今まで培ってきた技術を全て詰め込んだ作品だった。
トーンも背景も入れまくり、素人に見せたら
「すげええええ」と言わせる自信は今でもある。
作品のレベルは上がっている反面
出版社のレベルは落としたんだ。
これはもう絶対に上手くいくだろう。
中学生が小学生のテストに挑むようなものだと、
尊大なことを思った。
その確信があった。自信も。
出版社の編集に原稿を手渡し、
「すごい」と驚く顔になる瞬間を見るため、
俺は下唇をかみながら編集の顔を凝視した。
しかし、編集の表情は特に変わらず、代わりに俺にこう言った。
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