは友達になりました
映画とかの日本語吹き替えじゃ良く聞くけどさ
Have a nice dream みたいな感じなのかい?
まさにそれです。日本だとキザっぽいですがアメリカではよく使いました
ア「シュウ、こんなこと言っていいかわかんないけど……」
僕「どうしたの?何でも言ってよ」
ア「……どうしてもチョココロネを食べてみたいんだ」
僕「ああ、らき☆すたの一話でやってた奴ね」
ア「そう!シュウはチョココロネをどうやって食べるの?」
僕「僕はお尻のほうからいっきにたべるかな」
ア「どっちがお尻?」
僕「太いほうだよ」
ア「ああ、君はツカサと同じ考え方なんだね」
(ツカサはらき☆すたのキャラクター。
コロネが貝殻のようだから細いほうが頭で太いほうがお尻だと考えている)
僕「うん、そうだよ……(チョコレートが溢れてくるからお尻みたいだなんてゼッタイ言えない)」
ア「あぁチョココロネ食べてみたいなー。どんな味がするのかなー。日本に行きたいなー」
僕「そんなに食べたいなら作ってあげようか?」
ア「ユー、シリアス?(マジで?)チョココロネ作れるの?!」
僕「うん、学校の授業で作ったことあるよ」
ア「おお~我が神よ!シュウと出会わせてくれたことに感謝します」
僕「そんな大袈裟な……あ、でもここオーブンないから作れないね」
ア( ゜Д゜)
貝殻じゃなくて芋虫と考えるとそっちが頭になるよね
いや、俺は貝殻的発想でそう考えていた
ドラクエでスライムつむりっているじゃん
あれのお陰で太い方に顔(頭)があるイメージを持っている
なるほどwww
向こうでは頭がTopでお尻がbottomだから感覚がちょっと違うかも
マジかよ。チョココロネって日本生まれだったのか
僕も調べて驚きました
ないよ、少なくとも僕がアメリカにいたころはなかった
チョココロネは日本うまれの菓子パンです
尻尾を千切ってチョコつけながら食べるんやで
漢ならどんなに大きくても一口で食え
アレックスの同士だと見た
僕「ほら、このキットカットたべて元気出せよ」
ア「( ゜Д゜)」ムシャムシャ
僕「どう、気に入った?」
ア「なにこれ……すごくいい香り……」ムシャムシャ
僕「グリーンティーフレーバーのキットカットだよ」
ア「色もきれいで……こんなの初めて」ムシャムシャムハー
僕「あれ?こっちにもグリーンティーフレーバーのお菓子売ってるよね?アイスクリームとか」
ア「マジで?視界に入ってなかった」
僕「じゃあそのうちスーパー買いにいくか」
ア「よし、行こう!今すぐ行こう!」
僕「今すぐ?そんなに気に入ったのか。バスあるかな」
ア「車運転するから!ホラ行こう!ナウ!」
いやもちろん物臭の人もいるだろうけどさ
アレックスいいやつだわ
ほんとそのあたりが極端というかwww
日本と全然違う一面を見るのがほんとに楽しかったです
僕「アメリカは広くてどこ行くにも車が必要だよな」
ア「日本は違うの?」
僕「うちは近所にコンビニエンスストアーがあったし、自転車でちょっと行けば大概の物は買えたかな」
ア「便利なんだね。そういえばこっちでの買物はいつもどうしてるの?」
僕「バスに乗ってスーパーまで行ってる」
ア「ふーん。大変だね……。よかったら車だしてあげようか?」
僕「ほんとに?助かるよ!……でも迷惑じゃない?」
ア「こっちも買い物行くついでだしさ、問題ない」
僕「僕も運転を手伝えればいいんだけど」
ア「免許持ってないの?」
僕「日本のは持ってるけど国際免許にする時間がなかったんだ」
ア「へー。シューはスティック運転できる?」
僕「スティック?」
ア「ほら、ギアのついてる……オートマチックじゃない……」
僕「ああ、ミッションね」
ア「ミッション?」
僕「あれ……まさかミッション車って和製英語?」
※和製英語でした
ア「アニメ聞いててもたまに変な英語出てくるんだよね。面白いけどさwww」
僕「なんかごめん」
僕「ないなグリーンティーフレーバー」
ア (´・ω・`)ショボーン
僕「僕の勘違いだったかも。……ほら、晩ご飯おごるから元気出せよ」
ア「……それならさ、行ってみたいお店あるんだけどいい?」
僕「う……そんなに高級じゃなければな」
喜怒哀楽がはっきりしてるから、心を開きやすいというか……
僕が言ってること伝わるといいんだけど
ア「タダーッ(ジャジャーンの英語版)」
僕「おお、こんなところに日本食のお店があるのか」
ア「入ってみたかったけど一人じゃなかなか入る勇気がなくて。」
僕「なるほど。入ってみるか」
店「いらっしゃいませー」
僕「あれ、お店の人日本人なんだ」
店「2名様、カウンターでもよろしいですか?」
僕「はい」
店「ではこちらへどうぞー」
僕「……(どうしよう目の前に寿司握ってくれる職人がいる……カウンターってこう言う意味かよ……)
ア「どうかしたの?」
僕「大将、すいません……ここってカード使えますか?」
大「カード?使えますよッ!でもうちはリーズナブルだから気にしなくても大丈夫。ハイ、メニューです」
僕「あ、ほんとだ安い。いやぁ、こんな立派な席通されちゃってどうなることかと思いましたよ」
大「ハハハ。うちは私が趣味でやってるようなもんですからね、お安くしてありますよ」
僕「こんな素敵な店があるなんて、もっと早く知りたかったな」
大「お客さん、そこの大学の?」
僕「そうです」
大「それじゃあ今後ともごひいきにお願いします」
僕「ぜひそうさせてもらいますよ」
大「ところで……お連れさんほっといていいんですか?なんかポカンとしてますよ」
僕「あ、すいません。アレックスどうしたの?ぼーっとして」
ア「So cool……」
僕「へ?」
ア「なに今のやり取り。超カッコいいんだけど」
僕「いや、たいしたこと何も言ってないんだけどwww」
ア「それでもなんか日本映画のワンシーン見てるみたいだった」
僕「たしかにここの大将、ベテラン俳優のような風格があるね」
大「ハハ、二人とも嬉しいこと言ってくれるねぇ。今日は最高にうまい寿司握りますよ!」
僕「あぁ~幸せ……このカニ汁がまた、絶☆品……」ゴクゴク
ア「SUSHIってこんなにおいしかったんだ……」ボー
僕「ねえアレックス、どれが一番おいしかった?」
ア「ツナもおいしいし、サーモンも最高だった……でも一番のお気に入りは海老フライロールかな」
僕「(こんなとこまで来て海老フライロールかよwwwまあ、たしかにおいしかったけども)」
僕「そういえば大将、なんでアメリカの巻物は海苔が内側に巻いてあるの?」
大「こっちの人は見た目が黒いと警戒して食べないんですよ」
僕「ああ、なるほどー」
大「だからこんなふうに海苔を内側に巻いて派手にデコレーションするのがアメリカンスタイルなんです。はい、海老フライロールお待ちッ」
ア「イタダキマース」
僕「まだ食べるのかよwww」
アメリカ人のオタクはFPSやってるんだよ
奴ら戦争が大好きだからな
たしかにゲーム売り場にはそんなゲームが目白押しでしたね
でもアレックスはあまり興味がなかったみたい
むしろ純アメリカンオタクを毛嫌いしてたような気さえします
僕「あ!大将、これ二つください
大「はいよ」
ア「なに注文したの?」
僕「まあ、見てなって」
大「はい、お待ちどうっ」バチバチバチバチ
ア「なにこれ!?アイスクリームに花火刺さってるwwww」
僕「大将、これどういうこと?www」
大「ほんとは誕生日の人へのサービスなんですが、初めてきてくれた若い二人にサービスです」
ア「なんてファンタスティックなんだ(*´д`*)」
大将の作るいなり寿司は絶品だよ
この日は食べなかったけどアレックスも僕もかなりハマりました
いなり寿司は持ち帰りでも作ってくれたから学校のパーティーに持っていったほどです
ついでにアルペジオも聞いてみたい
アニメのタイトルですよね
アレックスに訊いてみます
>>90
正式名はガールズアンドパンツァー ストライクウィッチーズ
蒼き鋼のアルペジオ
陸海空の萌えるミリタリーアニメだよ
了解
たしか戦車道のアニメは見てた気がする
ア「ワオ!このアイスクリーム!!」
僕「そう、グリーンティーフレーバーだよ」
ア「オゥ……これぞッ……求めていた味!甘いのに、ディープで……もう……とろける」
僕「アレックスはホントにグリーンティーが気に入ったんだね」
ア「このレストランに来る理由がまたひとつ増えたよ」
僕「そういえばこのアイスクリームもひょっとしたらうちの姉ちゃんの会社の抹茶使ってるかも」
ア「ええ!?どういうこと!?」
僕「うちの姉ちゃんが抹茶の会社に勤めててさ、お菓子メーカーにも抹茶おろしてるんだって」
ア「シューのお姉さんすごいな!こんなおいしいもの作ってるのか!!」
僕「もし日本に来るようなことがあればうちにおいでよ。抹茶のお菓子いっぱいごちそうするから」
ア「まじでか!?あ、日本に行ったらチョココロネ、チョココロネも食べれる!?」
僕「ああ、好きなだけ食べれるよwww」
ア「フォォォオオオオオオ!!!!」
抹茶アイスで喜ぶアレックスかわいい
コーヒーゼリーとかも食わせてみよう
コーヒーゼリーのエピソードもあるけど、今日中には辿り着けなさそう
ゆっくり書いていくつもりなのでまた機会があったらスレ覗いてください
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