62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 21:49:21.13 ID:kUgYnxlM0
ある日久保は新垣ちゃんに「久保くんって男らしくないから異性としてじゃなくて
ペット的にしか見れないんだ、きっと」って言われたらしく、ちょっと凹んでた
たしかに久保は男らしいっていうよりは可愛い系のやさ男だったから
なかなか男らしさを発揮できていなかった
何かで新垣ちゃんに男らしさをアピールできないかな…
あった!!
俺は久保が野球がうまいのを思い出した
体育とかで他のスポーツはパッとしないけど、
久保は中学のころシニアで野球をやっててエースだった
詳しくはよくわからないけど選抜チームに選ばれたり、
野球で推薦の話もあったみたいだった
久保は「高校野球とか練習キツそうだし、
もう中学で十分やったから」と入学当初言っていたが、
コレは新垣ちゃんにアピールする武器になるはず
数日後…そこにはグラウンドでノックを受ける久保の姿があった
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 21:50:14.26 ID:RVXEEXUJ0
こういう高校生活送ってみたかったな
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 21:55:26.14 ID:kUgYnxlM0
うちの高校の野球部はそこそこのレベル(といっても3回戦くらい)だったから
ブランクのある久保にレギュラーとって活躍するのはちょっと難しいかなと思ったけど、
秋に新チームになってから久保は二番手ピッチャーのポジションを掴んでいた
新垣ちゃんとの関係は相変わらずだったみたいで
どうせ下手なのになんで今頃野球なんてやってんの?馬鹿みたい」とか
「放課後に無駄な練習してないであたしに付き合いなさいよ」とか言われてたみたい
なんだかんだ久保といられる時間が少なくなって
ヤキモキしてるっぽい新垣ちゃんが可愛く思えてきた高2の秋…
その頃、新垣ちゃんの相談やらも含めて久保の家に結構行ってたんだが、
俺は2個上の久保のお姉ちゃんに恋をしていた
そんな俺たちの淡い恋は進展のないままあっと言う間に高3になった
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 21:59:31.08 ID:LeMGlcSz0
あまずっぱ
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 22:01:39.66 ID:kUgYnxlM0
春の大会で結果を出した久保は最後の夏の甲子園予選で背番号1を勝ち取った
新垣ちゃんにも背番号1を自慢したらしいが「野球とか興味ないから」
「全然その凄さがわかんない」
「坊主なんて似合わないから早く前の髪型にしてよ、馬鹿」とか言われたらしい
多分、いや、確実に新垣ちゃんはツンデレ
少し前から随所に新垣ちゃんも久保のこと気になってんじゃないかなって
発言が出てくるようになってきたし、
全校応援の甲子園予選は最後の一押しをする最高のチャンス
そして大会当日、俺は新垣ちゃんの隣をがっちりキープ
この頃には俺も新垣ちゃんと結構仲良くなっていた
(俺に対しては気さくで優しい状態)
一回戦の相手は弱小で、久保は温存されて試合に出なかった
結局ゴールド勝ちして二回戦進出
試合中の新垣ちゃんは「なんで久保くん出ないの?」
「こんな弱い相手なのに出れないって久保くんって相当下手なのかな?w」
「久保くん出ないとつまらなくない?」とか言ってた
多分本人は意識してないだろうが久保くんって言葉をめちゃくちゃ連呼してたw
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 22:08:03.03 ID:kUgYnxlM0
大したことはしてないが、ここ一年ちょいの間で日々こつこつと
アピールして2人の関係を築いてきた結果、新垣ちゃんにもしかしたら恋心が…
と思った瞬間だった
久保にそのことを伝えると「それだけで甲子園優勝できそう」ってニヤニヤしてた
二回戦の相手はうちの高校と同じくらいの強さの高校で、久保が先発した
新垣「あ、久保くん今日試合でるんだ?相手弱いのかな?」
俺「いやいやいや、この前の相手より全然強いよ。だから久保が出るんだ」
新垣「えっ、そうなの?久保くんって下手じゃないの?運動神経あんまよくなさそうだし」
俺「あいつ野球はうまいんだ。背番号1ってチームの一番の中心選手ってことなんだ。
二年の途中から入部してエースなんてすごいよ久保は」
新垣「・・・そうなんだ」
俺「うん。この前の試合は温存されてたんだ。今日も勝てるように応援しよう」
新垣「あ、うん」
新垣ちゃんは久保の試合を見るのが初だった
終始言葉数も少なくて、ピンチになるとメガホンをギュッて握りしめて
めっちゃ久保のこと見てた
これは間違いなく恋w
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/22(木) 22:18:28.49 ID:kUgYnxlM0
試合は延長に突入し、途中から雨が降ってたんだが、
雨足が強くなって再試合になった。久保はずっと一人で投げてたんだが、
再試合でも先発して完投
すごい熱戦になったけど、見事うちの高校が勝った。
ちなみに再試合も延長戦になって、久保はそうとう疲れてたし、肩を痛めたっぽかった
ていうか隣の新垣ちゃんは終始無言で心配そうに久保のこと見てた
三回戦は私立の強豪で、うちにはかなり分が悪いと思っていたが
久保まさかの好投で6回終わって同点。だけどスタンドからでも久保が疲れてるのがわかった
新垣「・・・バカ」
俺「ん!?」
新垣「・・・久保くんてバカだよね」
俺「ん、え、いきなりどした?」
新垣「あんな疲れてんのに、あんな無理して」
新垣「A子ちゃんに聞いたんだけど(野球部のやつの彼女)
久保くん肩相当痛いんだって。だから昨日メールで心配してあげたら全然痛くないし、
疲れてないよ、だって」
新垣「バカ」
俺「・・・・」
次の回に久保は相手打線につかまって大炎上
炎上中、新垣ちゃんは眉毛しかめてすげー泣きそうで見てらんなかった
結局ゴールド負けで、久保は泣いてた
新垣ちゃんもそれを見てちょっと泣いてた
それを見てなぜか俺も泣いた