212: ◆bN5NHW/.U6 2012/01/16(月) 15:47:21.41 ID:6UK3llfl0
お正月はA君とカナちゃんと近くの神社で初詣に行った。
年末、最後の授業で
「先生、初詣に行きませんか」
とA君に誘われたとき
「カナちゃんも一緒に行かない?」
と返しておいたのだ。
「せんせー!二人っきりじゃないなんて気が利かないじゃん!」
カナちゃんが拗ねたように口を尖らす。
「あ…!本当だ、ごめんね」
「ふふ、ウソウソ!先生に会えて嬉しいよー」
可笑しそうにカナちゃんが私の腕に絡む。
二人は受験の一年を迎える。
帰り際、カナちゃんはA君と同じ大学の違う学部を受けることにしたとこっそり耳打ちしてくれた。
まださぁくんには言わないでね、との言葉も添えて。
おじさまと会長には年賀状を出しておいた。
会長からは
「お年賀 有り難う 昨年は 楽しかった です。 また 近々 お食事にでも 行きましょう。紹介したい 人が います」
とのメールが届いていた。
その年から、一人暮らしを始めた。
これからは働いたお金は自分のためだけに遣って良い、と何度も念を押されたので学生の内は素直に従うことにした。
それぐらいしてもバチは当たらないよ、と祖母に言われた。
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