23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:00:22.40 ID:flZ1wfTAO
驚きのあまり声も出なかった
通い詰めてた空き地にまさか人が住んでると思わなかったんだ
そして俺は驚いて絶句したと同時に
持っていたおにぎりを地面に落としてしまった
そしたらおっさんが
「うわっ、もったいな。それ食べていい?」
と言ったので
とにかくおっさんが怖かった俺は無言で何度も頷いた
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:05:50.67 ID:8KnzTTIiO
Wktk
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:10:51.41 ID:GcDKo98p0
まさか土管のある空き地が実在するとは
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:12:49.73 ID:flZ1wfTAO
律儀に了承を得たおっさんは新聞を畳んで土管の中から這いずって出てきた
白のTシャツにベージュのズボンとおっさんスリッパ
どれもボロボロだったけどおっさんの全体像は意外とそこまで汚くなかった
そして砂がついたおにぎりを拾って食うおっさんに
まだ恐怖心を抱きつつも、俺は子供特有の無邪気な質問を投げた
俺「なぁ…おっさんはホームレスなん?」
おっさん「直球やなぁ。まぁそうやけどホームレスって言うなや」
俺「何で?家無いんやろ?」
おっさん「何か聞こえ悪いやん。可哀相なカンジするやろ」
俺「家無いの可哀相やん」
おっさん「だから可哀相って言うなや」
その日から何と無く友達になった
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:19:18.58 ID:8KnzTTIiO
おっさんのスペックたのむ
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:25:42.21 ID:flZ1wfTAO
>>29
詳しいことは聞いてないから実際はわからんけど
40代くらい
中年体型(腹が若干ぽっこり)
ハゲてない
30: 【17.6m】 :2011/09/01(木) 08:21:22.33 ID:9Z5zGgNW0
なん…だと…!?
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:22:24.02 ID:flZ1wfTAO
それからも俺は相変わらず空き地へ通った
おっさんはというと、
起きて新聞読んだりしてるのが2割
土管の中で寝てるのが8割だった
起きてる日は自分のぶんの飯食いながら
どうでもいい話の相手をして貰ってたけど
おっさんが8割方寝てるおかげで俺は相変わらずぼっち飯だった
それが面白くなかった俺は
またしても妙案を思い付く
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:28:14.67 ID:KhtP2dIo0
続きはよ
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:33:49.47 ID:BOjCbdRu0
かまわん続けろ
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:37:49.77 ID:flZ1wfTAO
とある夕方、俺はいつものように空き地へ向かった
でも土管に座ることはせず、いつもよりデカい荷物を地面に置くと
遠慮もせずに土管の中を覗き込み
案の定寝腐っていたおっさんを揺さ振って起こした
俺「おっさん、起きてや」
おっさん「なんやねん…今寝てんやから邪魔すんな」
俺「おっさんいっつも寝てばっかりやん。カビ生えんで」
おっさん「もう生えてんちゃうか。お前にもカビつけたろか~」
俺「きっしょ!そんなんいいから飯食おうや」
おっさん「えー俺今日飯無いから無理」
俺「いけるって。俺おっさんのんも作ってきてん」
おっさん「えっ?ホンマか?くれるん?」
俺の誘いに目を輝かせたおっさんは
思惑通りすぐに中から出てきて
俺がいつもしているように土管の上にスタンバイした
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:41:21.43 ID:B6awYj7k0
いいよいいよー
38: 【11.5m】 :2011/09/01(木) 08:42:54.54 ID:9Z5zGgNW0
おっさん上手く使ってなにか利益をあげるのなら分かるが、飯を使っておっさん釣るとはまさに鯛で海老を釣るだな
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:47:43.94 ID:flZ1wfTAO
俺も定位置に座ると持ってきたリュックサックの中から弁当箱を二つ出した
デカい箱はおっさんでそれより若干小さい箱が俺
中身はギュウギュウに詰めたオムライスだった
おっさん「うわぁーお前ケチャップすごいやん。蓋の裏にべったーなってるやん」
俺「うっさいなぁ。美味しかったらいいやん」
とは言ったものの母以外に食べてもらったこともなければ、
当然誰かに感想を貰ったこともなかったので
味に自信があるかと言えば正直微妙だった
けどそんなことは言いたくなかったので
俺はおっさんがオムライスを口に入れる瞬間を横目でチラチラと見るのが精一杯だった
そして一言
おっさん「おーホンマや。めっちゃ美味いやん」
それが空腹だったからか純粋な評価なのかはわからなかったけど
俺は内心おしっこちびりそうなくらい嬉しかった
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:47:51.42 ID:GcDKo98p0
今日飯無いから無理ってことは、いつもは>>1が飯食う時にはおっさんも何かしら食べてたのか
何食ってたんだ?
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:01:54.23 ID:flZ1wfTAO
>>40
パンとか食ってた気がする
何にも食わない日もあったよ
腹減ってないねん、とか言ってた
今思えば強がりだよね
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:50:23.57 ID:RcQTKuPs0
なんかほっこりする
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:51:33.83 ID:KhtP2dIo0
女の存在しない世界ってのは素晴らしいな
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:59:41.13 ID:flZ1wfTAO
それからは母と俺と密かにおっさんの分の晩飯を作るようになった
遠慮してたのかおっさんは大食らいではなかったので
材料などの負担はさほどなかった
2人分も3人分もあまり変わらないのだ
そしていつしか俺の生活は
夕方飯を作って空き地へ行き、
おっさんと今日あった事の話とかしながら飯食って
8時ぐらいには家に帰るというものになっていった
もっと話してたい日もあったけどおっさん曰く
「おっさんだってまだ捕まりたくはないねん」
ということで必ず8時には強制帰宅させられてたのだ