18:名も無き被検体774号+:2012/04/15(日) 00:52:49.79 ID:SfrOoNuP0
撮影用のカメラをもって会場に通じるドアをあけ通路を進むと、
出席者の控室からにぎやかな声がする
これはいい絵がとれそうだな~なんてにやにやしながら歩いていた
新郎新婦や親族たちの控室とチャペルで挟まれる広場にでると、
スタッフの人たちが準備を終え待機していた
現場のちょっとピリピリした雰囲気が伝わってくる
俺「どもっす!よろしくお願いしゃす」
ス達「「お願いします~」」
スタッフの中に、俺の一個したでほとんど同時期に働き始めた子がいるんだ。
天真爛漫って感じの子で、結構かわいい。話もあい、
しばしば飲みに行ったりすることもある。名前を天としようか
天「あ、俺さん!俺さん!今日の新婦さん俺さんと地元一緒みたいよ」
俺「え、まじで?○○?」
天「うん。さっき聞いた!盗み聞きだけどねww」
俺「盗み聞きすんなwww」
天「聞こえたんだもんしょうがないじゃんww
もしかして知り合いだったりするんじゃない?」
俺「え~さすがにないっしょwww
知り合いだったら飯おごってやるわwww」
天「まじで!?絶対ね!違ったら何もしないけどw」
俺「おいww」
実家の農家を継ぐのがいやで、
俺は大学を口実に逃げるように地方から上京してそのままこっちで就職した
天も同じような口らしく、それがきっかけで話すようになったっけ
少し雑談しながら、
カメラのチェックをして新郎新婦が写真撮影のために入ってくるのを待っていた
19:名も無き被検体774号+:2012/04/15(日) 00:55:33.52 ID:SfrOoNuP0
そして時間
ス「新郎新婦さん入ってこられま~す」
スタッフの一人の合図とともに、広場のドアが開く
ドアの向こうには通路が伸びていて、
その突き当りの角からスタッフにエスコートされた二人が見えてくる
そこから撮影はスタート
今日はいいムービーできるかな~なんて考えながら
カメラを構えて大きめのディスプレイをのぞきこむ
思わずカメラを落としそうになった
ディスプレイに映りこんできた二人のうちの一人が
俺がずっと高校時代からずっと
片思いしてた女の子だったからだ
21:名も無き被検体774号+:2012/04/15(日) 00:56:25.94 ID:RkUP3DfH0
なかなか読みやすくていいぞおっさん
24:名も無き被検体774号+:2012/04/15(日) 01:00:37.27 ID:SfrOoNuP0
>>21
まじか?じゃあおっさんがんばっちゃう
俺「は?え?」
手が震えてカメラがぶれる。ディスプレイから目が離せなくなっていた
天「どう?知り合いだった?w」
そばにいた天が小声で話しかけてくる
二人がディスプレイの中で大きくなってくる
幸せそうな顔をうかべて
天「・・・?俺さん?」
天が怪訝そうな顔でのぞきこんでくる
俺「あ、ああ大丈夫大丈夫」
天「ちょっとどうしたの?カメラ震えてるよ・・・どうしt」
ス「天さーん!いきますよー!」
天「あ、はーい!ちょ、またあとで」
カメラのブレを止めようと必死だった
必死で脇をしめ、カメラを強く握りこみ、息を止めてなんとかブレをなくそうとしていた
この時の俺はどうしようもなく動揺していたんだ
後で動画を見返してもひどいもんwwww
25:名も無き被検体774号+:2012/04/15(日) 01:00:45.36 ID:J9XB3N120
何年前の話?
27:名も無き被検体774号+:2012/04/15(日) 01:05:24.52 ID:SfrOoNuP0
>>25
7、8年前の話になる。ふと今日思い出してね
彼女が広場に入ってきた
純白のドレスに身を包み、色鮮やかなブーケを大事そうにもって
当時から自慢気にしてた長い黒髪はてっぺんで形よくまとめられていて
全身ドレスなんじゃないかっていうほど、真っ白な肌はとても綺麗で
きつそうに見える釣り目も、薄い唇も、ほどよく施された化粧によりとても映えていて
彼女は間違いなく、間違えようもなく、彼女だった
ごめんここらへん完全に俺補正はいってるわwwwww
34:名も無き被検体774号+:2012/04/15(日) 01:16:14.42 ID:SfrOoNuP0
彼女との出会いは高校のとき。最初のクラスで席が隣だったんだ
俺「うっす!始めまして!これからよろしくwww」
女「・・・よろしく」
暗い感じの子だった
愛想ねえなーwwwと思ってた
まあ実際愛想はないんだけど
クラスで、入学してすぐ受けさせられた実力テストがかえってきた
俺の結果はひどいもんでとても人様に見せられるもんじゃなかった
俺「やべー点数とったったwwwwww」
友「俺もーwwww」
そんな会話をしていると、彼女の名前が呼ばれた
先「この調子でがんばれよ!」
女「あ、はい」
厳しそうな先生で、そんなほめ言葉をかけたのは彼女のみ
興味本位で彼女の答案用紙を盗み見した
答案用紙には90点台ばかりで花丸までついていた
ちなみにその花丸は先生が書いたものらしかったきもかった
31:名も無き被検体774号+:2012/04/15(日) 01:14:31.31 ID:RKS04fL6P
すきな仕事をしてるだけで尊敬に値するけどね
35:名も無き被検体774号+:2012/04/15(日) 01:21:13.58 ID:SfrOoNuP0
>>31
俺は今幸せだと思う
俺「ちょwwwwなにその花丸wwwwwwwww」
女「・・・知らんし」
俺「え、なにすげーじゃんお前wwww」
女「・・・ありがと」
ちょっと照れてたのを覚えてる
長い前髪に隠れてハニカム彼女に興味をもった俺は、
そこからちょくちょくはなしかけるようになった