それはEさんが自分のことを
「漫画家」として発言するときだ。
「漫画家」の定義は定かではない。
ライセンスがあるわけではないし、
同人作家でも漫画家を名乗る者は結構いる。
ある者は読み切りが一度掲載されれば
それでもう「漫画家」だと言っていた。
そしてEさんはそういう定義を自分の中で定めていたらしい。
そして、俺は、
「漫画家」ではなかった。
編集部から依頼される小さな仕事は何度かこなしていた。
読み切りというには短過ぎる漫画も載せたことはあった。
だが、「漫画家」というにはあまりに小さな仕事だった。
そして、Eさんは、確かに
「漫画家」を名乗ってもいいだけの経歴だった。
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