42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 21:16:18.09 ID:kUgYnxlM0
・・・・!?
あれはウチのクラスの新垣ちゃんだ
なんで新垣ちゃんと久保が二人で図書室に!?
新垣ちゃんは仮名の通りガッキーに似ていて、頭も運動神経もめちゃくちゃ良くて、
誰にでも気さくで優しくて、さらに家が金持ちらしくお嬢様なまさに天使だった
そんな新垣ちゃんは当然モテモテだった
でも彼氏はいないっぽくて、話せば「あんまり恋愛とか興味ないんだよねw」という始末
俺が知ってるだけでも当時10人くらい撃沈してた
俺も久保も新垣ちゃんとは普通のクラスメイト以外の何者でもなかった
ていうか高嶺の花すぎて俺は恋愛対象にもなってなかった
そんな新垣ちゃんと二人っきりで久保は何をしてるんだ!?
会話は微妙に聞こえるが何言ってるかほぼわからない
けどなんかほんわかな会話をしてるっぽかった
会話を聞きたいがこれ以上近寄ったらバレるので、
とりあえず手前にあった女の子の成長に関する本を立ち読みしてた
ちょっと時間が経って、気づけば図書室は新垣ちゃん、久保、そして俺だけになってた
熟読してた本を置いてこれからどうしようかと考えてた時に図書室に怒号が響いた
新垣「ねぇ!なんでこんなのもできないの!?馬鹿!」
えっ!?
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 21:22:20.16 ID:kUgYnxlM0
久保「あ、ごめん…」
新垣「もー!手伝いの癖に仕事増やさないでよ!本当使えない!」
新垣「馬鹿なりに考えてやってよ!馬鹿」
久保「ごめん」
なんだコレは!?
天使のような新垣ちゃんはこんな汚い言葉やキツい事を言うキャラじゃないし、
普通のクラスメイトなはずの久保がなんであんなに言われてるんだ…
謎すぎて暫く混乱してたが、
図書室に誰もいなくなったのと声のボリュームが上がったから会話はさっきより聞こえてきた
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 21:27:09.86 ID:kUgYnxlM0
新垣「もう、じゃあこっちやって」
久保「はい」
新垣「今度ミスったら許さないから」
久保「・・・」
新垣「返事!」
久保「はい!」
どうしてこうなったかはわからないが、とにかくこの二人の間にはとてつもない何かがある…
でも新垣ちゃんのあまりの変貌ぶりにビビった俺はとりあえず図書室を脱出した
あの二人の関係について気になって夜もなかなか寝付けなかったので次の日、
それとなく久保に聞いてみることに
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 21:33:25.91 ID:kUgYnxlM0
俺「後輩の件だけど、なかなか上手くいかねー」
久保「まぁ、時間はめちゃくちゃあるし、焦らずやればいいじゃん」
俺「まぁ、そうだな。ていうかそういう久保はまだ好きな子とかいないの?」
久保「俺…いないよ」
俺「そっかぁ、でもせっかくの高校生活だし久保も彼女つくろうぜw」
久保「んー、まぁそうだな。気が向いたら考えるよ」
俺「彼女が新垣ちゃんみたいな子だったら最高なのになぁ」
久保「…あ、うん、そ、そうだね」
やっぱりなんか怪しい…
この後、新垣ちゃんの話題を振ってもなんとかごまかして次の話題にいこうとするので、
思い切って言った
俺「久保、悪いんだけど、俺、昨日図書室にいたんだ」
久保「えっ!?図書室!?いつから!?」
俺「お前が図書室に入っていってから」
久保「ちょ、図書室でなにしてたんだよ!?」
俺「昨日久保がいきなり恋愛話するから驚いて、
何かあったんじゃないかと思って放課後つけてた」
久保「え、ちょ、え…」
俺「そしたら新垣ちゃんとお前を発見した。
そして誰もいなくなったあとの新垣ちゃんの豹変ぶりを見た。
怖くなってソッコー帰った。何かあった?」
久保「・・・・・とりあえず昼休みに屋上で話す」
俺「リョーカイ」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 21:38:23.65 ID:kUgYnxlM0
昼休みになって久保から事の経緯を聞いた
つい1ヶ月ほど前まで久保らは今までと変わらない関係で新垣ちゃんは天使だった
↓
放課後、体育祭の準備をしてる新垣ちゃんを見て暇だった久保が手伝う
↓
毎日のように手伝うようになる。まだ天使
↓
結構遅くまでなった日があり、二人でお疲れさん会的な感じでご飯食べにいく。まだ天使
↓
ご飯中や帰り道、久保に対するダメ出しが徐々に出てくる。
微妙にまだ天使。久保、新垣ちゃんの本性に少し気づく
↓
それからちょくちょく新垣ちゃんからの命令で色々手伝わされるようになる。
二人だと言動がキツくなる。微妙に悪魔
↓
いまではそれがさらに進行して、二人だと常に昨日のような口調になる。悪魔化
という流れらしい。
八方美人というか、性格悪い、新垣ちゃん…
でもさらに久保はどうしようもなかった
久保「俺・・・新垣ちゃんのこと、好きかもしれない・・・」
それから俺たちの新垣大作戦がはじまった
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 21:44:25.51 ID:kUgYnxlM0
お嬢様というか女王様だった新垣ちゃん…
俺とは普段と変わらずニコニコと優しく気さくに話してくれる新垣ちゃん…
なんでこんな新垣ちゃんのことを好きになったのか聞くと
「本気で怖いわけじゃないし、わがままでおこりんぼうで、なんか可愛い」とのこと…
稲森さんの件もそうだが、久保はちょっと癖のある人が好きなのかと思いながらも、
とりあえず昔のトラウマを乗り越えようとしてるから全力で力になろうと決めた
俺と久保のリサーチによると新垣ちゃんはマジで恋愛に興味なし(人を好きになったことがない)で、
悪魔な性格を見せつけてるのは何故か久保だけということ
久保から直接新垣ちゃんに「なんで俺にだけそんな感じなの?」って聞いてもらったんだが、
「んー、なんか久保くんて犬っぽいから。
ペット的な感じ。だから久保くんはあたしの言うこと聞かなきゃダメ」
と返答され、
訳が分からなかったがとりあえず新垣ちゃんは久保を便利な所有物だと思ってる節があった
ただある意味では新垣ちゃんとかなり近い関係にいる久保
チャンスはチャンスだが、このままだとご主人様とペットの関係で終わってしまう
俺ならそれでもいいけど、
久保は新垣ちゃんと付き合いたいからどうにかしてその垣根を越えなきゃいけない